診察の日がやって、再び岡山にやって来た。
順番が来て診察室に呼ばれた。
先生がCT画像を見ながら
紹介状の中身を僕たちは知らないので、どんな事が書かれていたのかは知らない。
重複になるかもしれないが改めて経緯を説明した。
心の中で
と思ったが
真顔で
と答えた。
それから数日後、飯田先生からメールで返信が来た。
という内容のものだった。
「漏斗胸というものは命に関わるものではありません。今すぐにしなければいけないという事もありません。ただし、成長して緊急時の対応が可能になれば、再度検討します」
という補足もあった。
個人的な感想だが、
先生が行っている術式 「胸肋挙上術変法」 は、これから漏斗胸患者にとって広げていってもらわなくてはならない術式だと思う。
近隣の病院で、「ナス法」か「胸肋挙上術変法」か選択できる日がくれば患者側にとってはプラスになるのは間違いない。
先生が行っている術式の直接の合併症では無いにしろ、何かあればこの術式が広がっていく妨げになるかもしれない。
考えると、リスクを回避するのは当然だと思った。
せっかく素晴らしい手術方法に出会えたのに、肺の切除で選択を迫られてしまった。
迷宮の奥深くに迷い込み、どっちに進んでいいか分からない心境になった。