「そんな事言わないで

車椅子も積んできたんだから、乗ってみてよ、

ね?」

 

「煩く言われると余計に嫌になる」

ムスッとして不機嫌そうな義母を

夫は宥めすかして、私たちは車椅子に乗せ

 

辺りを散策してから桜の下で休憩しました。

 

すると、あれほど要らないと言ってたくせに、

目の前のおまんじゅうに手を伸ばして

ムシャムシャ食べた後に

 

「もう要らんわ、食べたくない」と言いながらも

 

我慢できないのか、また大きい大福餅を掴んで、

慌てて頬張り飲み込む義母。

 

そして何事もなかったかのように

 

「お茶は要らんで」

 

叔母と私は顔を見合わせて、

素直じゃないねー

美味しい、お茶が欲しい、って言えばいいのに、と

呆れて苦笑いです。

 

要らん、できん、そうじゃない、と

なんでそこまで意地になって否定しまくるのか?

 

夫も叔母も、

ありがとう、そうやねー、などと義母から

労われたり、寄り添われたりという経験が

今までに殆どなかったので


そういう性格だから、ともはや気にならないんだそうです。

 

私の母と私の関係も

似たようなもんなんだけどね


 

いつのまにか何やらお喋りしてる

義母と叔母に気づきました。

 

耳が聞こえんから話ができん、

って意固地になってたけど

 

本当はやっぱり話もしたかったんだな

 

そりゃそうだよね

 

 

帰途につき、

車が施設に近づいた頃には、

 

「もうすぐ着いてしまうんやな」と

 

義母の残念そうな呟きまで聞こえました。

 

 

 

 

 

続きます

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