現在はアメリカ合衆国領として、北マリアナ諸島の中心的な島となっているサイパン島。

このサイパン島を含む北マリアナ諸島、そして北マリアナ諸島を含むミクロネシアと呼ばれる南太平洋地域は、16世紀頃から300年以上に渡りスペインの植民地として統治されました。

1898年、アメリカとスペインの間で行われた戦争(米西戦争)に敗れたスペインはこの地域をドイツへ売却。ドイツはサイパン島の開発を行わず流刑地に選びました。

その後、1914年に第一次世界大戦勃発。

日本は日英同盟に基づき連合国の一員として参戦し、ドイツ領のミクロネシア地域を占領。   戦後、国際連盟から赤道以北の委任統治を委ねられ、日本による統治が始まります。     日本では「南洋諸島」「内南洋」と呼び、国を挙げて開発に乗り出しました。

夢を持ち、未開の島だったサイパン島へ渡った人々の開拓の苦労。                国策会社「南洋興発」の実状。                                     日本人街ガラパンの繁栄。                                             戦禍に巻き込まれた日本人達。                                              日本人収容所では勝ち組・負け組による対立で起きた殺人事件など、               サイパン開発と日本統治30年の歴史を知る事が出来る1冊です。

内容(「MARC」データベースより)

今から90年前、一人の日本人がサイパン島に漂着。彼は故郷・山形から集団移民を募り、獣が棲息する密林の開拓に乗り出す…。その時から始まる日本統治領サイパンの30年を、二つの家族の歴史を通して描くノンフィクション。


日本領サイパン島の一万日/野村 進

あかべこのブログ

政府と東洋拓殖の協力で創業した国策会社「南洋興発」の創業時の最高経営責任者(専務取締役)、その後初代社長となったのは、現在の福島県会津若松市生まれの松江春次(はるつぐ)という実業家でした。


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松江春次  Wikipediaより

会津若松出身の松江と言えば、「松江豊寿(とよひさ)」の名が知れ渡っていますが、
春次は豊寿の弟です。
この本を読んで初めて知りました。