こんにちは!とーるです。

 

いつもご覧いただいている皆様から寄せられる反応の数々が大変励みになっております。

 

 

突然ですが「あなたの愛銃(エアガン)を競技で使った場合」果たしてどこまで通用するか気になったりしませんか?



(行きつけのシューティングレンジでプレートターゲットを撃ってカスタム銃の性能を確認している様子。配置は競技射撃の公式ルールとは違うものの、プレート自体は本物を使用している)

 

 

youtubeのエアガンレビュー動画で、トップシューターがスピードシューティングの金属プレートやAPS競技の小さなターゲットペーパーを撃っているシーンを見たことがあると思います。

 

お座敷シューターの中にも、競技射撃をやってみたいなと感じておられる方がいらっしゃるかもしれません。「あのプレートってどのくらいの大きさなんだろうか」「自分の持っているエアガンで当てられるのだろうか」という疑問があるかもしれません。

 

しかし...

 

・いちいち専用のシューティングレンジに行くのも気が引ける

・そもそもシューティングレンジなんて近場に無い

・ちょっと楽しめればそれでいいから、そこまで本格的でなくて良い


そんな皆様のため、簡易的に競技を体験したり、競技銃の性能を計測するためのターゲットペーパー「THEお座敷プロ」を作りましたのでご紹介します。


 

(これが競技銃性能計測用ターゲットペーパーだ)

 

私はクラウンモデルのガスリボルバーを改造して競技用にカスタムをしています。実はガスリボルバーの命中精度を高めていくうえで、競技に使用できる性能があるかどうかを自宅で確認する良い方法が、いままではありませんでした。


わざわざシューティングレンジまで出向いて金属ターゲットを撃ちにいかなければならず、調整の余地がある事に気づいて家に帰ってから再調整。後日またシューティングレンジに...というのを繰り返すばかりで不便だったのですが、このターゲットペーパーを使えば、自宅で5mの距離さえ確保できれば簡易的にどの競技でどれだけ使えるのか性能をチェックすることができるのです。

 

 

 

このターゲットペーパーで対応可能な競技が上の通りです。


中央に向かって5~6発撃つだけで、1回の計測で複数の競技における性能の目安を知る事が出来るのです。

 

例えば、外周から直径15~10cmまでに配置された4種類の円は日本国内のメジャーなスピードシューティング競技「ジャパンスティールチャレンジ(JSC)」や日本トイガン射撃協会(JTSA)の「アンリミティッド」で使われている金属製プレートターゲットに相当します。


それらの競技で銃を使用した場合に、ターゲットにちゃんとBB弾が当たる性能なのかどうかなどの情報を得る事ができます。

 

 

また、内周の直径5cm以内には、日本エアースポーツガン教会(JASG)の精密射撃競技「APSカップ」で使われるブルズアイターゲットに相当する円が描かれています。


5点圏から10点圏、中央のXまで全てを再現していますので、性能の計測だけでなく単純にAPSカップの練習にも使えます。

 

 

 

銃の諸元をメモする欄も充実していますので、カスタムガンを制作している方や、エアガンレビュー、コレクションの実射データを管理する用途にも使いやすいと思います。


記事の最後に画像データを乗せておきますので、ぜひコピーして使ってみて下さい。

 

 

(競技用にカスタムしたクラウンガスリボルバーたち。今回は改造が完了したばかりのM586マッチカスタム(画像右)の性能を計測してみる事とした)

 

という事で、出来立てホヤホヤのガスリボルバーM585マッチカスタム。今回はこれをJTSAのスピードシューティング「アンリミティッド」に使用する事を前提として計測してみたいと思います。

 


とりあえず、まずは銃そのものの命中精度を確認する事にします。


精密射撃競技、APSカップのブルズアイを想定し5mの距離から片手でシングルアクション射撃を行いました。


※実際のブルズアイは2分間で5発発射を2セット、つまり全部で10発撃って得点を競うルールですが、今回はリボルバーの6発全弾で1セットだけ撃って計測しました。

 

※APS競技は専用の公認機種でなければ参加できませんので、あくまでも性能チェックとしての計測になります。

 

特定非営利活動法人 日本エアースポーツガン協会 (airsportsgun.com)

競技の詳細 | APSカップ非公式サイト (apscupu.com)

 

 

計測の結果は、6発のグルーピングは5.0cmでした。(最も離れた着弾点同士の距離をグルーピングとして扱っています)

 

着弾は全て中央よりも右下にずれてしまっていますが、まだ作りたての機種でトリガーフィーリングの癖がつかめていなかった事と、銃自体の命中精度を見たいので1発目が外れてもなるべく狙いを修正せずに正照準で中央を狙い続けたためです。


ブルズアイ競技の結果としてはいちおう5点圏に1発入っていますが、上記の理由から得点よりも単純なグルーピングの数値で結果を分析したいと思います。

 

さて、グルーピングが5.0cmという事は、APSカップのブルズアイターゲットの直径も5cmなので、とりあえず最低の得点圏である5点圏に狙って命中させられる性能があるという事を示していると考えられます。


しかしながら、もっと点数の高い8点圏の直径は3.5cm、10点圏に至っては2.2cmしかありませんので、仮に高い得点圏に当たったとしてもそれは狙って当てたわけでなくたまたま当たった物だという事になります。

 

ざっくりした結論としては「5m先にある5cm未満の小さな的には、射手の腕だけではなく運も必要となる銃」である事がわかりました。

 

それでもライブカート式のリボルバーとしては優秀な部類に入るのではないでしょうか。

 

 

続いてもシングルアクションの計測です。

2回目は、片手保持と両手保持で3発ずつ行いました。

 

片手保持の結果はなんとグルーピング1.5cmと素晴らしい結果です。


3発しか撃っていないので最初よりもデータの信憑性は低くなりますが、最初の計測がAPS競技に準拠した撃ち方だったのに対し今回は時間を気にせずじっくりと狙って撃った事や、トリガーフィーリングに慣れてきたためとも感じました。


着弾はすべて上に外れてしまっています。これは最初の計測で全弾が下に反れたのを意識しすぎて銃口が上を向いてしまったためです。


上にそれてしまった初弾ですが、これを基準に2発3発も力加減やサイティングを初弾から極力変えないように撃ったので、ブルズアイターゲットから外れてはいますが結果的にグルーピングは安定しています。


次に、両手保持の結果は初弾が理想的な箇所に命中したのもあってか、3発ともブルズアイの8点圏(厳しく判定すれば1発は5点圏かも)に命中する素晴らしい結果となりました。グルーピングは3cmです。


しかしながら、8点圏と言っても全て最外輪への命中弾となっています。つまり射手の手ブレ等によるちょっとした誤差で弾道が反れてしまった場合は、10点圏に当たる可能性よりは最も近い5点圏に当たってしまう可能性の方が高いでしょう。


この事から考えてもやはり結論は最初の計測と変わらず「狙って確実に当てられるのは5cm程度まで」と言えるでしょう。

 

グルーピングに関してですが、リボルバーの宿命であるシリンダーギャップの影響を受ける以上は、シリンダーの回転精度を上げる等の細かな調整をしない限りは、これ以上命中精度は良くならないかと思います。しかし、用途が精密射撃ではなくスピードシューティングなので、時間や手間をかけてメンテナンス性が下がるようなカスタムを行う必要は無いと判断しています。

 

ちなみに片手保持も両手保持もそうですが、6発全弾撃っていればグルーピングは更にバラけて悪い結果になっていたかもしれませんし、逆にもしかしたら高い命中精度をキープしてまとまっていたかもしれません。より正確な結果が知りたければもっとたくさん撃つ必要があると思います。ただし、精密射撃が嫌いな私の集中力が続かないかもしれません笑。

 


どうしても射手の腕の影響も受ける以上、銃を固定しての依託射撃でもしない限り計測に限界はあるかと思いますので、そのあたりが「簡易的な測定」という所以でもあります。


 

しかしながら、もしこれが普通のターゲットペーパーを使用した結果ならば「片手も両手も全弾まとまってるし両手に至っては中央付近に当たったから素晴らしい!」だけで終わっていたはずです。各種競技射撃に対応したこのペーパーターゲットならではの具体的な性能試験ができたのは、大変喜ばしい事です。


 

 

最後は本命のスピードシューティングを想定したダブルアクション速射です。

 

結果は、直径12.5cm以内に6発すべて命中。うち4発は直径10cm以内、更にそのうち直径5cm以内に当たったのが2発でした。グルーピングも5.5cmと、ダブルアクションのリボルバー速射にしては非常に良い結果となっています。


二発目以降は着弾点が下がってしまっているように見えます。おそらく今回はCO2外部ソースではなくリキッドチャージのHFC134a缶を用いたため、初速低下によって着弾点が落ちてしまったと思われます。


外部ソースを使用すればもっと良い結果が得られるかもしれません。


横ブレはシリンダーギャップによる弾道変化や、リボルバーのダブルアクションということで手ブレが起きやすいためと思われます。


リボルバーのエアガンは、シングルアクションの命中精度は高いのにダブルアクションだと全く当たらなくなる機種が多くあります。


グルーピングがシングルアクションもダブルアクションもほとんど変わらないというのは、シリンダーの回転精度の高さや、バレルの加工によってシリンダーギャップの影響を高いレベルで排除できている事の証明になるでしょう。


 

アンリミティッド コース図 – 一般社団法人日本トイガン射撃協会 JTSA (jtsa-shooting.org)

 


競技射撃「アンリミティッド」のコース図を参考にすると、最も遠いターゲットである5mの距離(今回の計測距離と同じ)に置かれる円形ターゲットは直径15cmのプレートターゲット1種類(大型で長方形のレクタングルターゲットを除く)であり、より小さな的は全て4m以内に配置されていますから、今回の計測結果から言うと銃自体はアンリミティッドで充分問題なく使用可能な性能を有していると言えます。


実際に競技射撃で使ったわけではありませんので、とりあえず最低限コースを撃つのに支障は無い程度である可能性も否定できませんが...

 

距離や高さを変更すれば「あのコースのこのターゲット」などを細かく正確に検証する事も可能です。

例えば「火」というステージの12.5cmターゲットを想定するならば4mの場所に置いて撃ってみたり等...

 

このターゲットを使用すれば「ホルスタードロウから初弾の練習」を効率的に行う事もできます。

 

狭い部屋でも距離を近くすれば充分行えます。本格的な設備を備えた練習場に通う必要も無く、自宅で充実したトレーニングができるでしょう。

 

 

 

最後に、ターゲットペーパーの画像ファイルを貼っておきますので、ぜひ皆様もA4用紙に印刷して活用してみて下さい!

※手作りのターゲットペーパーなので、円の直径(特にスピードシューティング用の円)に数ミリ単位の誤差が生じている可能性があります。あくまでも簡易的な計測が行える物である事をご了承下さい。

 

(画像ファイルを保存して、コンビニのネットプリントで登録すれば店舗のコピー機で印刷する事も可能です。ネット印刷は多少高価ですがだいたいは1枚100円以内でできます。1枚印刷してしまえば、あとはコピー機で1枚10円程度のモノクロ印刷で増やすだけです)

 

PDFや写真をセブンイレブンですぐ印刷 |ネットプリント(個人のお客様) (printing.ne.jp)

 

セブンネットプリントを使用する場合は、くれぐれも「ちょっと小さめ」を選択しないように注意して下さい。ターゲットが小さく印刷されてしまいます。A4にフルサイズ印刷する設定で大丈夫です。

 

ということで今回は以上です。さようなら!