特別天然記念物と、小学校の恩師の思い出とは | 真とりぴー通信改

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たまにイラスト、親父の日記・・中身はゆる~いよ

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      年賀状・・・


      もう
      当たり前に街中で売ってますね。


      去年のおねえちゃんの年賀状~



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      おねえちゃん(娘:中学3年)が
      えんぴつで下書きをかいたのを
      ぼくがパソコンでしあげたもんです。

      ぼくはこの他に
      実家の親父の年賀状
      家族の写真を入れた年賀状
      そして、版画の年賀状

      と計4種類の年賀状を
      毎年つくります。



      実は


      ぼくの
      この版画の年賀状を
      毎年待っていてくれた、

      小学校の恩師である
      K先生という方がおられました。

      数年前に
      年賀状の返事が来ずに、

      お亡くなりになったことを
      知ったのですが・・・


      今日はその
      K先生の思い出話のひとつです。











       いまから30数年も前の
       ぼくが5年4組だった
       ある日のこと、

       K先生は北海道旅行から
       帰ってまいりました。



       今でこそ、
       北海道は飛行機でひとっ飛び・・

       東京のオフ会に
       北海道ブロガーさんが
       気軽にやって来る・・といった

       すぐそこ!
       の、イメージがあるかもしれません。

       でも当時は、
       ジャンボジェットがやっと出てきたくらいの
       時代です。

       飛行機は身近な乗り物では
       なかったんですね。

       北海道旅行は

       海外旅行なみの
       大イベントでしたね。

       下町の育ちのぼくらには、
       北海道に行ったことあるやつなんか
       ひとりもいませんでした。



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       で、
       K先生が北海道の土産に
       クラスのみんなへと買ってきた物が
       ありました。

       それが・・・・・



       マリモ



       K先生は自慢げに
       学校にマリモを持ってきて、

       「 みんなでマリモを育てよう 」

       って言い出したんです。

       当時のぼくらは
       マリモなんて見たことも
       聞いたこともありませんでした。

       そんなぼくらには
       この得体のしれない
       緑の球体は
       未知の生命体でありました。

       そりゃ~となりのクラスの子が
       ( 先生も )
       見に来るくらいの
       大騒ぎとなりましたよ。



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       K先生はマリモを
       教室の日当たりのよい観察台の
       水そうに入れると、

       ぼくらに
       こう規則を伝えました。


        マリモは

        1.きれいな湖に生息しているものなので
        水そうの水は半分ずつこまめに取り換えること

        2.人の手の触れぬ所に生息しているものなので
        絶対に手で触ってはいけない

        3.いきもの係は毎日、成長を記録すること






       ・・・これが本当の「マリモの掟」ですね。




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       さてその日から
       5年4組による
       マリモ観察記が始まりました・・・・・・


       ・・・・・・・・・・が、

       最初は珍しくて
       貴重品のよう扱ってましたぼくらですが、

       見慣れてくると
       ただの緑の毛玉ですよ・・

       動かないし鳴かないし、
       なんの愛嬌もない

       劇的に大きく成長してるという様子もない

       それでは
       だんだんに
       マリモへの愛着は薄れていきます。

       どだい
       子どもって~のは
       飽きっぽいですし。

       そうなると
       あの3カ条のおきてなんてどこへやら・・・

       水はとっかえないし、
       K先生の目を盗んでは
       みんなでツンツン指でつついてましたよ。



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       マリモにとっては困りもんでしたね。


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       そのかいあってか、
       マリモの水そうはマリモより緑色になり、

       中に何がはいってるか
       一見わからない状態へと変貌。

       そうこうしとるうちに
       マリモが腐りだしたのか、

       ザリガニの水そうみたいな
       異臭もはなちだしました。

       これはたまらん

       かくて数週間後
       マリモはK先生によって
       流しへと
       処分されたのでありました・・・




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      あん当時は
      みんなで指でつついたのが
      いけなかったんだと思って、
      先生にはナイショにしてましたが、

      今にして思えば、

      あれ
      単にマリモが
      ほどけたんだと思います。


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      阿寒湖のマリモいうのは
      特別天然記念物です。
      (現代ではさらに絶滅危惧種です)

      そんな
      阿寒湖のマリモをおいそれと
      観光土産に売ってはあかんのです。

      では
      土産に出回っているあれは?というと、

      近くの湖で採取したマリモを
      手で丸めた物なんだそうです。

      マリモは本来は
      普通の藻と同じように
      1本1本バラけてるんですが、

      阿寒湖のはなぜか集まって
      球状になるそうですね。

      だから珍しくて
      特別天然記念物なんですよ。

      ですので
      土産用のマリモはよく
      ほどけて球体が崩れることがあるそうです。

      そんときゃ手で
      もう一度丸めればいいんですって。


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      あと
      太陽サンサン当たる窓際に置いたのも
      要因でした。

      北海道育ちのマリモは
      暑さに弱いんです。

      35度にもなれば生息できなくなるそうですよ。


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      以上配慮して
      ちゃんと育てれば
      直径30センチは育ついいますから
      すごいですね。







      K先生は
      学習指導計画の遂行能力は
      ????でしたが

      やれ運動会だ学芸会だ・・って~と、
      授業はそっちのけで
      ぼくらを集めて
      率先して準備に取り組んでいく、
      という性格でした。

      (でカリキュラムはますます遅れる・・とね)

      そんな「お祭り大好き」の指導は
      教え子のぼくへと脈々と確実に
      受け継がれたようです。

      ほんと、ありがとうございます。

      K先生へは
      楽しかった思い出と
      今も感謝の念でいっぱいです。