いよいよ入院の日がやって来た。

 

 

 

 

この入院までの間に、ある出来事があった。

 

妻の祖母が95歳で亡くなったのである。

 

子供たちから見れば、ひいお婆ちゃんだ。

 

 

 

妻の祖母が元気な頃は、保育園の発表会によく来てくれていた。

 

子供たちからも 「チマちゃん」(愛称) と呼ばれ親しまれていた。

 

 

 

みんなでチマちゃんを偲び、お通夜と葬儀が無事に終わった。

 

 

 

 

 

 

 

それから数日が経ったある日の仕事帰り、セブンイレブンに立ち寄った。

 

 

 

そこにドラゴンボールの一番くじがあった。

 

子供はドラゴンボールが好きなので、買い物ついでに一番くじをしてみた。

 

 

すると、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A賞の悟空のフィギュアが当たったのである!!

 

 

 

 

レジの店員さんは

 

「1回で当てた人初めて見ました。おめでとうございます」

 

と言ってくれた。

 

 

 

 

 

 

家に持って帰り子供に見せると、とても喜んでくれた。

 

 

「チマちゃんが、手術は大丈夫やから頑張り!って言ってくれてるんやで!」

 

と励ましてやった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病室に飾る為、そのフィギュアを持って病院に到着した。

 

 

受付で入院の手続きを済ませ、4階にある小児病棟に向かった。

 

小児病棟に着いたが、ベッドの清掃がまだ終わっていないという事で少し待たされた。

 

 

 

 

 

 

(図書室の横で待っている時)

 

 

 

 

 

部屋の準備が終わり、病室に荷物を置いた。

 

先生からの手術の説明は午後からだそうだ。

 

 

 

 

そうこうしている内に、すぐにお昼になった。

 

今日のお昼から子供の食事は出るらしい。

 

食堂まで行ける子供は、食堂で食べるシステムなので、

 

僕たちもコンビニで買ったご飯を持って一緒に食堂で食べた。

 

 

 

 

 

(病院での初食事)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小児病棟にはプレイルームという、おもちゃやパズル、ピアノなどが置いてある部屋がある。

 

 

 

 

お昼ご飯を終えた僕たちは、先生から手術の説明を待つ間、そのプレイルームで子供と遊び時間を潰した。

 

 

 

 

 

そして僕たち夫婦だけ先生から呼ばれたので、子供は看護師さんに任し、カウンセリングルームに入った。

 

 

 

 

そこで、執刀してくれる男性の医師から手術の説明を受けた。

 

 

最初は 「完全胸腔鏡手術」(傷口が一番小さく回復も早い) も検討されたそうだが、膨らんだ肺が大きい為、その傷口だと切除した部分が取り出せない可能性もある。検討した結果、傷口は広くなるが 「胸腔鏡補助下手術」 で行うらしい。

 

違いは「完全胸腔鏡手術」は、モニターのみを見ての手術になるが、「胸腔鏡補助下手術」ではモニターも見るが、実際の目でも見れるので、安全面から見ても今回の場合はこちらの方が良いらしい。

 

 

(こんな感じ)

 

 

 

 

 

 

安全に勝るもの無しなので、「よろしくお願いします」と言った。

 

 

 

次に、前回の検査画像を見せられ、僕の子供は上葉と中葉の境界線が分かりずらいと説明された。これは画像では無く、実際に開けてみないと分からないらしい。

 

もし境目が無ければ、中葉の部分も切除になるかもしれないと言われたが、そういう時に使う薬があるらしく、その薬を使って境界線が出れば、通常通り上葉のみの切除になると言われた。

 

少し動揺したが、ここまで来ると抗う術は無く、全て先生を信じてお任せするしかない。

 

 

 

全身麻酔についても説明を受けた。

 

肺の手術なので、片側換気といって片側の肺で人工呼吸させ、切除する側の肺はしぼませるらしい。

それにまず時間がかかるらしく、麻酔についても工夫が必要で、前準備だけで2時間くらいはかかるという。その準備が完了してから執刀という長くなる手術だ。

 

 

最後に、リスクの説明は必ずしなくてはいけないらしく、血管のCT画像を映しながら説明をされた。

 

「肺には様々な血管が通ってます。その中でも動脈を傷つけてしまうと、大出血を起こし命の危険性があります。

 

こういった事を説明すると怖がられるかもしれませんが、そんな事が無いように我々は慎重に手術を行います。今年に入っても別の病院ではありますが、5歳の子に執刀を行いました。もちろん元気で退院されていきました。

 

〇〇君にも必ず元気になってお家へ帰っていただきます。ご安心下さい!」

 

 

 

と力強く言っていただき心強かった。

 

 

 

「よろしくお願いします」 と妻と頭を下げ部屋を出た。

 

 

 

プレイルームでは何も知らない子供が遊んでいたので、不憫という言葉が正しいのかは分からないが、そういう様な気持ちになった。

 

 

 

 

先生に力強い言葉をいただいたので、信じて前に進むしかない!

 

そう言い聞かせ、子供と遊んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだかんだで夕ご飯の時間がやって来て、「部屋で食べたい」と言うので

 

夕ご飯は部屋で食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕ご飯も食べ終わり、夜になって来た。

 

面会時間の終わりも近づき、僕は帰る事にした。

 

 

 

子供の付き添い入院は1人だけと決まっている。

(付き添いの順番スケジュールは立ててきた)

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、また明日来るからな。頑張ろうな!」

 

と息子と梅垣義明 に言い、病院を後にした。