平成26年第1回定例会は、2月21日からはじまり、昨日3月24日に閉会しました。
約1か月間だったわけですが、とりわけ今定例会では26年度の予算の審査があり、計6日間にもわたる審査を経て予算審査を終えました。
結局、昨日の本会議の採決では12対11という僅差であったものの、原案通り可決となりました。
▼議案第5号
「平成26年度小金井市一般会計予算」
<原案可決>
賛成12:自民5、公明4、民主2、改革連合1
反対11:共産4、みんな2、ネット2、市民自治1、市民会議1、こがおも1
この予算の採決にあたって、全10会派中8会派からそれぞれ賛成、反対の討論がおこなわれました。以下、私の「反対討論」原稿です。
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議案第5号平成26年度小金井市一般会計予算について、私、小金井をおもしろくする会・白井亨は、反対の立場から討論を行います。
私にとって議員になって初めての当初予算審査でもあり、慣れない中でも私なりの視点を持って今回の審査及び質疑に臨みました。全般的には悪くない予算だと思います。
ただし、反対する大きな理由が主に2点あります。
その一つは、「待機児童解消」の為の予算が現段階にて充分措置されていない点です。
小金井市の待機児童発生率は多摩26市で2年連続ワーストとなりました。先般の一般質問では、「来月4月1日段階の待機児童数は今年度(188人)を上回ることも予想される」と部長から答弁もありましたが、12月中旬の入所申込締切時点でこれはわかっていたはずです。にも関わらず、緊急救済措置、及び年間を通しての待機児童解消に向けての予算措置及び取組が全く充分ではありません。何でこの当初の段階でそれが示されていないのでしょうか。
3月12日の東京新聞の報道でも明らかになったように、認可保育所の申し込み数に対して認可保育所に入れない割合は63%を超え、多摩26市ダントツでワースト1という有様です。本来ならば、188人の待機児童が確定した昨年5月時点で舵取りを大きく変え、即座にプロジェクトチームを作り全庁を挙げてこれに取りくむべきでした。やっているところはやっているんです。なぜ、小金井市ではそれができないのでしょうか。財政の問題?違います。やる気の問題?違います。これは、今と将来を見越した冷静な判断ができていない、という問題です。
厚生文教委員会でもある議員が言っておられました。「待機児童問題は高齢化社会対策でもある」という趣旨だったと思いますが、日本全体として少子化の流れの中、就学前児童が増えている、すなわち、子育て世帯が増えている、ということはチャンスなのです。高齢者を支える若い世代が安定して流入し続ける流れを断ち切らないようにする。これが小金井市として将来に向けて必要な考え方ではないのでしょうか。
そして反対する大きな理由の2点目です。
それは、この危機的財政状況と言われる中で、事業のスクラップの仕組みがないことです。
市長は市政方針でも「新規事業をやる場合にはスクラップ&ビルドを徹底して」と述べられていました。ただ、新規事業が62件で廃止が4件というのは、どう説明するのでしょうか。特別委員会でも例に挙げましたが、120万円のカーテン、環境配慮住宅型施設、校庭芝生化、などなど、事業の効果検証をあくまで主観的に行う以外の手段はなく、結局継続事業として行われている状態です。効果が数字で一定程度でも可視化できれば継続という判断に異論はありません。理由もなく「廃止しろ」とは言いません。ただ、その判断材料がないんです。そもそも事業評価の目標設定すらしていないのは「危機的財政状況」をことあるごとに連呼する中で一体どういうことでしょうか。
明確に検証材料すらつくらず、主観的にみて「効果がある」と言われても、私にはわかりません。スクラップの仕組みが充分でないことは市も認めているわけです。ある部長は次のように述べておられました「どこかの段階で、何かを考えないといけない」、と。今更そんなことを言っているんですか。申し訳ありませんが、そんな仕事の仕方しかできない人に税金から給料を払っていることを考えたら、「給料が高い」と言われても仕方ないですよ。どこどこと比べて、ではなくて、やっている仕事の対価として高い、という話です。これ、市民はあきれ返っています。
先日、市立東中学校の卒業式に来賓として参加してきました。卒業生2クラス81名と少数精鋭の中学校ですが、卒業式自体は非常に感動しました。合唱を聴いて涙をこらえることに必死でした。その合唱の中のフレーズに「未来に希望をもって」(・・・ちょっと違ったかも知れませんが)というニュアンスのフレーズが何度か流れました。私たち議員・議会は、確かに今喫緊の課題の解決が優先すべきことですが、30年後の将来を見据えて活動していかなければなりません。子どもたちが希望を持てる未来を作っていかなければなりません。
既に私の年齢では払った年金分は到底もらえない、と言われる世代です。私たちの子どもたちの時代には一体どうなっていることでしょう。それを想像するだけで怖くなってきます。
ただ、だからこそ、事業の必要性と効果をしっかりと検証し、将来ビジョンをもとに、市民から付託を受けた予算を今、何に配分して使うか、合理的に判断しないといけないのではないでしょうか。それができていますか?皆さん、どう思われますか?
「30年後を見据えて」という話をしました。これは、歴史が既に教えてくれています。可燃ごみ処理に係る問題、いま、一定の進展をみておりますが、これはもとをただせばちょうど30年くらい前に端を発し、これまで30年かかって今に至る問題だったのではないでしょうか。それもまだ終わってはいませんが。要するに、今の私たちの判断が、30年後の将来を決めることだってあるんです。事業の効果検証を客観的判断材料をもとに充分なされていない、こういった今の市政運営の在り方を変えなければ、財政は行き詰まるのではないでしょうか。子どもたちの希望の未来をつくることは難しいのではないでしょうか。
最後に。
本日は3月24日です。思い返せばちょうど1年前のこの日は小金井市議会議員選挙投票日であり、私も初めて議員として選ばれた日ということになります。この1年間、充分に市政運営の方向転換をはかれなかった自身の未熟さを反省し、今後より働きかけていけるよう取り組んでいきたいと思います。
以上、26年度一般会計予算に対する反対討論を終わります。
【UST録画が視れます】
http://www.ustream.tv/recorded/45287625
※51分30秒あたりから私の討論がはじまります。
(時間がない中、かなり早口なので聴き取りづらいため、上記原稿と合わせて聴いて頂ければと思います。汗)
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