鳥巣清典の時事コラム1637「丹羽宇一郎氏『日銀が国債を買えなくなる日・・本当に大丈夫?』 | 絶対に受けたい授業「国家財政破綻」

鳥巣清典の時事コラム1637「丹羽宇一郎氏『日銀が国債を買えなくなる日・・本当に大丈夫?』

『時事放談』(ТBS系)のゲストに丹羽宇一郎 元中国大使



20兆円規模の経済対策は期待が持てますか?


御厨貴
 動き出しているのは、こちらです。

「御厨貴」の画像検索結果

出水麻衣

 
「出水麻衣」の画像検索結果

<経済対策20兆円規模に>公共事業、効果疑問も。政府はこのほど20兆円を超す規模の経済対策の作業に入りました。その内訳ですが、保育・介護の受け皿を拡充する1億総活躍社会の関連施策やリニア中央新幹線の最大8年の前倒しや新幹線の建設拡大。大型クルーズ船が寄港できる港の整備などとなっています。
 一方気になるのはこちらです。<年金運用損5兆円超>今週公表される公的年金の昨年度の運用成績ですが。3年間で38兆円の利益が出ているとされる一方、昨年度1年の損失額は5兆円を超すと見られています。一昨年10月に株式での運用枠を国内・国外、合わせて50%と2倍に拡大したことで株安が影響したと見られています。


今まで通りアクセルを吹かすのは極めて疑問


御厨
 20兆円超と見られる経済対策ですが。経済対策として期待が出来るのでしょうか?
丹羽
 いやぁ、極めて疑問です。

「丹羽宇一郎」の画像検索結果

 (この経済対策は)金融緩和の1つですよね。ある意味ではね。金融緩和をしても、なかなか民間に資金の循環がうまく回って来ない。あまり使わないし、新しい設備投資にもつながらない。消費が増えるという事でもない。それにも関わらず、今まで通りのアクセルを踏んで吹かしている。
 ある意味で世界的に金融緩和なんです。世界的に通貨が安くなって、そのカネどこへ行くんだ?と。世界中が困っている。どこへ行ったらいいんだと。結局、株を買うしかない。株にどんどんおカネが流れていく状況。従いましてね、20兆円と言いますけど。真水はいくらなんだ? だいたい3兆とか4兆だとか言われてですね。他のものは財投とか色々ありますね。どうせこれは、財投にしても、どうせ戻って来るだろうと思っておられるけども。


日銀が国債を買えなくなる日・・本当に大丈夫?


丹羽
 つまり借金がね。国債の発行が増える事はーー減る事はないんですねーーこの政策は。 (国債が)増える事は間違いない。これ以上、増えた時にね。おカネがさらにジャブついてですよ。で国債自身もこれ以上ね。日銀が買えなくなったら、一体財政の出口という事を考えると、本当に大丈夫かと。大変なリスクのある政策だと。
御厨
 なるほど。


失敗した時の理由を考えての年金運用は止めるべき


丹羽
 もうひとつ言うと、年金は5兆円でしょ。私が言いたいのはね。運営委員会というのがありましてですね。これは、どういう方々がなってるか分かりませんがね。そういう方々がね、鵜の目鷹の目のね、要するに相場の世界に、リスクを産む世界に入ってくるというのは非常に問題がある。
 それで儲かる試しがないんだけども。1番の問題は、損をしてもいいような大義を組み立てて。こういうところには投資をしない。こういうところには投資はしない。だから損をしても・・。思想や哲学を中心にーー例えば環境問題にふさわしいとか、自然エネルギーに優しいとか。こういうところに注目しなければいけません、という事を言ってる訳ですよ。
 もし運用に失敗した時にはね。「我々は、そういう国とか世界の環境問題に投資をしているから損をしたんだ」と。もうそういう理屈を考えながらね。投資をしようとしているんではないか。経済っていうものはね。そういうものじゃないんですよ。経済は、法律違反しないとか。信用とかを裏切らないとかがない限りはね。経済合理性だけで、どうやったら儲かるか。どうやったら元本を毀損しないか。という事をね、考えてやって貰わないと。大義名分、失敗した時の理屈ばかりを考えてね。最初から運用なんか止めて欲しい。絶対に儲かりません、これは。
御厨
 なるほど。