我が子を愛するような、いつくしみの気持ちのことを
「慈愛」というそうです。

つまり鳥さんをお世話している人のほとんどが、慈愛
の精神で向き合っていらっっしゃると思います。
でも、鳥業界を俯瞰してみると疑問がいっぱいあります。
「慈愛」と「ビジネス」は、天秤にかけるべきもので
はない思います。
実はご存知に方も多いと思います、15年以上前までは、
CAP!は鳥(生体)を販売していました。
最初は輸入業者さんから譲っていただきましたが、いろ
いろあって、自分たちで直接輸入することにしました。
輸入するのに先立ち、自分の目でどうしても見て確認し
たいので、3カ国のブリーダーさんを訪問しました。
アメリカ、フィリピンそしてシンガポールです。
おっと、日本も入れると4カ国ですね。
あとは4年に1度のオウム会議のときに見学させていた
だいたロロパーク(スペイン)の繁殖場も入れると5ヶ
国になります。
その中で当時、私が鳥を譲って欲しいと思ったブリーダ
ーさんが多かったのはアメリカです。
その反対に「これは、、!?」と思ったのは、実は日本
なのです。
15年も前のことですから、今の日本のブリーダーさん
の状況はわかりません。
当時、どこに大きな差を感じたかを一言でいうと「慈愛」
でしょうか。
私はアメリカと日本のブリーダーさんで、メジャーな施設
をそれぞれ10カ所くらい訪問しました。
そこで驚いたことは、アメリカのブリーダーさんは、一番
良い鳥舍に、障害がある鳥(五体満足ではない鳥)が、手
厚く保護されていたことです。
これらの鳥は、生まれつきもあれば、怪我や事故などの後
天性の鳥もいました。
私はなぜ、このような鳥がいるのかをブリーダーさんに尋
ねました。
「自分のところで生まれた子もいれば、レスキューした子
もいるよ」
さらに、なぜ手厚く保護しているのかと聞きました。
「ブリーディングする者の責任だよ」
と当然という顔で、答えてくれました。
(ほとんどのブリーダーさんが同じような答えをしてくれ
ました)
日本はどうでしょうか?
すべてのブリーダーさんがそうではありませんが、私は酷
い状況を実際に目撃しました。話も聞きました。
(ここでは書けません)
だから国内では、中大型インコ、オウムを譲ってもらわな
かったのです。
あれから15年たった今、日本のブリーディングはどう進
化したのでしょうか?
鳥たちに対して「慈愛」の精神で、尊い命と向き合ってい
ただいているものと信じていますが、、、、。
(おわり)