またもや三子可愛さで頼み事ができず
代わりにSさんに頼んだのだと思うと
苦々しくて、当日、母に会うなり言いました
「Sさんに送迎をお願いして、
しかも当日早朝にドタキャンの電話、申し訳ないと思わないの?
ただでさえ自治会の事で村の人にご迷惑掛けてるのに、その上に私用で個人的にも
ご迷惑掛けて厚かましいよ、信じられない
私や三子に頼みたくないなら
次からは、人の親切を当てにするんじゃなくて
タクシーを使ってよ」
「それは、事情があって…」
「そもそも最初に私に頼んでおきながら
断って、結局当日になって急にまた頼む
散々振り回して、そういうのが余計に面倒なんよ」
さすがに母もうなだれて
「そうやな、タクシーを予約すれば良かった
でもこうしなければならない事情があったんや」
どんな事情よ!?
◯◯まで母を送り届け
迎えの時間まで間があったし
その頃には雨が上がっていたので
夫と私は、「さり気なく」畑の様子を見に行きました
すると
「あんた、三子ちゃんのお姉ちゃんやろ?」と
声を掛けてきたおじいさんがいました
「ワシ、Sという者なんやけどな
今から、あんたの家に行こうと思ってたんや」
知らない振りをしろと母に言われたのを思い出しましたが、
今さらそうはできませんよね
「Sさんですね、
母が無理なお願いをしたり
それをまた今日になって朝早くに電話したり、バタバタとすみませんでした
こちらこそ謝りに行きたいと思ってたんです」
「いやー、あの電話、何事かと飛び起きたら
いきなり、キャンセルしたいって言われて
びっくりしたわ
でも、頼まれたのは、お母さんからじゃなくて
三子ちゃんが頼んできたんやで」
「三子が?」
「そうなんや、それにもびっくりしたわ
三子ちゃんは家に籠って外に出てこないって言われてるのに
一升瓶下げて、歩いてうちに来たんやで
ワシが話したら
村の誰もが、三子ちゃんは歩けるし喋れるんやな、とびっくりしてたわ」
他の人にも話したんかーい
「あ、あー?それは…
私も今聞いてびっくりです
え?一升瓶を下げて…?」
「そうやで
ほら、これや」
Sさんは持っていた酒瓶を掲げました
ゴミをゴミ収集場に持っていくのも
買いものも
まともにやらない三子が
そんな外出をしていたとは…



