こんにちは、とーるです。

ガスリボルバーのスピードシューティング適正を比較するシリーズ。

2挺目の今回は【M19やえやまカスタム・初期型】です


【トリガープル測定】
トリガープルは1.3~1.5㎏ほど、平均値は1.47㎏でした。

このリボルバーは、バネ製造の専門業者に特注して製作した59%ハンマースプリングを搭載しています。

通常、ダブルアクションのトリガープルは有名メーカーの高性能ガスリボルバーでも2キロを超えるのが普通ですが、コチラは比較にならない驚異の数値を計測しています。


【初速性能】
平均初速は69.5m/s。最大で70前半。これはエアリボルバー用の純正オーセンティックカートリッジにて計測しています。

4インチモデルでもここまで高い初速性能が出せます。


【命中精度】
ダブルアクションとシングルアクションで測定しました。どちらも15センチの円形ターゲットは外しませんでした。

【ダブルアクション】
ダブルアクショングルーピングは7.2×10㎝でした。後込めのカートリッジと、初期の自作V型ホップの特徴から安定性に多少難があります。

【シングルアクション】
シングルアクションは7.5×6.3㎝で、ダブルアクションの時より安定しています。ただし、ホップの効きがバラついているのか縦軸の着弾点が広がっているように思います。

【評価】
総合評価は【A】でした。
トリガープルが箱出しと比べて飛躍的に向上している点が突出した性能と言えます。

【順位・詳細比較】

比較表で確認してみましょう。
前回の箱出し品と数値や評価ランクの比較が一目瞭然です。

総合評価が5点上回っています。
箱出し品と比べて初速性能は12点低く、トリガープル性能は29点高いです。命中精度は4点高くほんの少し優秀と言えますが、これは誤差範囲かもしれません。

トリガープル性能が圧倒的に高い事が評価の差に影響しているように見えます。



【やえやまの評価】

トリガープル:
競技で使用する現行の「マッチカスタム」と同じ59%スプリング搭載のため、文句なしの性能です。また、 フォーシングコーンをぎりぎりの長さまで削ってシリンダーとの摩擦をほぼ無くし、フッ素樹脂テープで気密を取る「フォーシングコーン気密システム」を搭載しているので、全く引っかかりのないトリガーフィーリングは他に類を見ない物です。速射性能は抜群で、スピードシューティングでタイムを縮めるうえで特に有利になるでしょう。

初速性能:
純正オーセンティックカートリッジの初速性能は非常に高いです。上述のフォーシングコーン気密システムもよく働いており、これがなければ初速は70→50程度まで落ちますので重要なカスタムです。ガスブローバックガンと比べても遜色無い充分な高初速と言えます

命中精度:
正直なところ、この銃を試作した時と違って本格的な競技を経験している今の私の感覚では満足な物とはとても言えません。

連射速度を重視する競技射撃においてシングルアクションはまず使わないため、命中精度の安定性はダブルアクションを最も重視する事になりますが、全弾15㎝円内には辛うじて収まっていますが、2発は12.5㎝の円から外れています。

これは、ジャパンスティールチャレンジのラウンドアバウトや、ATPFのステージ1のスティールプレートを普通に外す可能性が高いことを示しています。

もちろん、シリンダー内でカタカタ動くライブカートリッジモデル、しかも後込め式のオーセンティックカートリッジですから、それらを加味すると充分安定していると言えるかと思います。

【総評】
スピードシューティングよりもサバゲー使用に適した特徴を持ちます。純正より面積を減らした自作のV型ホップは、命中精度の安定化と引き換えに飛距離が犠牲になっています。

箱出しより飛距離が短いので交戦距離の長い屋外サバゲーでは立ち回りに相当の工夫が必要です。一方、屋内であればリボルバーとして充分な活躍が見込めます。

研究の進んだ今になってみれば、飛距離を犠牲にしてまで僅かな安定性を得る意味はあったのかと思ってしまいますが、後の清流二点保持ホップ考案のきっかけになった事を考えれば、非常に価値のあるカスタムであったと思います。

また、もしハンマースプリングがノーマルでトリガープルに差が無かった場合、初速が下がっている分箱出しより低評価の可能性がありました。しかし箱出しよりリロードが容易なフルサイズカートリッジ仕様となっている事そのものに大きな価値があるため、数字だけでは測れない部分での好印象もあります。

その他、蛍光ペイントマーカーで塗ったフロント・リヤサイトはまるで集光サイトのように狙いやすく出来ています。今のマッチカスタムやフリマサイト仕様に受け継がれる特徴です。


お座敷シューティングくらいの近距離ならまずターゲットを外す事は無いので、ネット式のキャッチターゲットを使えばBB弾も散らからず、楽しく遊ぶ事が出来るでしょう。


【次回予告】
同じく最初期に製作したM29やえやまカスタムが登場します。お楽しみに!


【まとめ】