山岸涼子作 2000年出版
昭和20年代~40年代始めの北海道が舞台
白眼子という盲目の実在する男性が
モデル
主人公の白眼子は印相の本や趣味の短歌の本なども出版された方らしいです
私はこの作品を
真実がどうとかではなくて
山岸先生が形にして
美しく昇華させたかったものに
興味が湧きました
物語は戦後の混乱期
不思議な能力を持った白眼子は
戦争孤児みっちゃんをみつけて助け
後に親戚に引き取られるまで生活を共にします
みっちゃんの目を通して語られていく白眼子の人生
安心させてくれる世界が
それが私にとっては正解だけれど
なかなか世間がそれを与えてくれることはない
決して見える人
感じる人を否定しているのではない
お金に絡む懸案が多い気がしているだけ
白眼子の切ない人生を目の当たりにして
教えてもらったこと
感じたことは
幸せになるという形は人それぞれ
人生にはどこまでもバランスがあるということ
あらゆる方法を使って明確にしていくことが
何を意味するのか
今まさに抱えた不幸せを解消する為に
白眼子の元を訪れる人々
自分の人生の責任を外側から固める作業
それを生業に
命を削る白眼子とそこを頼る人々
深い悲しみの理由を
誰かの犠牲の上に探す
傲慢な心はどこにでもあるものなのだ
誰かの命の代価でも 構わない
その気持ちもわかるけれど
みっちゃんと白眼子の
出会いにひたすら感謝したい
みえない世界に限らず
どんな世界にもあるバランス
わたしたちは
悲しみを栄養分に
命を紡いでいく
だから出来るだけ美しく生きたい
耐える時間は損なことではないと
言いきりたい
実は曽祖父が易者をしていたらしく
いつも聞かされていました
村ではすごく人望もあったらしい
統計学の分野として理解はしたいですが
末裔の娘も孫も
とても苦労したことを記しておきたい
感謝を込めて