鳥巣清典の時事コラム07 「渡辺喜美『みんなの党』代表の予言」 | 絶対に受けたい授業「国家財政破綻」

鳥巣清典の時事コラム07 「渡辺喜美『みんなの党』代表の予言」

10月になりました。

この「10月」という数字が、ずっと私の頭の隅にはありました。

拙著「絶対に受けたい授業『国家財政破綻』」を読んで頂いた方はお分かりでしょう。

第2章に登場する渡辺議員が述べている、4つほどの「予言」。

「予言」の1つめが、

「今は小康状態になっていますけれど、ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン、たぶんフランスあたりにも波及すると本格的にやばい話になるんですよね」

今年の2月にインタビューしたのですが、ギリシャ危機は表面化していませんでした。

つい最近、スペインの国債も格付けを落とされました。

2月~4頃というのは、インタビューをした複数の経済学者やエコノミスト、国会議員の方々は

「中国は内需を拡大し、アメリカもV字回復をすると思いますよ」

と希望的観測を述べられていました。

今日、世界の景気動向を楽天的に語る専門家はおられないのではないでしょうか。

渡辺議員の2つめの「予言」は、次のようなものでした。

「残念ながら世界の金融不安はまだ解決しておりません。

今年の末から来年にかけて二番底が来る。

それは、アメリカからです。

(中略)

中国が上海万博をイケイケドンドンでやりますから。

これは10月まで続きますから。

常識的に言えば、10月以降なんでしょうね。

ドルぺッグが限界に達し、人民元が切り上げられたら、中国のバブルは崩壊するでしょう。

その時、日本は間違いなく二番底。

一体、どうするんでしょうねえ」

中間選挙を前にしてオバマ政権は、中国に対して強硬に

「20~40%の人民元切り上げを要求」

しています。

「実行すれば、国内の企業はバタバタと倒産して、国内不安を引き起こす」

と、温家宝首相は受け入れられない姿勢を崩しません。

上海万博は、10月31日に閉幕します。

世界の景気は、一気に冷え込むのでしょうか。

それ以上の激変を迎えるのでしょうか。

「つまりは通貨調整なんですよ。

ドル体制がおわるということなんですね」

これが、渡辺議員の3つめの「予言」です。

さらには、あってはならない事態も聞きました。

「金融経済危機というのはだいたい4段階くらいあって、

(中略)

最終段階は通貨危機になります。

これに失敗すると第4段階に入って、大量殺戮と大量破壊、つまり戦争になります。

そしてお金の世界では預金封鎖と強制預金切捨てが行なわれる。

それによって官民の債務をチャラにするというのが一番最後の決着なんですね」

尖閣諸島、北方領土問題での中露の動きは、かつての東西冷戦時代に戻りかねない兆候を感じないではありません。

世界経済の破綻は、人類の歴史を振り返っても良い結果を生むとは思えません。

というのは、危惧すぎでしょうか。

いずれにしても私としては、

「渡辺予言」

の兆候と成り行きをしばらくは観察していくことになります。

もちろん、「日本の国家財政破綻」についての「予言」も忘れてはいません。




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●用語解説≪ドルぺッグ≫
自国の為替レートを米国ドルと連動させること。
米国に対する輸出比率の高い中東の産油国、経済基盤の弱い国が多く採用する。