インターネットの普及により、受験情報がオンラインで手軽に得られるようになったために、「私の東大合格作戦」を始めとする合格体験記をまとめた書籍は衰退したと言われることもある。しかし、インターネットが普及し始めた2000年代前半(いわゆるゼロ年代)の前半に、エール出版から出ている合格作戦の冊数はむしろ増えていた。その頃は2ちゃんねるが主な情報源だったからであろうか。
シリーズの変遷を見ると、「私の東大合格作戦」は1972年に始まり、姉妹編として「無名校から私の東大合格作戦」が1981年から2002年版まで刊行された。2003年版以降、「私の東大合格作戦」のPart2が登場し、二分冊体制が2009年版まで続いた(ただし2008年版は一冊)。その後、再び一冊に戻り、2023年版で終了している。
他のシリーズも同様の傾向が見られる。「私の早慶大合格作戦」は2000年版から二分冊化され、2009年版、2012年版、2014年版は一冊のみであったが、2016年版まで二分冊が続き、その後は一冊で2022年版に終止符が打たれた。「私の医学部合格作戦」は2001年から二分冊となり、2012年版は一冊のみながら2016年版まで二分冊が続き、その後は一冊であり、2023年版で終了した。一方、「私の京大合格作戦」は一貫して一冊で、マイペースであったが、2022年版で終了した。
東大は1981年版から二分冊体制だったのであるが、2010年版で早々に一冊になり、早慶大、医学部の二分冊体制はちょっと長く続いたことになる。東大で二冊出せなくなったのは悪い前兆であった。東大生はいち早く見切りを付けたのであろう。彼らのこういう見切りは早いようである。
東大、京大、早慶大、医学部以外のシリーズも存在していたが、これらは早々に姿を消していった。「私の国公立大合格作戦」は2012年版まで、「私の理工学部合格作戦」は2007年版まで、「私の有名私大合格作戦」と「私の有名大学現役合格作戦」は2006年版まで刊行されました。このあたりがシリーズの最初の変曲点と言えるであろう。「有名大学」に現役合格していれば合格体験記を書けた時代もあったのである。
新しい試みとして、「大検から私の大学合格作戦」が2001年(2002年版)から始まっているが、2005年版で終了している。
これらのシリーズを合計してみると、
1999年版:9冊
2000年版:10冊
2001年版:11冊
2002年版~2005年版:12冊
2006年版:11冊
2007年版:9冊
2008年版~2011年版:7冊
2012年版:5冊
2013年版:6冊
2014年版:5冊
2015年版・2016年版:6冊
2017年版~2022年版:4冊
2023年版:2冊
合格作戦に関連する書籍として「志望大合格する勉強法・ムダな勉強法」「私の大学合格参考書作戦」などがあり、これらも順次なくなっていったのであるが、煩瑣なので割愛する。
