おがわとーるBlog-表紙

うまい棒紙芝居

おがわとーる さく

かなざわさやか え


おがわとーるBlog-1
【1枚目】
あるところに、「うまい村」という小さな村がありました。そこに住んでいるヤオ博士は発明の天才です。博士の家の近くに住む双子の兄弟、たこ焼君とサラミ君は、博士の発明品で遊ぶのが大好きでした。お兄ちゃんのたこ焼君は、「たこ叩きゲーム」が大得意!弟のサラミ君は、キックボードでメカ犬と競争です。

おがわとーるBlog-2
【2枚目】
ある日、博士が試験管に色々な物を混ぜて実験をしていると、突然モクモクと煙が立ちのぼりました。
「どうしたことじゃ!」
煙はムクムクと広がり、実験室の中に大きな雲が出来ました。その中から何と、不思議な生き物が姿を現したのです。
「なんじゃこりゃ!」
「始めまして、ヤオ博士っ!」
「これは世紀の大発見かもしれん!よくぞ出て来てくれた・・・うむ・・・何と呼べば良いのじゃ?では、わしが試験管に入れた物から考えて・・・君の名前はめんたい君だ!」

おがわとーるBlog-3
【3枚目】
めんたい君は、うまい村の冒険を始めました。しばらく歩いていると、美味しそうな甘いにおいがしてきました。
「いらっしゃいませ!ようこそ、レストラン『コーン・ポ』へ。」
めんたい君は、においにつられてレストランのドアを開けていました。。
「こんにちは!僕、めんたいと言います。これは何のにおいですか?」
シェフのコンポタさんが答えます。
「これは、僕の得意料理、コーンポタージュだよ。僕は、いつ、どんなお客さんが来ても良い様に、いつも美味しいコーンポタージュスープを用意して待っているんだ。めんたい君も飲んでいくかい?」
「はい!」
コンポタさんのスープに、めんたい君は心も体もポカポカになりました。

おがわとーるBlog-4
【4枚目】
レストランを出ると、突然、動物の鳴き声が聞こえてきました。
「こけっ!こけっこー!」
鳴き声の方を振り返ると、そこには1羽のにわとりが、バタバタと羽を動かしています。
「おお!これは素晴らしい卵デ~ス!君にも1つ分けてあげましょう!私は卵が生まれると気分が良くなるのデ~ス!」
「ありがとうございます!僕、めんたいと言います。」
「ワタシの名前はチキンカレー!うまい村とカレーと卵が大好きなのデ~ス!」

おがわとーるBlog-5
【5枚目】
チキンカレーさんにもらった卵を持って歩いていると、ハンバーガーショップの店員さんが話しかけて来ました。
「お!良い卵を持ってるねぇ!僕のお店で、目玉焼きの入ったハンバーガーにしてみないかい?」
めんたい君は驚きながら、答えました。
「僕、めんたいと言います。作ってもらって良いんですか?」
「チキンカレーさんの卵だろ?だったら僕に任せなっ!僕はテリヤキバーガー。こいつはお猿のモンチーだ。」
「モンチー、よろしく!」
「ウキっ!」
テリヤキバーガー君の作ってくれたハンバーガーは、半熟の目玉焼きとテリヤキソースが絡み合って、ほっぺたが落ちそうです。
「どうだい?美味しいだろ?」
「はい!とっても!」
すると、テリヤキバーガー君は、次の行き先を紹介してくれました。
「僕のいとこがサーカス団に入っているんだ。そこの建物でサーカスをやっているから、観に行ってごらん。モンチーのいとこのウッチーにも会えるよ!」

おがわとーるBlog-6
【6枚目】
めんたい君はワクワクして来ました。
「『びっくり味サーカス団』かぁ!」
ところが、建物の中に入ってみると、客席はがらんとしています。
「折角こんな素敵なサーカスなのになぁ・・・。」
サーカスが終わると、めんたい君はサーカス団のみんなに会いに行きました。
「こんにちは・・・僕、テリヤキバーガー君に紹介されてきた、めんたいと言います。」
「『びっくり味サーカス』へようこそ!俺はオニオンサラダだ!」
「僕はやさいサラダ。まだサーカスを始めて2ヶ月で・・・今日も失敗しちゃったんだけど・・・。」
めんたい君は笑顔で言いました。
「ということは、君がお猿のウッチーだね?」
「ウッキー!」
そこに、団長のチーズさんがやってきました。
「めんたい君、こんにちは!今日は観に来てくれてありがとう。昔はもっと団員もお客さんもたくさんいたんだが、近頃はすっかり寂しくなってしまって・・・。」

おがわとーるBlog-7
【7枚目】
「びっくり味サーカス」を観終わって、何だか少し寂しい気持ちになっためんたい君のすぐ横を、ものすごい勢いで一頭の牛が駆け抜けて行きました。
「どけどけ~!俺は北の暴れん坊、牛タン塩将軍様だぁ!」
すると、岩の上から別の声が聞こえてきました。
「ここから南は俺様、マーボー大佐の領地だ!入れるもんなら入ってみろ!」
「お前こそ、そんなところに隠れていないで、正々堂々と勝負したらどうだ!」
「何だとぉ~!」
めんたい君は、怖くなって逃げ出してしまいました。

おがわとーるBlog-8
【8枚目】
「ふぅ~!乱暴な人たちだったなぁ・・・。」
夢中で走っためんたい君は、しばらくの間、地面を見つめてハァハァしていました。ようやく落ち着いて顔をあげると、そこには雄大な景色が広がっています。
「すご~い!海だぁ!」
そこに、「うまい丸」と書かれた漁船が、漁を終えて戻って来ました。
「大量大量!お!おめぇ、見かけねぇ顔だなぁ?」
「僕、めんたいと言います。」
「俺はこの船の船長、エビマヨだ!それにしてもお前、汗びっしょりじゃないか?自分の辛さにでもやられたのか?」
「いえ、牛タン塩将軍とマーボー大佐に出くわしちゃって、慌てて逃げてきたんです。」
エビマヨ船長は、少し顔をしかめると、こう呟きました。
「あいつらと来たら、いつまでケンカをしているつもりなんだ・・・全く困ったもんだよ。」
めんたい君は、今日あった出来事を、エビマヨ船長に話しました。すると船長が、新しい行き先を紹介してくれました。
「この先の赤いレンガの家に、ぶたキムチさんという人が住んでいるんだ。この村のことを訊くなら、あの人が一番さっ!」


おがわとーるBlog-9
【9枚目】
家の前まで来ると、辛そうなにおいが漂って来ました。
「こんにちは~!めんたいと言います。ぶたキムチさんいますか~?」
「ぶ~!」
出てきたのは、可愛らしい子豚でした。
「あなたがぶたキムチさんですか?僕、めんたいと言います。エビマヨ船長から紹介されて来ました。」
「そんな訳はなかろう!ワシがぶたキムチ、こいつは相棒のトントンじゃよ。」
めんたい君は少し照れながら挨拶をすると、今日あった出来事を話し始めました。楽しかったこと、寂しかったこと、怖かったこと。素敵な人、悲しそうな人、ケンカしている人。ひとしきり話すと、黙って話を聞いていたぶたキムチさんが、口を開きました。
「昔々、ある星に、とんかつソースというとても勇敢な男がおりました。ある時、相棒のトン吉という子豚のお父さんが、とんかつにされることを知ったトン吉は、『せめて最高のソースを見つけたい』と、とんかつソースに相談しました。1人と1匹は宇宙船に乗り込み、幻のソースを求め、旅をしました。無事幻のソースを見つけた1人と1匹は、旅の途中で立ち寄った地球が気に入り、ここに『うまい村』を作ったのです。」
「まるで、ぶたキムチさんとトントンみたいですね。」
「はっはっは!君はなかなか鋭いな。とんかつソース様とトン吉は、ワシらのご先祖様じゃ。」


おがわとーるBlog-10
【10枚目】
ヤオ博士の家に帰ってきためんたい君は、今日一日のことを思い返してみました。
「とんかつソース様がこの村を作った時は、どんな気持ちだったんだろう?きっと、素敵な村で、みんな仲良く助け合って暮らしていたんだろうなぁ。」
めんたい君は、この村で出会った人たちのことを考えてみました。
「サラミ君とたこ焼君は、遊びの天才。コンポタさんは、いつも変わらず美味しいスープを作っている。チキンカレーさんは、この村が大好き。テリヤキバーガー君は、明るくて優しい男の子。『びっくり味サーカス団』の人たちは、みんなを盛り上げる力を持っている。ちょっと怖いけど、牛タン塩将軍とマーボー大佐は、勇敢でとっても強い人たち。エビマヨ船長は前向きで、エビ取りの名人。そして、ぶたキムチさんはうまい村の物知り博士。」
めんたい君の中で、みんなの良い所がキラキラと輝き始めました。
「こんなに素晴らしい人たちが集まっている村なんだ!よ~し、それならお祭りをやって、みんなに活躍してもらおう!お客さんも、お店の人も、みんなが主役の『うまい村祭り』だ!」


おがわとーるBlog-11
【11枚目】
「いらっしゃ~い!いらっしゃ~い!うまい村祭りの始まりだよ~!」
めんたい君の声に、村のみんなが集まりました。

「『うまい味サーカス』へようこそ!」
オニオンサラダさんも、やさいサラダ君も、チーズさんも、みんな生き生きしています。

エビマヨ船長はエビを、チキンカレーさんは卵を持って駆けつけてくれました。すると、テリヤキバーガー君が叫びます。
「よ~し!今日はエビと卵で、エビタマバーガーだっ!」

サラミ君とたこ焼君は、いつもより楽しそうに、ヤオ博士の発明品で遊んでいます。
ヤオ博士は、この日のために新しい遊び道具を作ってきました。
「射的ゲームを作って来たぞ。ほら、牛タン塩にマーボー!お前たち、戦いならお手の物だろう?これからは争わずに競い合いなさい!」
すると、2人はすっかり意気投合しています。
「戦いはこれまでにしよう、牛タン塩将軍。」
「そうだな。俺たちは、この村を守る役になろうではないか、マーボー大佐。」

みんながキラキラ輝いて、うまい村祭りは大盛況です。

そこに、ぶたキムチさんとトントンが、リヤカーに銅像を乗せて運んで来ました。
「こういう日のためにとってあったんじゃ。ほら、我々の村を作って下さった、とんかつソース様とトン吉様の銅像じゃよ。」
めんたい君は銅像に駆け寄り、こう話しかけました。
「とんかつソース様。こんな素敵な場所に僕たちを導いて下さって、ありがとうございます!この日を忘れないために、僕は歌を作って来ました。是非聞いて下さい。さあ、みんな!うまい棒の歌だ!」



うまい棒の歌 作詞・作曲 おがわとーる


甘いのが好きな人
辛いのが好きな人
色んな人がいるから
僕らはいつでも分かち合う


コンポタ エビマヨ チキンカレー
テリヤキバーガー ぶたキムチ


甘いのがダメな人
辛いのがダメな人
色んな人がいるから
僕らはいつでも支え合う


たこ焼 めんたい とんかつソース
マーボー サラミ オニオンサラダ


あとはどんなのあったかな?
思い出したら言ってみよう!


牛タン塩 チーズ やさいサラダ


うまい棒もいろいろで
食べるみんなもいろいろで
みんなそれぞれ違うから
僕らはいつでも助け合う


コンポタ エビマヨ チキンカレー
テリヤキバーガー ぶたキムチ


たこ焼 めんたい とんかつソース
マーボー サラミ オニオンサラダ


牛タン塩 チーズ やさいサラダ
みんなで1つだ うまい棒