呼出番号が出て中待合に行くと
まだ前の患者さんがいた。
その患者さんが出てきても
少し待ったので悪い予感がした。
名前を呼ばれて診察室に入る。
主:「ども〜、おはようございます」
私:「おはようございます」
主:「お変わりなかったですか」
私:「多分…大丈夫やと思います」
主:「えーっと、まずこれ…」
採血・採尿結果の用紙が
机に置かれた。
私が一番に見る場所は決まっている。
用紙を見るなり、
「うわぁ…めっちゃイヤすぎる〜。
もぉー、もぉー、もぉー」と
牛みたいになった
腫瘍マーカーが145.6と
大幅に上がったからだ。
主:「んマーカー」
主治医がとぼけた感じで言った。
さすがに私が診察室に入る前に
数値は確認していたはずなのだ(笑)
私:「まず目がいくのがそこなので…
他は何か問題はありますか」
主:「他は特に問題はなさそうだねぇ。
出血とかもしてないよね」
オラパリブ(リムパーザ)の影響で
赤血球や血小板が基準値以下だが
大きな問題ではないらしい。
私:「してないです〜。
くぅぅ〜、もぉー。もぉぉぉ。」
言葉にできない感情が
渦巻いていたのでずっと牛だった
主:「またCTを撮ってもらわないと
いけないんですけど…。
このくらいの数値になると
そろそろ(CTに)写りだす頃かなぁって
感じだね…。前もこれくらいだったし…」
私:「(再発時の数値と)2しか
変わらないですもんね…。もぉー。」
主:「去年はPETも撮ってもらったけど、
まずはCTで。とりあえず今日は
診察(超音波検査)をしましょうか。」
まず内診があり、そちらでは
異常は認められなかった。
「念のため」ということで
綿棒を使った細胞診もした。
その後、首の触診があり、
腹部の超音波検査をした。
ストレスを感じると横隔膜のあたりが
痛くなることがあるので伝えたところ
特に何も見えなかった。
そのまま下腹部の方に移ったところ、
「イテッ」と声が出た。
私:「イテッあ、すみません」
主:「痛いこのあたり痛い」
“イテッと言ってすみません”ではない。
何かあるから痛いのだ
自分のボケっぷりを人知れず嘆いた。
右の下腹部に1センチくらいの
黒くて丸いものが写り、
主治医がその部分をプリントアウトした。
私:「それは何ですか」
主:「うーん、リンパ的な何かかなぁ。
前からあったものか、新しくできたものか…」
私:「あぁ、術後にリンパ嚢胞があるって
言ってましたもんねぇ。それかな…」
リンパ嚢胞だといいなぁと
思いながら言った。
主:「とにかくCTの予約ですね。
その日に聞いて帰られますか」
私:「はい、聞いて帰りたいです。
もし写ったら、即TCですか」
今後の段取りが気になり尋ねると…
主:「うーん、場所と個数にもよりますが
手術ということもあります。」
化学療法だと思い込んでいたので
手術という選択肢に心底驚いた
私:「え、手術の可能性もあるんですか
もし、それがあれやったら、
場所的に取れそうなんですか」
“やつ”の名前を言いたくなくて
変な言い方になってしまった
主:「それがあれだったら、
取れそうだけどねぇ。」
主治医まで「それがあれ」だった(笑)
予約センターに向かい、
主治医の外来日に合わせて
最短でCTの予約を取ろうとしたが
あいにく撮影日と診察日は
同じにはできなかった。
撮影後数日は気が気でないが、
仕方あるまい。
再再発疑惑が浮上して
非常に残念であるが、
選択肢は「闘う」のみだ
結果が出るまでは
オラパリブ(リムパーザ)も継続だ。
「ただのリンパ嚢胞だったのね」と
言うのを理想としつつ、
“やつ”をコテンパンにする
心の準備も疎かにしないでおこうと思う。