こんにちは、とーるです。


某フリマサイトで本日から出品開始の競技用ガスリボルバー【やえやまカスタムM586】、ぜひ注目のほどよろしくお願い申し上げます。


さて今回の記事は、あるエアリボルバーのレビューです。

先日、フリマサイトで購入したクラウンモデルM586エアリボルバー10歳以上用。

  実は、競技用カスタムガンのベースとして品薄になってきているエアリボルバーのM586、市場から完全になくなる前にある程度集めておこうかなと思って探していたところ、コチラを発見しました。
 実はこれ、出品者の方の旦那様が子供時代の1998年頃に購入し、いつしか遊ばなくなってからはずっと実家で保管していたものということで、大変貴重な品物となっています。

そのような出品情報の経緯から、カスタムのパーツ取りに使うのはなんだか気が引けるなぁと思って購入せずに見守っていたのですが、やはりどうにも気になってしまってついに購入してしまったという経緯があります。
購入確定の後に、私が普段同型のエアソフトガンのカスタムガンを製作している事をお話し、今回購入させていただいたこれは値段的価値こそ現行品と変わりませんが、微妙に仕様が変更される以前に販売されていた大変貴重な物であること、そして何より思い出あるお品物とのことで、カスタムには使わずブログでレビューしたうえでこの形のまま手を加えず大切に保管しますとの旨をお伝えしました。

すると、間もなく出品者の方から返信があり

 主人に伝えたところ、子供の時に家の廊下に的を貼って撃っていたという思い出話を聞くことができ、主人も喜んでいましたとの事でした。

私も思わず感動してしまい、購入してよかったと心から思いました。いやむしろそんな物購入してよかったのか?

さて、今回は早速このM586をレビューしていきたいと思います。
側面に商品バーコードがあります。

調べてみると、最初の49という数字は2000年以前に使用されていた物で、日本を表すコードです。つまり、出品情報の通り紛れもなく90年代当時に販売されていたクラウンモデル社製エアリボルバーであることを証明してくれます。(現在の日本のコードは45とのこと)
バーコードの種類と特徴について:

箱から本体を出して確認。とても綺麗で傷も少なく、何より箱や説明書が残っている事を考えたら大切に遊ばれていたことがわかります
クラウンモデルのエアリボルバーは、最近のモデルはブルーイング風塗装がされていますが、この時代の物は黒く艶消しのシックなデザインとなっています。箱の側面に書かれた説明によると「ブラックサテン仕上げ」とのことですが、サテン仕上げとは一般的に金属の塗装に用いられるので正しくはブラックサテン風塗装なのでしょうか。
上が今回のビンテージ品、下が現行品(厳密にはフレームがエアコキのカスタムガスリボルバー)。

今回のビンテージ品はより黒い色が強く、光沢の強さも抑えられておりガスリボルバーの物に近いです。

現行品でも18歳以上用のエアコキリボルバーに関してはガスリボルバーと同様なマットブラックになっていますが、実はよく見るとこの時代の物はガスリボルバーのそれとも少し違う、半光沢な感じのもっと丁寧な仕上がりを感じる見た目となっています。

現在フリマサイトで出品中のやえやまカスタムと比べてみましょう。
上がやえやまカスタムガスリボルバー、下が今回のエアコキ。やえやまカスタムはフレームがガスリボルバーの物であり、バレルとシリンダーがエアコキからの流用。いわゆるニコイチ品です。

ガスリボルバーと遜色のないどころか、唯一無二の高級感がありますね。
BB弾がおまけでついてきました。今はほとんど見かけなくなったカメラのフィルムケースが時代を感じさせます。私も子供の頃は小さな工具ケースにBB弾を保管して遊び、床に散らばった弾を拾って再利用していたのを覚えています。
クラウンモデルの純正BB弾では無さそうです。目に見えるバリがありますね。

さすがに18歳以上用の精密な高級電動ガン等に使えるBB弾ではありませんが、10歳以上用のエアソフトガン特にエアコッキング式リボルバーならば充分でしょう。

今回は使わずに想い出と共に保管しておくことにします。
いよいよ実射してみます。使用弾はクラウンモデルの純正0.12gBB弾です。カートリッジも不意に割れたりしては勿体ないので所有している他の個体の物を使うことにしました。

エアコッキング式のリボルバーなので、引き金を引くだけで撃てるダブルアクション方式のガスリボルバーと違い、一発一発ハンマーを親指で起こしてから引き金を引いて撃つシングルアクションだけの銃です。

ガスも電池も使わないので気軽に遊べます。
初速は37.68m/sでした。威力に換算して0.085ジュール。10歳以上用の規程が0.135ジュールとなっていますので、紛れもない10歳以上用エアソフトガンです。

子供の玩具としては最適な優しい威力ではありますが、性能が低くなりがちなリボルバー型のエアソフトガンとして考えた場合はなかなか高い数値だと思います。さすがはリボルバーの老舗クラウンモデルです。
銃口から覗けるホップアップシステムを確認したところ、現行品と比べて少し突き出し量が少ない事に気づきました。

※危険なので保護眼鏡等をして、弾が発射できない状態であることを確認して行っています

下が現行品のもの。一目瞭然、現行品のホップゴムはかなり突き出し量が大きいと思います。

 弾にかかるバックスピンが弱まるため、現行品と比べたら弾の飛距離は短いのかもしれません。

ただしホップゴムはBB弾の障害物でもあります。0.12gの軽量弾ではより強くホップゴムの影響を受けますから命中精度は現行品より安定する可能性があります。

そういえば今のクラウンモデルのエアリボルバーって飛距離をかなり売りにしていますよね。この頃はどうやら違ったようです。

競技用カスタムガンにも行っている物と同じ命中精度試験を実施してみました。
お世辞にも命中精度が高いエアガンとは言えませんがたまに素直に弾が飛んでいく事もありました。ターゲットペーパーが公式のエアガン競技を想定したものなので大きく外れてしまって見えますが、おおむね狙った箇所の20センチ以内くらいには着弾してくれる、撃っていて大変楽しい玩具です。

5メートルでA4用紙にほぼ確実に収まる安定性があるので、恐らくもっと近い距離から撃つであろうお子様にとっては必要充分な精度があると言えます。

突き出し量の控え目なホップゴムや実射の安定性から言って、エアガンスミスの立場としては本当ならカスタムベースに最高の個体だと思いましたが笑

中古のエアソフトガンには、一丁一丁、持ち主の方の唯一無二の想い出と歴史が込められている事を再認識しました。想い出と共に大切に保管させていただきます。

本当に素晴らしいエアソフトガンをありがとう。そして、素晴らしいリボルバーを販売してくれてありがとうクラウンモデルさん。

八重山徹