鳥巣清典の時事コラム1614「ダンスはうまくできているんです。それを分かり始めると面白くなる」 | 絶対に受けたい授業「国家財政破綻」

鳥巣清典の時事コラム1614「ダンスはうまくできているんです。それを分かり始めると面白くなる」

 先日のフリー・パーティでは、初対面の相手とはいえ「タンゴ」で完膚なきまでに撃沈。



 その根本原因のヒントの糸口を探るため、基本を見直すことにしました。参考にしたのは
YouTubeで見れるNHK『基礎から踊ろうタンゴ』の入門編~初級編。


 入門編では、ダンス歴15年のモデル男子の踊りに先生が指摘。
A:だいだい良いのですけど・・(足先が先に出ている傾向に)背中を誰かに押されているような感じの出方はできないでしょうか。クイック、クイック、スロー。そうそう・・。



 ダンス歴20年の男性モデルが質問。
Q:踊っていると、どうしても力がはいってしまう。
A:どこに力が入る?
Q:左手に
A:たぶん(左手に)力が入るという事は、上体に力が入るのでしょう。たぶん下の力が弱い。タンゴは、フットワークがほとんどヒール(かかと)。ワルツなんかだと、ヒール⇒ボールとウエイトが動いていくようにできている。ところがタンゴの場合は、ウエイトが動いていかない。ステップした時に可能な限り長く後ろの足を押さえておく。
 けっこう両方の足が使われているし、極端にいったら押さえておく。女性「どいて下さい」と言ってもどけない。それくらい、しっかり押さえている。それが多分、流れている。その分を手で押さえている。

【鳥巣注】
 ワルツが好きな私は、「ヒール⇒ボール」と足裏が、さらにはスローのように「⇒トゥ」とウエイトが動く流れが好きなのかもしれません。対してタンゴは、ほとんどウエイトが動いていかない。このギャップを切り換えなればいけないのでしょうが、ワルツを習っている期間のせいなのか、パーティでは全くうまくいかなかった。いずれにしても原因の一端にでも気づけた事は次につながるかもしれません。とくに足先が先に出ていく傾向には、モデル男性同様注意が必要。次のパーティでは、少しは「タイミング」という問題が改善されればよいのですが・・。




 ワルツのレッスンの方でも、今週も課題続出。
①「ワン、ツゥ、スリィと同じ間隔ではなく。ワンツゥー、スリーと最後のスリーを延ばして下さい」
 K先生先週に引き続き、このタイミングの修正に力を入れています。

②「ナチュラルスピンターンなどでは、次のステップの準備をしておくこと」
 K先生、これも再三指摘します。

③「ワルツーースローでもそうだけどーー男女は相対するのではなく斜めになる
 思うに、スローの出だしがスムーズなのは、フェザーステップで”斜め”を強く意識せざるを得ないステップで始めるからかもしれません。

④ヘジテ―ション⇒レフトホイスク
「同じ歩幅で後退する」
 レッスン後の自主練習でピアノ調律師のТ先輩がズバリ。いつぞやの特訓と同様、後退する足幅を指摘されました。同時に、LODで後退する方角を指摘。方角に関しての教科書は、いつかK先生が見せて下さるそうです。

⑤レフトホイスク⇒コントラチェック
 ここの伸び上がり方は、Т先輩は芸術的。真似すると、ふらついてしまいます。

⑥コントラチャック
 先週から、ここが課題。レッスン中に女性に指摘され、最後はK会長に確認。分かった問題点は、コントラチェックに入った時に、私の左足の膝が曲がっていたこと。「足もチェック気味に入れる。右足の踵は少し浮く形になる」。レッスン中にU子さんにも「コントラでは、右手で女性を支えるのだけど、緩いとどんどん倒れていってしまう。”くっ”と止めていて欲しいの。そうすれば、男性が女性の体重に引っ張られて、前かがみになってくる事もなくなるんじゃない」。
 みなさんのご協力、ありがとうございました。

⑦ハイホバー⇒セイムフットランジ⇒ネックチェンジ
 ここは、ピクチャーポーズだけにカウントの確認も含め今後も練習。

⑧ダブルロック
 「いち。2と3」
 カウントは、とにかく正確なТ先輩に確認。
 問題は、私の足の引き方。
「どうも、ぴょこん・ぴょこん、となる傾向がある」
 とU子さん。
「最初はカウントは正確でなくてもいいいから、床を擦るように下がってみて」
 何度も繰り返すうちに「だいぶ良くなってきた」と及第点。
 いつもながら、分かりやすいご指導ありがとうございます。

⑨ダブルリバーススピン
「女性はヒールターン。男性は自分で回ろうとするから大変。女性はヒールターンだから女性に身体をくっつかせていけば自然と回転できる。そういう理屈を覚えると楽ですよ。ダンスは、うまくできているんです。そこらへんが分かってくると良いんだけどね。みなさん素直だから、全てに力を入れてやろうとしている。ダンスは、素直ばかりじゃ駄目なんです。力を抜くところはーー抜いても良いようにできているからーー抜く。でも言うのは簡単(笑い)。」(K先生)




 今月レッスン中のルンバ。

 予備歩41。つづいて2341・・。
 ラテンの中では比較的ゆっくりのリズムで好きでも嫌いでもなかったのですが。そこにK先生「それで良いんだよ!」と天を衝く大声。私が後退の足ステップを強くーー闘牛士のようにーー鳴らして床の音を高く響かせたときでした。リズムに強弱をつける事でラテンらしさが生まれる。「かっこよかったわよ」--女性からも予想外に好評でした。
 ルンバに新たな魅力が出てきました。


【鳥巣注】
YouTubeで「ルンバ」を見ました。
◆「日野・天野組」による「ルンバ 肩甲骨の使い方」。

1、背骨の移動+肩甲骨の使い方を使ったベーシックステップをどういうふうに踊るか。
2、お互いに肩甲骨を寄せる事によって前に移動。ワン、ツー、スリー、フォー。ワン、ツー・・ここで肩甲骨を丸めて女性が後ろに行きます。ツー、スリー・・肩甲骨を寄せてきて近寄る。
 エンド、ツー・・肩甲骨を寄せてきて近寄る。肩甲骨を丸く使いながら遠くに行く。寄せてきて近く、丸くして遠く。ツー、スリー、フォー・・こういうふうに使います。

 ラテンらしさは、バネのような動きとか、距離を出すという事ができます。決して腕でやるのではなく、肩甲骨を使って動くという事を練習してみて下さい。
 
◆「日野・天野組」のよる「ルンバ ヒップツイスト~ファンポジション」

1、ヒップツイストからツー、フォー、ワン。女性が歩いてきました。ファンに行く際にサイドウォークーー横に出しているように見えるのですが実際は前進ウォーク。フォワードウォークというウォークをします。その際に女性に近づきました。足を先に出してしまいます。その後にフォワードウォーク・ターニングというステップに入ります。左足を左回転。ターンさせるから入って行くーーという入り方をします。


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PS
 ちなみに「タンゴは2拍子だ」というブログを発見。ここにも、深いものがあります。

先日ブログでちょこっと書いた「2拍子」の話。某所で少しだけ反響があり、「意外と理解されてないのね・・」とちょっとびっくりした。たぶん、タンゴの「音楽」をやっている人はほぼ誰でも知っているが、タンゴの「ダンス」をやっている人はあんまり知らないことなのかもしれない。音楽やってる側からすると、よくそれを意識せずに踊っていられるなあと思うわけだが(卑下しているわけではなく、僕らからすればそれを感じないことはあり得ないのだ)、タンゴを理解するうえでは非常に重要だし、これを知ると知らないとでは、たぶんダンスも全然変わってしまうと思うので、あえて、このテーマについて記しておこうと思う。
 
タンゴとひと口に言っても、大まかに分けて「タンゴ」「ミロンガ」「ワルツ」という3種類のリズムパターンがある。これは誰でも知っているだろう。しかし、ダンスの教室で教えるのは、タンゴ=4拍子、ミロンガ=2拍子、ワルツ=3拍子だそうだ。まあ、この区分もある意味間違いではないのだが、音楽理論としてというより、リズムの感じ方としてはこの区分は間違っている。
 
まず4拍子と言われるタンゴであるが、確かにタンゴのリズムは1小節の時間内に4つの拍が刻まれる。これはポピュラーミュージックとかジャズとかでも同じなので、ちょっと聴いただけではタンゴは4拍子の音楽に聞こえるかもしれない。でも、タンゴにおいては、この1小節内の4つの音符は等価ではない。アクセント的に言えば「強弱 | 強弱」である。つまり「強弱」というセットが2つ並んでいる形だ。これをもう少しわかりやすくするなら、弱拍を省いてしまえばいい。「強○ | 強○」となる。実はタンゴはこれでも成り立つ。これが、タンゴが2拍子という所以なのだ。
 
そういうわけで、僕たちタンゴの音楽プレーヤーは、1小節内に4つのビートがあっても、それを等価では弾かない。
もし等価で弾いている人がいたら、その人はモグリである。もちろんタンゴのプレーヤーにもいろんな人がいて、きわめて等価に近く弾く人(たとえばピアソラとか)もいれば、極端に強弱をつけて弾く人(たとえばプグリエセなど)もいる。ダリエンソになると、この「強弱 | 強弱」がときとして「弱強 | 弱強」みたいにシンコペーションすることもある。つまり裏打ちである。いずれの場合も、ベースが「強弱 | 強弱」であるからこそ、プレーヤーごとの差違が際立ってくる。テンポ的にはフォーでも、リズムの感じ方は裏拍ありのツーでないと、タンゴ特有のグルーブが出ないのだ。これは、タンゴを演奏するうえでは、基本中の基本と言っていい。
 
演奏する側がこういう姿勢で弾いているのだから、それを踊るほうも2拍子感を感じないと、タンゴらしい踊り方にはならないのではないだろうか。曲のアクセントに合わせるとしたら、足の運び方は「強弱 | 強弱」になる。タンゴのダンスで最初に覚える「サリーダ」は合計8拍のリズムで1周するが、これも強弱を感じながらやれば、「強弱 | 強弱」の2セットということになる。足の動きをイメージしてほしい。この強弱のグルーブを感じて足を動かせば、それだけでもずいぶん違うイメージになるんじゃないだろうか。ほとんど踊らない僕が言うのもなんだけど。
 
ちなみに、タンゴのリズムは「強弱 | 強弱」とわかりやすく書いたが、そう単純に縦にスパッと割ったようなリズムというわけでもない。むしろ演奏する側の音のつながりから言えば「強 | 弱強 | 弱」だ。2小節続けて書けば、「強 | 弱強 | 弱強 | 弱強 | 弱」となる。弱拍は次の強拍へとつながる準備みたいなもので、擬音語で書くなら「ワッ、ワーワッ、ワーワッ、ワーワッ」という感じ。これがタンゴの2拍子ならではのグルーブだ。プグリエセ楽団の演奏を聴けば、このグルーブがよくわかるはずである(この極端にデフォルメしたような演奏法を、「ジュンバ」と言っているのだが、これは上述の「ワッワー」と同義だ)。
 
例としてプグリエセ楽団の「La Yumba」をあげておこう。これは2拍子の極端な例。これが「ジュンバ」のリズムである。
La Yumba - Orq. Osvaldo Pugliese