エコノミストの嶌峰義清氏インタビュー07 「石油枯渇は、神風」
(株)第一生命経済研究所の嶌峰義清・経済調査部主席エコノミストのインタビューの7回目です。
鳥巣 経済成長で財政再建を図っていくのは理想ですが、具体的にはどういう分野での成長が有望とお考えですか?
嶌峰 アメリカ、ヨーロッパは、しばらくは成長は難しい。
一方で中国が台頭して、いろんな物を売りつけようとしている。
頭数が多いから、どうしても物が足りなくなる。
今のうちに新しい省資源とか、新しいエネルギーを開発しようと世界は動いている。
車も電気自動車。
今はフル充電で航続距離150キロとか言っていますが、クーラーとか使うと実際には100キロちょっと。
フル充電で航続距離300~400キロを継続して走行できるような電池を作ればこれほどの成長分野はありません。
そのときに、世界規格を取るか取らないかは、ものすごく大きい。
各国が、血眼になっています。
資源のない日本は、省エネ技術の開発に取り組んできました。
欧米は表現は悪いけれど、鼻くそをほじりながら来た。
今までのところは日本が技術的には1位ですが、彼らが本気になったら追い越されるかもしれない。
鳥巣 巨万の富が見える。
21世紀のゴールドラッシュだ、と。
嶌峰 日本にとっても、神風だと思うんです。
鳥巣 神風・・ですか。
嶌峰 今の日本経済の状況が、仮に1980年代としたどうでしょう。
何をやったらいい?
何も見当たらない。
でも今なら、間違いなく石油が枯渇する時代がやって来る。
いろんなイノベーションが必要になる。
石炭、石油などにつづく、第3か第4の産業革命がやって来る。
とば口に立っているわけです。
鳥巣 技術大国・日本の力を見せるには、まさに好機到来、神風というわけですね。
嶌峰 そこに向って突き進むのが日本にとっては、いちばんリスクが小さい。
あるいは、コストが小さい。
と、僕の中では思っています。
(次回へつづきます)
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