明日はフリー・ダンスパーティ。「タンゴ」という難題を抱えたままYouTubeで見たのがNHK『タンゴ!基礎から踊ろうタンゴ入門編』。うまく踊れないという事は、自分の基本的な踊り方にどこか致命的な欠陥があるということです。基礎をおさらいする事で、欠陥を知る糸口が見つかるはずです。
■立ち方
1、自分の足を楽にして、自分の足幅にちょっと広げる。そのまま膝を少し緩める。
2、自分の膝の内側から自分の方に締めてくる。
3、締めたまま身体を8分の1くらい左に回す。足も寄せる感じで・・そうすると左足のつま先が左足の土踏まずのところにくる。
4、ワルツの場合はこのバランスを前に置きました。タンゴの場合は、フラットに立って、足の裏全部で立っているがヒールにすごいウエイトが置いてあるーーまずこれが立ち方。
【鳥巣注】
ここで気が付くのが、私は中学生の頃に卓球部。そうすると競技中の立ち方は”つま先立ち”。前後左右に打たれても、すかさず動けるような態勢です。ですから思うに、ワルツやスローのような「つま先立ち」には自然となれても、タンゴのように「ヒール(踵)にウエイトを置く」という立ち方は不自然。ましてや前進ウオークを内股を内側に絞りながら踵から進むというのは相当に意識しないといけない。
■組み方
1、お互いが少し左に絞り合います。そのことによって男子の左手がーーワルツは女性の肩甲骨ですがーータンゴは女性の肩甲骨の下。女性の手は男性の右腕に下。だから男子の身体と女子の身体がお互い絞り合った感じーーコンパクトな感じになります。
2、バックについては、後退する人ーー女子はーーボール。踵に行ってたら男性のバランスを引っ張ってしまう。イメージ的に言えば、男性のバランスの中に自分のバランスを入れてしまう感じ。
■ウオーク
1、ふつうワルツの前進だと男性の足が女性の右側に出ます。しかし男性の足は反対の足を交差した位置ーーCBМPといいます。
2、次にワルツは両足の間ですが、タンゴの場合はサイドリード。少し女性の右足と女性の左足が相手を意識し合えるくらいの持っていきかた。
3、後退の場合もCBМP。
4、左足が少し交差するように、そのあと右サイドが少し先行するようにウオーク。また交差しますーーサイドが先行するように行きます。
5、今度は後退。バランスはボールーー付いてはいるけどヒールの方に行かない。
6、スロー・・ボールーー付いてはいるけどバランスは前。
7、そのまんまサイドリード。サイドリードとは、すごく悪い例で言うと、ステップする方とサイドが一緒に行く。でもそんなに意識をしなくてもいいいです。
8、スロー。前進は踵から。踵から行った方がボディが出る。
【鳥巣注②】
ここまでに、いっぱい自分の欠点の要素ーーとくにウオークーーが見つかりました。上々です。
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PS①
パーティでの成果は・・・。
やはりタンゴは深刻。
K先輩は「自分から声をかけて踊りを申し込めるようになった。パーティは続けていくべき」。一方「中級クラスのサークルでは、相手もベテランでフォローしてくれているから欠点が見えにくい。パーティには一部特別うまい人もいるけど、多くの同レベルの人もいる。鳥巣さんの踊りはずっと見てきてヘンな癖もあるから、そういうところが残っていたら悪いけど指摘させて貰うよ」。
理髪店のS氏は「中級テクニックをいくら覚えても、大事にしなきゃいけないのは基本。みんな”初級”と言ってバカにしたり、やりたがらないけど、本当はいちばん大事」。
PS②
パーティの途中に順で踊る「ミキシング」で出会った初対面の女性。ワルツを踊り始めたのですが驚きました。「空気のように軽い!」。羽のように舞う踊りが最高といわれると読んだ事がありましたが、そういう感触なのです。私のような下手っぴーがリードしているのに全く違和感がないどころか蝶のように舞ってくれている。
踊り終わってから聞きました。「始めてまだ3カ月ですーフォークダンスはやった事がありますが」。頬をうっすら染め涼やかな声音で謙遜するその答えに再び驚愕。世の中にはこういう天性の人もいるのだ・・と半ば信じられない思いがしたものです。
」
PS③
ダンスは、第2ステップの壁にぶつかった気がします。雑誌ライターに置き換えると、初期には先輩たちにこぼしていました。「どうやったら、インタビュー中にあがらなくなりますかね?」。やはり様々なケースを経験して、次第に状況をコントロールする術を身につける。第1ステップのデーターマンを経て、第2ステップの本格的に完成原稿が書けるようになるのに7~8年はかかりました。30歳までにモノにならなかったら廃業して故郷に帰ろうと必死に取り組んで何とか続ける力をつける事ができました。ダンスもしばらくは試行錯誤があるのでしょう。
ただダンスの場合の「基本」というのが曲者。ライターの場合は専門学校もありますが、私は最初から現場主義でした。現場にぶつかってぶつかって習得していきました。原稿も編集者から赤字を入れられ、自分でも何度も何度も書き直しながら体得していきました。
ダンスには、競技選手になるためのサークルもあると聞きます。競技選手になるつもりはありません。年齢からいっても”楽しむ”ためのスキルを身に着ける事が目的になってきます。にしても、それなりにスキルや見栄えを良くしたい。この路線をいかに実現していくか。
「基本」--これがライターとは違った意味で重要な感じです。ライターの場合は大学文学部の出身なんかだと、かえって原稿の文学臭が邪魔になる場合もあります。もろ人生の濃淡と触れていくライターという職業は、強烈な個性のある人たちとの一期一会を繰り返しながら、結局は己の生きざまと大きく関係してきます。
一方ダンスはーー経験が浅いので下手な事は言えませんがーー基本を崩したら”イージー”という奈落の底に簡単に落ちていきそうです。「踊れるから、いいけどね」の世界。日本人に分かりやすいのは、剣道かもしれません。構えた姿勢、足さばき、間合いーー有段者とへなちょこ剣士とでは見ただけで分かる。ただし、「楽しい」という基準に照らせば”奈落の底”とは言い難いところがある。価値観によって、評価も変わってくる。”いい加減”の塩梅が難しいのです。
という具合に、人生は選択の連続ですから、壁にぶつかった時にはしばらく悩むほかないのです。これが若い時ならスパッと現在を断ち切りーー例えば何年も続けていた月刊誌、週刊誌の連載記事を自ら止めたりーーそして新しい展開へとあえて突き進んだものですが、さぁて・・。
PS④
別のフリーパーティの様子を覗いてみました。
目についたのが、男性4人(女性1人もいました)の「アテンダント(”リボンさん”とも言います)」の踊り。主に1人で来る女性の踊りの相手をするのが役目なのですが、ワルツ、スローにしてもーーこんなに、ゆったりなのか?と秒針を見たいくらいにーーしなやかに余韻たっぷりに踊る。
もう1つは、どんな態勢になっても体幹がしっかりしている。おまけにリズムが正確なのですから、明らかに他の人とは違う安定感があります。
社交ダンスは男性リードの腕次第ーー女性が押し掛けるのも、むべなるかなです。
PS⑤
結論。
現在の中級サークルでのレッスンに集中する。基本を除いた中級はあり得ないのですから、同時に「基本」を意識しながら取り組もうと思います。最近のサークル募集要項は「入門編」にも門戸を広げている事もあり、K先生の変化に期待したいと思います。実際、その兆候が感じられるところもあります。
PS⑥
「CBМP」についてー勉強です。
❶
CBMは体の中につくり出す回転運動のエネルギーのことであり、両足が一直線上、あるいはアクロスした位置関係のことをCBMPと言います。
通常、全てのアウトサイドステップで使われ(一部例外)、OPという表示が一般的です。
ここで難しいのは、パートナーとのコンタクトをキープするために、上体を絞らなければならないことです。CBMを伴うことが多く、このテクニックこそがダンスの“要”のひとつと言っても言い過ぎではないでしょう。
この点に注目して世界のトップレベルと我々を比べてみると、その正確さと運動量の違いに気付くことができます。
体を絞りながら足を出すと、普通は体がきつくなり、しぼりが甘くなるか、足のストライドがせまくなるか、またはその両方になりがちです。特に女性はヒールから前進する場合、怖さを感じるでしょう。
そこを思い切って踊ってみる。
ストライドに比例してしぼりが強くなりますが、それこそがダイナミックな運動のエネルギーになるのです。
単純に言って歩幅を大きくすれば、大きな動きになりますよね。
足を広げることをためらわず、ドンドン踊っていきましょう!
(参考資料=藤本ダンス道場 身体意識の技術ーーCBМPという基本ーー)
❷CBMとCBMP
社交ダンスの用語は意外と知られていないものがあります。
「知らなくても踊れるから」 というのが大きな理由でしょう。
しかし、知っていて損はありませんので、折に触れて紹介して
いきます。
CBMとCBMPの違い。
私自身ある時期、「CBM」のもっとていねいな言い方が
「CBMP」だ、くらいの認識でいました。
CBMとは、「前進(後退)する足と反対側の肩と胸が前
(後ろ)に出る動作」です。
CBMPとは、「片方の足が他方の足の延長線上、またはボディ
を横切ってステップする」足の位置、のことです。
つまりCBMは「ボディの動き」CBMPは「足の位置」です。
(参考資料=「社交ダンスが上達する方法」)
ワルツのコントラチェックの例で言えば、
ボディの動きがCBMで、ステップした足の位置がCBMP、と
いうことになります。
まあ、関係がないわけでもないのですが、意味の違いを理解して
おきましょう。