祖父の話 6
彼らは幸せな時間を過ごしました。
なんといっても彼の妻はとてもパワフルで新しいことにドンドンチャレンジする性格なので、ワクワクすることの連続でした。
パワフルすぎる妻をよく思わない人が出てきたときは、彼がドンと壁になり、彼女を守りました。
妻の話を時間さえあれば聞き、妻を大切にしてきました。
幼かった娘たちは大きくなり、思春期がきて照れくさく、彼に話しかけることが少なくなりました。
娘たちは相談事は何でも妻にしました。
恋愛話・友人関係・勉強・進路・将来の夢・・・なんでも。
妻は娘たちに自信を持って歩むようにと話し、新しい世界へ後押ししました。
彼はそっと陰から支え、娘たちが幸せになることを願いました。
活発な長女と少し控えめな次女。
長女は仕事先で一目惚れされ、猛アタックしてきた男性のところへ嫁いでいきました。
次女は家を継ぐことになり、見合いをし、結婚、2人の女の子が生まれました。
彼は孫の名づけには口出ししていませんでしたが、次女夫婦が孫にある名前を付けました。
全く同じ名前ではありませんが、彼の戦争で亡くなった子供と似た名前だったのです。
「○○ちゃん」と呼び、その子が「は~い」と返事するたびに、彼の亡くなった子供が戻ってきたようでした。
彼は、何度も「○○ちゃん」と呼び、とても可愛がりました。
小さい頃に亡くなったはずの我が子が、戦争の終わった幸せな世の中ですくすくと成長する姿を想像し、涙が出た日もありました。
つづく




