サッポロHDが不動産事業を売却するということで、この先注目ですな。

12月24日発表なので25日なら8,000円で買えたけど、26日はワシの指値は届かず8,271円まで上昇した。

ワシは、サッポロHDはビール会社じゃなくて不動産会社と思っていました。

稼ぎ頭の不動産事業を売却して大丈夫かな?

 

3Dインベストメント・パートナーズなどのアクティビストから、数年にわたり厳しい要求を受けていたということなんだが。

不動産の売却で得られる約4770億円という巨額のキャッシュを、ビールの生産設備や海外M&A、ブランド投資に回すことで、本業の競争力を立て直そうということらしいが、株主還元(自社株買い)にもかなり使われそうなので株価上昇も期待できる。

 

2025年12月KKR・PAG連合へ約4,770億円で売却を発表

2026年6月不動産子会社の株式51%を譲渡して段階的には100%売却へ

2026年7月サッポロビール株式会社へと商号変更

安定した不動産収入を捨て、厳しいビール競争の真っ只中に飛び込みます。

 
これまでのサッポロHDの株価は、本業の収益力よりも「含み益たっぷりの不動産(恵比寿ガーデンプレイス等)」資産価値によって支えられてきた側面が非常に強い。
不動産価値 が時価総額より大きいという歪みは、割と有名な話でした。
ビール事業がぱーっとしなくても株価が上昇してきた理由がそれだと思います。
 
「含み益に守られた安泰な衰退」を捨てて「資産を現金化して勝負に出る」という事なのでしょうが、不動産事業は現物がそこにしかない言わば独占的事業でブルーオーシャンです。
方やビール事業は大手が厳しく競争するレッドオーシャン、しかも国内で第4位というレベルです。
サイバー攻撃でアサヒが弱っているこの好機にもシェアを拡大できそうもない、そんな会社です。
 
売却で得られる約4,770億円という大金は、ファンドにとっては宝の山。
本来は10年、20年先を見据えた設備投資や研究開発に使うべき資金を、ファンドは自社株買いや特別配当として自分たちの手元に還元させようとするはず。

 中身(現金)が吸い取られ、将来への投資が疎かになった「ただのビール会社」が残るだけになると思います。

 

50年後のサッポロなんか知ったことじゃないと、「資産を切り売りさせて、株価を吊り上げ、自分たちだけ利益を得て去っていく」という構図は、過去の村上ファンドや、さまざまな買収劇でも繰り返されてきました。

サッポロが食い物にされるというシナリオが目に浮かびますな。

 

「ROE(資本効率)が低いから売れ」と言いますが、それは裏を返せば「リスクを取ってレバレッジをかけろ」ということです。

不動産という安定基盤を失った後、もし世界的な原材料高やビール離れが加速すれば、サッポロには持ちこたえる体力が残っていません。

その時、ファンドはすでに高値で売り抜けていなくなっている、というシナリオかな。

 

ファンドは「合理性」の名の下に伝統を切り捨てろといいますが、これは日本的経営文化の崩壊ですな。​​

経営陣もバカじゃないので、背に腹は代えられないということなのでしょうが。

何もしなくても、いずれジリ貧で潰れるという危機感があったのか。

 

株価を上げやすくするためか、一度5株を1株に併合しているのに来年からまた5分割します。

来年6月に第1回の売却金の入金があるようですが、その金を何に使うかによってファンドに白旗かどうか分かるかも。

今更国内でシェアを取れそうにもないということは海外のビール会社を買収に行くのでしょうが、事業に失敗すればそれで終わりです。

一度大きな失敗をすると、もう安定収入の不動産事業はありませんから会社が持たないかもな。

その頃はファンドは「ごちそうさまでした、さようなら」となる。

どこかに会社を売り飛ばすというゴールもありかも。

 

時価総額に匹敵する売却金額ですので一発逆転ホームランもないわけではないが・・・。

大きな含み資産を持つ優良企業が、資産のない業界第4位のだだのビール会社になる公算が高いと思います。

史上最大規模の自社株買いがあれば大きな打ち上げ花火が上がりますが、上がった時が最後になるかもな。

 

株価の動きはありそうで、トレーダーにとっては楽しみですな。