他人の演奏を聴いていて「良いな、好きだな」と思っても、自分が弾くとどうにも収まりが悪い曲ってありませんか?

それはその作曲家と感情のチューニングが合っていないからなんですね。

 

  感情に対する反応は三者三様

 

例えば、あるフレーズなり音が「哀しみ」を表現していることはわかっても、その作曲家の哀しみの表現 ―テンションやリズム、テンポ感が自分のそれとフィットしていないとどうしてもノリきれないものなんです。感情の表現が人によって違うことを考えればそりゃそうかと腑に落ちます。

 

哀しいときにハラハラと涙を流す人もいれば、怒りとして発散する人、静かに殻に籠る人、様々ですよね。哀しみを怒りに変えて発散する人が静かに殻に籠る人を理論武装で真似たとしてもその違和感はぬぐえないはずです。役者さんのタイプとしてよく言われるところの「憑依型」の演奏家であればその限りではないですが、少なくとも私はまだそういうピアニストに出会ったことがないですね。

 

  感情のチューニングが合わない曲を演奏するデメリット

 

演奏は自己表現なので偽りの感情表現をし続けることはそれ自体を意識して楽しんでいなければ自分の脳に小さな嘘をつき続けることになり、無意識のうちに認知的不協和を引き起こしてストレスが蓄積していくんですよね。このストレスは本当に侮れませんよ。。それは他でもない私が現在痛感しているところです。。

 

演奏者の小さな嘘による違和感は聴衆だってちゃんと気づきます。それでも演奏家自身の感情と聴衆の感情のチューニングさえ合っていればその違和感をもろともせず感動的な演奏が生まれるのですが、そうでなければ「上手」「すごい」以上の感想が出ない演奏になってしまいます。これは曲芸師タイプのピアニストにありがちですね。

(もちろんそれはそれで立派なエンターテイメントなので否定しませんが)

 

  感情という不可視の現象の尻尾を掴めるのが占星術

 

感情のチューニングが合う作曲家を見つけるのに有効なのが占星術です。

 

これは、子どもの頃からショパンを弾きこなすことに憧れて育った私が、大人になってショパンを弾いていたときに「なんか違うな…」と感じたことをきっかけに、作曲家のホロスコープとその作曲家の作品を実際に自分が弾いたり聴いたときの反応を照らし合わせ、注意深く分析することで得た確信です。

演奏の難易度はさておき、気持ち的に楽に弾けたり「あ、わかる…!」という感覚になる作曲家、逆に私にとってのショパンのように自分との違和感を感じる作曲家にそれぞれしっかり共通点を見出せたんですよね。

今でも新たな作曲家の作品に出会うたびに占星術データを確認しているのですが、感情が動いた作品の作曲家にはあまりにも偏りが見られるので調べるたびに笑ってしまいます。これは私だけに当てはまる事象ではないと思うんですよ。

 

ちなみにデータ的にも自分の感覚的にも私と相性が良い作曲家はブラームスなのですが、まだそのことを知らなかった時に私が師事した先生2人(1人めは17歳のとき、2人めは40歳過ぎてから師事した先生)が私に合うだろうとチョイスされたのがまさにブラームスの作品でした。その記憶と占星術データの分析結果が繋がったときの驚きと腑に落ち感はハンパなかったです。笑

 

その共通点から逆引きすれば自分に合う作曲家が見つかりやすいというわけです。

この方法で最初に抽出したのが A.Berg で彼のピアノソナタop.1に挑戦してみたのですが、それまで弾いたことのない響きが多くて譜読みに苦労した曲だったにもかかわらず、音を繋げられるようになると自然と「わかる」という感覚がやってきて音楽と自分を無理なくフィットできるようになりました。

 

占星術といえば各種メディアで定番の「今日の運勢」「今日のラッキーアイテム」などの「星座占い」を連想される方も多いでしょうけど、占星術が有用性を発揮するのは多様性を認識したり多角的な視点を得る目的で使うときなんですよね。

 

私は未来予測に関してはかなり懐疑的でエンターテイメントとして消費するものという価値しか見出していません。太陽星座だけで諸々を判断するには無理があることは占星術を少しでもかじったことがある人なら誰でもわかることですし、自分の人生イベントの発生タイミングとそのときの占星術データを照合し分析してもいるのですが、未だにこれといった共通点を見出せてないからです。(見つけたら使うようになるかもしれませんが)

 

  メリットは他にも

 

占星術データを使った分析を行うメリットは感情のチューニングが合う作曲家を見つけることだけではありません。感情のチューニングが合わない作曲家の作品に取り組む際に「自分とは違う」と明確に自覚した上で取り組み方を工夫できるんですよね。その認識は先に述べた脳へのストレスを軽減、対処する効果も見込めます。

 

また、普段生活を送る上で観測範囲外の作曲家に出会うきっかけにもなりますね。レパートリーが増えるというのは演奏家にとってこの上ない喜びですよね。照れ

 

  多くの人に活用していただきたく

 

演奏者と作曲家の占星術データを照合して相性をお調べするサービスを始めました。

私が分析可能な作曲家は現在117名。

クラシック音楽分野の作曲家ばかりですが、その他のジャンルの作曲家も生年月日・出生地・出生時間がわかれば分析できます。

音楽生活をより充実させたい演奏家の方のお役に立てれば幸いです。ウインク

(特に表現者を目指すアマチュア音楽家の方は是非!)

 

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