お久しぶりです〜。

この短時間に連続アップ失礼します(^▽^;)

 

茶衣さんが節分のお話書いてたのを見て思い出した

下書き放置してた駄文です。なんとびっくり

恥ずかしながら2014年に書いたやつw

 

****************************

 

置屋のみんなで豆まきをした後
私はある作戦のために秋斉さんの部屋を訪ねていた。

豆まきの片付けが終わった事を報告して
早速本題を切り出す。

「秋斉さんは節分のお豆、食べられましたか?」

「いや、まだやけど……」

その返事に内心でよし!っと拳を握りしめて
私は豆の入った枡を差し出した。

「あの、私もまだ食べていなくて……
だからこの後、少しお時間があれば
一緒に食べませんか?」

逸る気持ちを抑えて、お茶にでも誘うように平静を装う。
と言っても、普段お茶に誘う時ですら緊張してドキドキしてしまうんだから
作戦実行中の今は、挙動不審になっていないか自信がないけれど……。

思案するような、探るような視線を向けられて
思わずぎくりとしてしまう。

けれどしばらくすると彼の口元にふっと笑みが浮かんだ。

「そうやね、○○はんがせっかく持って来てくれはったんや

一緒にいただきまひょか」

私は緊張していた顔をぱっと上げて
お茶の仕度もしてきますと、急いで茶器を取りに行った。


お部屋の火鉢を借りてお茶を煎れると
二人で並んでお豆をいただく。

「秋斉さんは豆まきはなさらなかったんですか?」

みんなで鬼は外、福は内と豆まきを楽しんだけれど
彼は少し後ろで、優雅に扇子を揺らしながらその様子を眺めているだけだった。

「あんさんらがよう撒いてくれはるさかい、わてがするまでもないやろ」

(……3)

くすくすと笑う彼は、豆まきの後の光景を思い出していたのかもしれない。
ついはしゃぎすぎて、終わってみれば置屋の中も外も豆だらけになっていた。
確かにあれだけ撒けば鬼はみんな逃げ出したに違いない。

「それに、早速『福』が来はったようやし」

「え……?」

何かいい事でもあったのかな?と、きょとんとすると

意味深な流し目を送られる。

「こうして、○○はんにお茶に誘ってもらえるやなんて」

秋斉さんはゆったりと笑うと
驚いて顔を赤くする私に目を細めて
ぱくりと一つ、豆を口に運ぶ。

(……4……。それって、誘ってもらえて嬉しいって事だよね……?)

一緒に節分を楽しみたかったのは本当だけど
下心がある私は申し訳なくて少し複雑な気分になってしまう。

(……でも、せっかくのチャンスなんだから
ここを逃すわけにはいかないよね!)

私は決意を新たに引き続き作戦を続行したのだった。





「……もうええやろか、歳の数だけ言うても
わてぐらいの歳になると、これだけ食べるのも飽きてきはるし」

(……26……えっ!!?)


そう言うと彼は豆の数が少ない私にと出してくれたお菓子を一つつまんだ。

『歳の数だけ食べましょう』と
順調に作戦を続けていた私はその言葉にうろたえてしまう。

そう。
私の作戦は秋斉さんの年齢を探る事だった。
以前聞いたら『三十路は越えている』とぼかされてしまい
他の機会にもそれとなく聞いてみたのだけれど

結局いつもはぐらかされてしまうのだった。


別に彼がいくつでも好きな事に変わりはないけれど
好きな人の事だからこそ知りたくなってしまうわけで。

「でも……豆まきをしなかった分
お豆は歳の数だけ食べて健康祈願をしたほうが……」

ここでやめてしまったら今までの苦労が水の泡だ。

秋斉さんは一粒豆をつまみ上げ、しばらく眺めてから
ふっと薄い唇に笑みを浮かべた。

「○○はんせっかくやから、わての残りの豆。
一緒に食べておくれやす」

「え?」

笑みの正体が少しの意地悪を混ぜたものだと気づいた時には
秋斉さんはすぐ前まで近づいていて
その綺麗な指先で豆を私の口元に運んでいた。

つぷっと口の中に豆を入れられて
少しひやりとした指先が唇を塞いだ。

「食べて」

「!!!?」

わざと色っぽくして
少し見下ろすような視線で、そんな風に言うなんて反則だった。

唇を撫でられたりしながら運ばれる豆を
どうやって咀嚼したのかさえも覚えていない。


結局年の数だけ食べ終わる頃には、すっかりのぼせてしまい。
秋斉さんの年はわからずじまいなのだった。