久しぶりのメイン記事です。
なんだかすっかり趣味と雑談の方が盛んになっている当ブログでありますが…
世の中に広まっている常識などに対して、新たな視点から切り込む内容が本当はメインのブログです。
今回の記事は確率論のお話です。と言っても、理系出身の私ですが実は大の数学嫌いで、学生時代は算数オンチと言われるほどでした。だからこそ数学が苦手な人にもわかりやすくなっていると思いますので期待して下さい。
キーワードは「数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う」です。
さて、皆さんは「誕生日のパラドックス 」を知っているでしょうか。
例えば、あなたが 20人規模の婚活パーティーに出たとしましょう。
B子「えー?A夫さんって誕生日11月23日なんですか???私も11月23日生まれなんですぅー、運命感じちゃいますねー!」
皆さんならばどう感じただろうか。もし「自分と同じ誕生日の人」と出会ったら、B子さんのように思わず運命を感じずにはいられないのでは無いでしょうか。
しかしそれが運命ではなく、実際はそんなに珍しい事では無い、むしろかなり高確率で起こる当たり前の事象だったとしたら?
「誕生日のパラドックス」とは【何人集まれば、その中に誕生日が同じペアが1つ以上いる確率が50%を超えるか】という数学の問題から生じたお話です。
簡単にかみ砕いて言うと、
人が集まって同じ誕生日のペアができる可能性を考えた時、直感的には恐らくかなりのレアケースだろうからたくさん人を集めないと実現しないだろうと思ってしまいますが、実際にはそこまで人数を集めなくても高確率で起こるという、数学的な事実と直感のギャップを表す物です。
先に述べたように、今回は数学をほぼ使わずに解説します。なので詳細は以降の引用ホームページ等を参照してくだされば幸いです。
誕生日が同じだと特別な縁を感じますが、「誕生日のパラドックス」をご存知ですか?
— 財務省 (@MOF_Japan) 2020年12月11日
実は、集団の中に同じ誕生日の人がいる確率は、23人いれば50%程度と思ったより高く、直感に反するのでそう呼ばれています。
直感や感覚も、ときに大事ですが惑わされることのないよう日々仕事に向き合います。 pic.twitter.com/wUr4BoZ88J
「誕生日のパラドックス」では、23人が集まれば同じ誕生日のペアが生まれる確率は50パーセントもあるとされます。
そんなに高い確率なの??嘘だぁ?と思うあなた、実は「誕生日のパラドックス」は、以下の検証によって本当であることが証明されているらしいです。
上記引用記事によるとワールドカップのサッカーチームを使って検証がされたとのこと。実はこの記事の最後に興味深いお話が一つあります。
「誕生日が同じペアが存在する確率」と「自分と同じ誕生日の人がいる確率」は異なるという事が書かれています。
そう、「誕生日のパラドックス」の正体は、簡単に言えば単なる思い込みや誤解 によるもの。間違った前提が強く印象付けられる事から生まれる幻想です。
B子さんによる「えー?A夫さんって誕生日同じなんですかぁ~?」 が起きる確率とは、実は全く違うものを計算しているという盛大な勘違いから生まれる擬似的なパラドックスだったわけです。
これが勘違いだからまだ良いものの…
詐欺師が人を騙すためにこれを使ってしまったら冗談では済まない事です。算出された数字は決して嘘ではないが、嘘つきはこの数字を巧みに使って人を騙すのです。
そして今回は、それをもっと突っ込んで解説するために記事を書きました。「誕生日のパラドックス」にはもう一つ重大な勘違いが隠されているのです。
引用記事では、「自分と誕生日が同じ人がいる確率はもっと低い」という事について書いてあります。
引用開始
なお、「誕生日のパラドックス」では23人が集まれば同じ誕生日の組み合わせが出てくるとのことですが、「自分と同じ誕生日の人が現れる確率が50%を超えるのには何人必要か」かということになると253人の人がいなければいけない計算になります。
引用終了
ん?253人いれば50パーセントの確率で自分と同じ誕生日の人がいる???
いや、そんなはず絶対にありません。
この計算の理論は、1/365の確率で同じ誕生日の人間が世の中に存在するという前提によるものだからです。
いやいや、そんな怪現象があるはず無いのはちょっと考えればわかる事です。
例えば、何の偶然か11月23日生まれの人が日本に2人しか存在しなかったらどうでしょう。本当に253人集まれば50パーセントの確率で11月23日生まれの人がいるのでしょうか。
もっと極端なことを言うと、この国にたまたま偶然奇跡的に11月23日生まれの人間が自分だけだったら?何人集めても確率は0パーセントという事になります。
誕生日の本質が何かを考えれば、自分の誕生日が11月23日である確率は1/365日ではなく
(11月23日生の人数)/(全人口)
である事がわかるはずです。
なぜって?世の中にいる人間の誕生日が一様に等しい確率で発生するわけでは無いからです。その答えは、子供が出来るきっかけは何?という、大人の皆さんなら誰もが知るところにあります。
それはクリスマスベイビーという言葉にもある通り、人間の意思と行動が密接に関わっている事象だからです。
もし法律か何かで、人口に対する誕生日の割合が等しく決められていて、夫婦に対して子作りの日程や生む日付が定められているのだとしたら誰もが怒るのでは無いでしょうか?人の人生何だと思ってんだ!?と…
ということで下記の引用記事を見てみましょう。
引用:
どうです?画像は引用記事で紹介されているもので、人口に対する誕生日の人数を順位付けした表です。クリスマスが原因なのかどうかは知りませんが、9月生まれのいわゆるクリスマスベイビーは確かに多いのかな?という印象です。
このように、人間の誕生日には偏りがありますから統計データとの対比が必須であることがわかります。
そもそも、誕生日などという神秘的な題材だから勘違いが生まれます。
商店街で使う福引きのガラポンを考えてみましょう。一等のハワイ旅行も参加賞のポケットティッシュも、それぞれ同じ個数が入っているわけがありませんから、一等のハワイ旅行には価値があるのです。
「ハワイ旅行欲しいなぁ~」 で一等が出る確率と「ポケットティッシュは出ないでくれ~」で参加賞が出る確率、同じだったらもっと多くの人がハワイ旅行行けてますよね?
(別に1位の12月22日生まれの人がポケットティッシュであると言いたいわけでは無いのでどうか怒らないで下さい…)
ただし、誕生日を基準とする運転免許更新のように、意図的に割合が操作された人たちの集まりであれば確率はぐっと上がる事でしょう。
え?ワールドカップのサッカーチームの検証で1/365日の考え方は正しいと証明されているじゃないか?そう思った方もいらっしゃるかもしれません。
その場合は、学食でカレーを食べる日の事を想像してみて下さい。
食堂を利用した生徒を何人呼べばカレーを食べた人と出会えるかという確率を求める場合と、ラーメンでもカレーでもソバでも何でもいいから同じメニューを食べた人が2人以上いる確率を求める場合とでは、計算に使う数字が同じではないという事を簡単に理解できる事でしょう。
前者は生徒の人数や販売されたカレーの数が、後者はメニュー数が考慮されます。
「誕生日のパラドックス」に当てはめると、生徒の人数は全人口、販売されたカレーの数は同じ誕生日、メニュー数は一年の日数です。
もちろん、一日数食しか無い限定メニューの存在(うるう年) は無視しています。
最後に、
当ブログで引用した幾つかの記事についてですが、それを書いた人が他人を騙そうとしているわけでは決して無いでしょう。くれぐれも当ブログを読んだ人が勇んで誹謗中傷のネタにしたりする事のなきようお願いしたいです。