鳥巣清典の時事コラム12 「日本は、フランス型福祉国家になる!?」 | 絶対に受けたい授業「国家財政破綻」

鳥巣清典の時事コラム12 「日本は、フランス型福祉国家になる!?」

『絶対こうなる!日本経済』(アスコム)の中で、“民主党の最高経済ブレーン”(田原総一朗氏)とも言われる榊原英資氏が気になる発言をしています。

発言の主旨とは、

「日本はグローバル化を進めると同時に、ヨーロッパ型の福祉社会を目指すべき。

僕は、フランス型を目指すべきだと主張している。

今の日本の社会福祉は基本的には年金と医療で、基本的に老人向け。

フランス型は雇用と育児に社会福祉を拡大している。

つまり社会福祉を、老人から若者や子どもにまで広げていく」

●用語解説≪フランスの社会保障システム≫
フランスは、子ども手当だけでなく、さまざまな形で出産・子育て支援を手厚くしている。
未婚の母にも支援の手を差し伸べていて、出産率が2・1まで上がっている。
女性が働きながら子育てするシステムが、国のシステムとして完全にできあがっている。

そこで、「歳出」のほうが気になります。

榊原氏は、ズバリ言及します。

「スウェーデンの税金と社会保障負担を合わせると、所得の約65%、90年には80%近かった。

フランスは、60%くらい。

いずれにせよ、かなり大きな政府になって税金や社会保険料が上がる。

消費税はフランスの場合は約20%。

日本も、消費税はそれくらいまで上げる。

子ども手当をやり、高校授業料の無償化をやり、さらに教育全体の無償化みたいなことをやる。

失業保険みたいなところを拡充する。

そうすれば、どうしたってカネがいる」

では、「財源」はどうするのでしょう?

榊原氏は、「国債発行」と述べます。

「国債は60兆円くらい発行しても問題はない。

カネ余りだから吸収する能力がマーケットに十分ある。

国債トレーダーたちと話をしたら、70兆円発行しても10年債の金利は2%を超えず、1・3%前後で推移するだろうと。

だから国債を発行し大型予算を組んで、成長への舵取りをすべき」

続けて、

「ここ4~5年の当面は、消費税は上げなくても済む。

日本は金融資産が非常に大きく、しばらくは国債を発行できる。

しかし、次の選挙では『消費税を上げる』と訴えなければいけない」

加えて、

「消費税を上げて、法人税も下げなければいけない」

消費税増税を福祉目的税にするということではなくて、幅広く使っていく考えです。

つまり、

第1段階としては、
「4~5年は、国債を毎年60兆円ほど発行して経済成長に使う」

第2段階としては、
「日本が経済成長軌道に乗ったら、消費税を上げる」

第3段階としては、
「フランス型の社会福祉国家を本格的に目指すために、税金と社会保障負担を合わせると60%くらいまで引き上げていく。消費税は、20%くらいにする」


以上のようなロードマップになるわけです。

みなさん、こういう構想がある、ことをご存知でしたか?

竹中平蔵氏は、

「民主党は、その構想をはっきり言わないといけない。

言わないのが、問題なのです」

と述べています。

(次回へつづきます)



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