こんにちは
これから、今教育分野で注目されている「学習のパーソナライズ化」というテーマについて、掘り下げて考えていきたいと思います。
最終的には、学習システムとして実装できるまで具体化できればなぁ~と思っています。
「学習のパーソナライズ化」とは何でしょうか?
簡単に言うと、それぞれの学習者の興味や理解度に合わせたプログラムを提供する学習モデルのこと。具体的には、以下のようになります。
1 個別のニーズに応じた学習: 学習者一人ひとりの知識、スキル、興味、目的に合わせて
教育や研修を最適化すること。
2 フレキシブルな学習経路: 学習者のペース、能力、学習スタイルに合わせてコンテンツや
学習行動をカスタマイズすること。
3 データ駆動型: 学習者の進捗、成果、フィードバックをデータとして取得し、
それを基に個別の学習経路や最適なサポートを提供すること。
4 学習者主導型: 学習者が自分の学習プロセスに関与し、その方向性や目的を
自分で決定することを奨励すること。
このアプローチには、テクノロジーの活用が欠かせません。最近の教育分野で、EdoTechという言葉を聞くことが増えてきたのもこのためです。
海外の教育界隈ではどうなの?
アメリカには、タレント開発に関する世界最大の会員制組織「ATD(Association for Talent Development)」があり、毎年様々なセッションが開催されています。2023年のカンファレンスでは、なんと「ラーニング・テクノロジー」関連のセッションが2番目に多く開催されていました。この動きからも、テクノロジーと学習の融合の重要性が伝わってきます。
Leadership and Management Development(リーダーシップ&マネジメント開発):49セッション
Talent Strategy & Management(タレント戦略&マネジメント):38セッション
Instructional Design(インストラクショナル・デザイン):33セッション
Training Delivery & Facilitation(トレーニングの実施とファシリテーション):27セッション
Managing the Learning Function(ラーニング・ファンクションのマネジメント):18セッション
Future Readiness(未来への準備):29セッション
Learning Technology(ラーニング・テクノロジー):45セッション
Learning Sciences(ラーニングの科学):17セッション
Measurement & Evaluation(測定と評価):21セッション
Career Development(キャリア開発):19セッション
以下が今年の海外勢の参加者数のようです。私が参加した20年前と比べて、日本からの参加者数は減少していますね。日本と他国との教育の動きの差異についても、気になるところですね。
参考サイト:
私の提案:AIを家庭教師に!
では、実際に学習のパーソナライズ化をどう実現するのか。私の提案は、AIを活用した家庭教師システムの開発です。それも、一流の家庭教師の集団が学習者一人一人を指導するような形。
具体的には、学生の弱点や目標を明確にし、それに基づいた学習計画をAIが作成。そして、学習の進捗に応じて、教材選択や指導方法を変えていく。学生のモチベーションを維持するためのゲーム要素や、継続的なコミュニケーションも重要です。
最後に、学生の進捗や理解度を定期的に評価することで、学習の効果を最大化します。
そのためには、まずは、人間の家庭教師がどのような考え方で学生を指導し、学習目標達成させているのかを考えてみました。
1 初回の面談・評価:
・学生の過去の学習状況、好きな科目、得意・不得意な領域、学習目的などを理解。
・小テストや問題を出題し、学生の現在のスキルや理解度を評価
2 学習計画(パーソナルカリキュラム)の作成:
・面談や評価テストの結果を基に、学生の弱点や目標スキルとのギャップを特定。
・短期・長期の学習目標を設定し、それに基づいた学習計画やスケジュールを作成。
3 定期的なレッスン・指導:
- 学習計画に従って、必要な教材や課題を提供。
- 学生の質問に答える、または困難な部分について追加の説明や例示を行う。
4 フィードバックの提供:
- 学生の進捗や成果を定期的に評価し、フィードバックを提供。
- 必要に応じて学習計画を修正または更新。
5 学生のモチベーションの維持:
- 学生の学習意欲を保つために、褒める、達成感を持たせる、またはゲームやクイズを取り入れて楽しみながら学習させる等の方法を導入。
6 継続的なコミュニケーション:
- 学生やその親とのコミュニケーションを継続的に行い、学習の進捗や懸念点を共有。
- 必要に応じて学習方法や教材を変更。
7 評価と再評価:
- 一定の期間ごとに、テストや評価を行い、学生の進捗や理解度を確認。
次回は、このコンセプトをシステムとしてどのように実現できるのか、具体的な方法について考えてみたいと思います。