こんにちは、とーるです。
皆様は、アクション映画やアニメのリボルバー拳銃といえば何を想像しますか?
・ルパン三世のキャラクター「次元大介」が華麗な装填を見せる「M19」コンバットマグナム
・ダーティハリーの「ハリー・キャラハン」が悪役を追い詰めた時の「M29」は当時世界最強の拳銃
・レオンの「ノーマン・スタンスフィールド」が使用する妙にカッコいいシルバーモデルのリボルバー「M629」ギラッと輝くヴィランに相応しい怪しくも美しいスタイル
主人公や悪役だけじゃない、脇役警官から一般人まで映画で広く使用されるリボルバー拳銃。まさに「銃と言えばリボルバー」。
自分はエアソフトガンの中でもガスリボルバーが大好きです。
ということで突然ですが、リボルバー型のエアソフトガンにはライブカート式と非ライブカート式があることはご存じでしょうか。
(コクサイ競技用ガスリボルバー「スピードコンプ」)
ライブカートとは、BB弾を入れたカートリッジをシリンダーに1発ずつ込める実銃のようにリアルな装填方式のリボルバーエアガンです。
スピードローダー等が使用できるなりきり遊びのような魅力がありますが、代償として装弾数は実銃と同様で5~8発程度と少なくカートリッジの分しか撃てません。
BB弾に物理的な干渉が大きく作用するため命中精度にも限界があります。
(右は東京マルイ「コルトパイソン」、左は社外品リアルカートリッジを使用する「ライブカートカスタム版」)
東京マルイのコルトパイソンは破格の24連発機構を誇る「非ライブカート式ガスリボルバー」です。
独自のメカニズムで命中精度も高く、堅牢な作りでサバゲー等でも実用可能ですが、惜しくも絶版となりました。
しかし、24発撃てようが命中精度が高かろうが、
ライブカートの方がカッコいいしリアルじゃん!
そのような思いを胸に、わざわざ装弾数を犠牲にしてまでライブカート仕様にカスタムする人が続出するほど不思議なロマンを持っているリボルバー、それがライブカート式リボルバーなのです......と
ちょっとまった!
ライブカート式の方がリアル?
いいえ、それを打ち破る画期的なリボルバーが存在します。
リボルバーのリアルさは「なにもカートリッジの装填が全てとは限らない」ということを少しでも多くの人にわかってほしくて書かせていただきます。
ということで今回はタナカワークスのガスリボルバーを紹介します。
タナカのガスリボルバーに採用される「ペガサスシステム」は非ライブカート式リボルバーの発射方式のひとつです。
ライブカート式リボルバーには再現できない使用感で人気が高いです。
(左:タナカワークス「コルトパイソンステンレスモデル」、右:比較用のクラウンモデル「コルトパイソン」)
先述の通りタナカのペガサスは非ライブカート式で、シリンダーはモナカのように被せられた外側だけが回転するという不思議な構造をしています。それはシリンダー自体がガスタンク兼BB弾の発射装置になっているためです。
装弾数は、まずシリンダー前面6か所の穴にそれぞれ1発ずつ(一般的な先込式ガスリボルバーと同様)の計6発に加え、シリンダー内部に更に8発を収納する事で合計14連発の多弾数を実現しています。数では東京マルイの24連発システムにこそかないませんが、シリンダーが回転する度に発射後の空いたスペースへBB弾が次々と給弾される独自のメカニズムとなっています。パワーソース・発射機構・弾倉の一式を小さなシリンダーに全て凝縮しており、非常に画期的なメカニズムとなっています。
ペガサスリボルバーの命中精度はリボルバーエアガンとしてはとても優秀な部類であり、
「タナカのペガサスはよく当たる」と評判が良いです。
シリンダーから直接ガスを放出する独自の方式は、ガス圧の損失が少なく集弾性の向上に効果があります。
しかしながら、回転するシリンダーからBB弾を直接発射する方式そのものはその他のライブカート式ガスガンと同じであり、命中精度に差を与える要因(※)は「ペガサスシステム」という機構だけに留まりません。
それは、シリンダーとバレル間の僅かな隙間(シリンダー・ギャップ)がほとんど無く、ホップパッキンがバレルの後端ぎりぎりに位置している点です。これにより、比較的安定した弾道を確保することができるわけです。
また、モデルガンメーカーならではの堅牢で精密なシリンダーの回転精度も命中精度の向上に一役買っています。
(※)現在最も命中精度が優れているガスリボルバーは、東京マルイの「NEWコルトパイソン」と思われます。これは2019年に惜しくも絶版となった商品です。ガスルートがダミーのリムを押すことで、保持された4発のBB弾のうち1発がリリースされバレル内まで前進し最終的にホップパッキン手前で固定されます。つまり、リボルバーでありながらシリンダーではなくバレルからBB弾を発射するという点において、セミオートハンドガンとほぼ同様の機構を持っているため、命中精度が飛躍的に高いガスリボルバーです。
(東京マルイ旧型パイソンの場合はBB弾がシリンダーから直接発射される従来通りの方式なので命中精度は新型に劣ります。そのため中古品の購入時には注意が必要です)
さて、ここまでのお話で、
たいしてリアルじゃないじゃん!
と思った人、どうか安心して下さい。
それでは、いよいよここからペガサスシステムの生み出す圧倒的なリアリティについての話題に移りたいと思います。
(タナカのペガサスリボルバーは外観が非常にリアル。ガス注入口はグリップではなくシリンダーにある)
ペガサスリボルバーの真価は「外観の美しさと実銃さながらのトリガー機構」にあります。
これが、他社のリボルバーガスガンと一線を画す圧倒的なリアルさの正体です。
通常ガスリボルバーはグリップにガスタンクを内蔵しているため、トリガーメカニズムが実銃とはかけ離れた構造をしている事が多いです。一方で、ペガサスシステムは下の写真のように板バネを用いて実銃の機構を精密に再現することが可能となっています。
(モデルガン並みの精巧な再現度により実銃グリップが付けられるとの噂も…)
実銃メーカー「S&W」と「コルト」のリボルバーは、構造の違いから全く異なるトリガーフィーリングをしています。
日本に住んでいると実銃に触る機会もないのであまりピンと来ないかもしれませんが、例えばダブルアクションの際に、
「S&W」はシリンダーの回転が止まってからハンマーが撃発されるシャッキリ感があり、「コルト」は撃発の瞬間にシリンダーの回転が止まるヌルっと感がそれぞれあって、かなり好みが分かれるところです。
これは、モデルガンでも無い限り本来は実感できないリアリティの差です。
その違いを、ペガサスシステムならばBB弾を発射できるエアソフトガンで味わうことができるというわけですから、これほど素晴らしい事はありません。
更にペガサスリボルバーはシリンダーとヨーク(シリンダーを支える部品、コルトの製品ではクレーンと呼ぶ)が金属製で、中央に重心があるずっしりとしたリアルな重みを感じる事ができるのも利点です。プラスチックのフレーム部分も塗装が非常に凝っており、金属製シリンダーからの熱伝導によりひんやり感も伝わって来るため、まるで本当の金属のように感じられるでしょう。
このようにタナカのペガサスリボルバーは、カートリッジが使えない代わりに他では味わえない実銃のような質感を堪能できるためファンも非常に多いガスリボルバーです。
ただし、やはり完全無欠ではなく欠点もあります。
実射性能を確保するためシリンダーギャップがほとんど無くキツくなっていて更に重たい金属製シリンダーを使用している事から、他社のガスガンよりもトリガーが若干重たく感じられたり、シリンダーをはめ込む瞬間に金属とプラスチックがこすれて「カポン」とした頼りない音がしたりする点。
エキストラクターロッドが完全にダミーで回転すらしない(一見すると発射時にシリンダー全体が回転しているように見えるが、実際はモナカのような外装だけがシリンダーハンドの力で回転しながら先端にBB弾を給弾する)ため、シリンダーまわりのリアリティがかなり犠牲になっている点。
ガスの注入口がシリンダーにあるため、付属の専用ノズルを使用しなければガス缶がフレームに干渉して注入が全くできない使い勝手の悪さ。
独特のOリングが原因で最初の数発がうまく発射されない持病「ペガサス病」なる仕様上の不具合。(最近のモデルでは改善されていると聞きます)
これらの短所から、実用面で少々不便を感じる可能性があるリボルバーです。
初めて購入する際は自分の好みに合うかどうか実物を見て判断した方が良いかもしれません。
ライブカートやスピードローダーを用意しなくて良いのは大きな利点かもしれません。
というわけで、この記事がこれからガスリボルバーの購入を検討している人の参考になれれば幸いです。
良い点はもちろんのこと、短所もよく理解して自分に最も似合う1挺を手に入れる。そして、それがいずれ「愛銃」になる。自分は、これがガスリボルバーの醍醐味だと感じています。