五十嵐元財務副大臣インタビュー⑩「国民の金融資産を使い果たすと何かに投資できなくなる」
五十嵐文彦元財務副大臣インタビュー。
ーー今、何が起きているのか? これから何が起きようとしているのか?--⑩
国民の金融資産を使い果たすと何かに投資できなくなる
鳥巣
もう1回、再確認なんですけど。仮に2015年末に国民の金融資産が1741兆円だとするとですよ。これは一応、発表されている数字です。
五十嵐
その中に借金が入っていると思います。金融資産の中に。
鳥巣
もちろん、そうですね。
五十嵐
まるまる何かに投資できる額ではない。
鳥巣
住宅ローンとかの借金でしょ。
五十嵐
はい。
鳥巣
それがいつも幅があるんですがーー300兆~400兆円。
五十嵐
ですから、それを引くと残りはそんなにない訳です。
いつ国債を買う余裕がなくなっても不思議ではない
鳥巣
仮に1700兆から400兆を引くと1300兆。借金が1000兆を超え始めましたから、ま300兆・・弱なんですね。
五十嵐
はい。
鳥巣
僕の計算では、仮にいま264兆円。ところが毎年40兆円を使っていけばーー先生とお会いしてから金融資産が伸びてきた。しかし使ってきた。割ると、(264兆円÷40兆円)で、260兆円は6年で使っちゃうという話なんです。
当時を2010年だとして、今年2016年。今年までなんです。これ以上、増えてないんです。小休止状態なんですね。アベノミクスも。
五十嵐
はい。
鳥巣
当時、円さんもこういう計算をしてらっしゃったんですね。与謝野さんもこういう計算をしてらっしゃった。こういう計算は、どうなんですか(苦笑)。
五十嵐
だから・・いつ・・いつそういう余裕がなくなっても不思議ではないですよね。
大々的に喧伝されて一気にバランスが崩れる可能性も
五十嵐
で、なくなったからといって、直ちにアウトになる訳ではないけども。それが例えば大々的に海外に喧伝された場合に、例えば国債の格付け会社が日本国債をさらに格付けを引き下げるという動きが起きた時に一気にバランスが崩れる可能性はありますよね。
鳥巣
前から、誰が判断するのか不思議だった。
五十嵐
ここに出てますね。・・家計金融残高。1717(兆円)です。2015年6月末。
鳥巣
2015年6月末・・。
五十嵐
2015年9月末には減ってますね。1683(兆円)に。上下するんですよね、やっぱり。
鳥巣
ま、それは当然。とにかく、この前後ですよね。
五十嵐
そうですね。だいたい1700兆くらいですね。
「借金が国民の金融資産を上回る」事態も指標のひとつ
鳥巣
「金融資産を上回る・上回らない」という話は、日銀の発表を基にしてヘッジファンドとかいろんな人たちが判断するんですか? つまり、俗にいえば「食いつぶしたぞ」という事は・・。
五十嵐
指標の1つですから。目安にする数字の、あくまで1つですけど。それを見ている人たちは結構いる訳です。最初に注目したのはーー私がこの数字に着目したのは早いほうだったと思いますけども。ただ、それは政府部内でも財務省なんかも1つそれは見ていましたよね。要するに、財務省の公債発行計画を立てる上での1つの参考ですね。
今年間200兆くらい、借換債を含めて発行してるでしょ。ですから借換債、年間200兆を含めて200兆とすれば、この差が200はないと・・。93%くらいーー国内消化率。7%--昔5%と言っていたのが、今は7%くらい。海外に7%として、この余裕のが額の93%が200兆に収まらないと公債発行計画にちょっと危ないぞという信号が灯るという事になるんじゃないですか。
借換ったって、借換は日銀が形式的には持ってくれる。日銀も1つの株式会社ですから。
怖いのは金利が一気にパンと跳ね上がるような事態
鳥巣
私は、いったい借金てどれくらいを借金と問えるんですか?と何人にも聞いたことがあるんですけど。正直言って、公の数字でも日銀が出すものと財務省が・・
五十嵐
入ってくるものが違うでしょう。
鳥巣
増えた時があるんですよ。今は消したみたいなんですけど。そうすると今出している1000兆円余りとかじゃなくて、1100何10兆とか。全部借金を集めると。すごく曖昧だなというところはあります。
五十嵐
もともとね、例えば短期国債は1年以下のものを短期国債といいますけど。1年ものを繰り返し繰り返し借り換えてしまえば長期と同じじゃないですか。短期のものを出来るだけ長期に近づけていって借り換えてしまう。とか、そういうテクニックを使われてしまうと曖昧になってくる訳ですよね。
鳥巣
財務省の人と話をした時にね。色んなテクニックを披露するんですよ。「こういう事も出来ます」とか・・色んな事が出来るんだなと思ってたんですけどね(苦笑)。
五十嵐
だから・・円ドル介入する時には短期証券を発行して介入する訳ですけども。額が大きければ兆円単位になる訳ですからね。
鳥巣
要は、波及することなんですね?
五十嵐
怖いのは、金利が・・国債の金利がパンとはね上がる時がある訳です。
鳥巣
それは、ず~っと言い続けていますね。「それが1番怖いんだ」と。
五十嵐
2・8%くらいに上がった時がありますから。上がる時はけっこう急に上がるんですよね。
鳥巣
とにかく平均が1・4%。そこが1つの指標になっているみたいですけど。なってみないと分からないところがあるからなあ。
五十嵐
そうですね。
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PS
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ーー今、何が起きているのか? これから何が起きようとしているのか?--⑩
国民の金融資産を使い果たすと何かに投資できなくなる
鳥巣
もう1回、再確認なんですけど。仮に2015年末に国民の金融資産が1741兆円だとするとですよ。これは一応、発表されている数字です。
五十嵐
その中に借金が入っていると思います。金融資産の中に。
鳥巣
もちろん、そうですね。
五十嵐
まるまる何かに投資できる額ではない。
鳥巣
住宅ローンとかの借金でしょ。
五十嵐
はい。
鳥巣
それがいつも幅があるんですがーー300兆~400兆円。
五十嵐
ですから、それを引くと残りはそんなにない訳です。
いつ国債を買う余裕がなくなっても不思議ではない
鳥巣
仮に1700兆から400兆を引くと1300兆。借金が1000兆を超え始めましたから、ま300兆・・弱なんですね。
五十嵐
はい。
鳥巣
僕の計算では、仮にいま264兆円。ところが毎年40兆円を使っていけばーー先生とお会いしてから金融資産が伸びてきた。しかし使ってきた。割ると、(264兆円÷40兆円)で、260兆円は6年で使っちゃうという話なんです。
当時を2010年だとして、今年2016年。今年までなんです。これ以上、増えてないんです。小休止状態なんですね。アベノミクスも。
五十嵐
はい。
鳥巣
当時、円さんもこういう計算をしてらっしゃったんですね。与謝野さんもこういう計算をしてらっしゃった。こういう計算は、どうなんですか(苦笑)。
五十嵐
だから・・いつ・・いつそういう余裕がなくなっても不思議ではないですよね。
大々的に喧伝されて一気にバランスが崩れる可能性も
五十嵐
で、なくなったからといって、直ちにアウトになる訳ではないけども。それが例えば大々的に海外に喧伝された場合に、例えば国債の格付け会社が日本国債をさらに格付けを引き下げるという動きが起きた時に一気にバランスが崩れる可能性はありますよね。
鳥巣
前から、誰が判断するのか不思議だった。
五十嵐
ここに出てますね。・・家計金融残高。1717(兆円)です。2015年6月末。
鳥巣
2015年6月末・・。
五十嵐
2015年9月末には減ってますね。1683(兆円)に。上下するんですよね、やっぱり。
鳥巣
ま、それは当然。とにかく、この前後ですよね。
五十嵐
そうですね。だいたい1700兆くらいですね。
「借金が国民の金融資産を上回る」事態も指標のひとつ
鳥巣
「金融資産を上回る・上回らない」という話は、日銀の発表を基にしてヘッジファンドとかいろんな人たちが判断するんですか? つまり、俗にいえば「食いつぶしたぞ」という事は・・。
五十嵐
指標の1つですから。目安にする数字の、あくまで1つですけど。それを見ている人たちは結構いる訳です。最初に注目したのはーー私がこの数字に着目したのは早いほうだったと思いますけども。ただ、それは政府部内でも財務省なんかも1つそれは見ていましたよね。要するに、財務省の公債発行計画を立てる上での1つの参考ですね。
今年間200兆くらい、借換債を含めて発行してるでしょ。ですから借換債、年間200兆を含めて200兆とすれば、この差が200はないと・・。93%くらいーー国内消化率。7%--昔5%と言っていたのが、今は7%くらい。海外に7%として、この余裕のが額の93%が200兆に収まらないと公債発行計画にちょっと危ないぞという信号が灯るという事になるんじゃないですか。
借換ったって、借換は日銀が形式的には持ってくれる。日銀も1つの株式会社ですから。
怖いのは金利が一気にパンと跳ね上がるような事態
鳥巣
私は、いったい借金てどれくらいを借金と問えるんですか?と何人にも聞いたことがあるんですけど。正直言って、公の数字でも日銀が出すものと財務省が・・
五十嵐
入ってくるものが違うでしょう。
鳥巣
増えた時があるんですよ。今は消したみたいなんですけど。そうすると今出している1000兆円余りとかじゃなくて、1100何10兆とか。全部借金を集めると。すごく曖昧だなというところはあります。
五十嵐
もともとね、例えば短期国債は1年以下のものを短期国債といいますけど。1年ものを繰り返し繰り返し借り換えてしまえば長期と同じじゃないですか。短期のものを出来るだけ長期に近づけていって借り換えてしまう。とか、そういうテクニックを使われてしまうと曖昧になってくる訳ですよね。
鳥巣
財務省の人と話をした時にね。色んなテクニックを披露するんですよ。「こういう事も出来ます」とか・・色んな事が出来るんだなと思ってたんですけどね(苦笑)。
五十嵐
だから・・円ドル介入する時には短期証券を発行して介入する訳ですけども。額が大きければ兆円単位になる訳ですからね。
鳥巣
要は、波及することなんですね?
五十嵐
怖いのは、金利が・・国債の金利がパンとはね上がる時がある訳です。
鳥巣
それは、ず~っと言い続けていますね。「それが1番怖いんだ」と。
五十嵐
2・8%くらいに上がった時がありますから。上がる時はけっこう急に上がるんですよね。
鳥巣
とにかく平均が1・4%。そこが1つの指標になっているみたいですけど。なってみないと分からないところがあるからなあ。
五十嵐
そうですね。
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