★4位 【Here, There And Everywhere】 | トリジローのTHE BEATLES全曲解説 & My Best Ranking

トリジローのTHE BEATLES全曲解説 & My Best Ranking

THE BEATLESファン歴は、約半世紀にて、また、研究し続けて、早40年の、トリジローと申します。

まだ、誰も成し得ていない、全213曲+のランキングと解説を、同時に、そして独自に掲載していきます。

これぞ、究極のTHE BEATLES解説にも挑みます。

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★4位

【Here, There And Everywhere】

<REVOLVER>1966.8/5=2:23=

 

ポールの書いたバラードの最高傑作であり、史上最高のラブソングである。

 

何たる美しい、美しい、美しいメロディなのだろう。

今でも良くこの曲を聴くけれど、先にも、後にも、こんなにも美しい曲は聴いたことがない。今の今でもだ。

 

しかも、ただ美しいだけではない、素晴らしいものがここには多く隠されている。

まず、特筆なのは、こんな美しいメロディのバラードであるにも拘らず、辛口のアレンジをしていることが何より凄い。

BEATLESのそれまでに作ってきた音楽のキャリアの考えるなら、普通ならアコースティックギターにストリングスなどを入れるような楽曲だが、そのどちらも使用していない。しかも、検討すらしている形跡がない。

驚くなかれ、聴いての通り、アコースティックギターではなくエレクトリックギターを弾いているのだ。しかも、アルペジオではなくコードストロークだけである。驚くべきアレンジの判断である。

更には、弦楽奏等を入れる訳でもなく、コーラスハーモニーだけである。

もしアコギで録音すれば、瑞々しい音で、普通に美しいものに仕上がっただろう。しかし、そうしなかった。余りにメロディが美し過ぎるために、アレンジを甘美なものにしてしまうとイージーリスニングのようになってしまいかねない。それでは一時は評価されてもいづれ飽きられてしまう。10年後20年後に聴いても聴くに足るバラードに仕上げたかった。仮にそれを理論的に判断していなくても、感覚的に分かっていたのだ。ここは辛口のアレンジが絶対に必要だと。

同じ理由で、弦楽奏も入れなかったのだ。

しかも、彼等はロックバンドである。弦楽奏が入る“Yesterday”も“Eleanor Rigby”のポールのVoは低域を強めに、敢えて淡々と歌っている。そう辛口なのだ。だから、この曲でもそれは世襲している。いや、それ以上に徹底している。だから、後世に残るような名バラードとなっているのだと思う。

 

ポール曰く、“ジョンの家のプルーサイドで書いた曲だ。ジョンが起きてくるのを待つ間に殆ど1人で書いてしまった”とある。

無理のない自然な名曲とは、こういう具合に一気に出来てしまうものだろうというエピソードでしょう。

 

さて、楽曲の方だが、ポールの主旋律以外では、何といってもコーラスワークである。

3声の美しいコーラスだが、かの“Because”や“This Boy”にも引けを取らない程のクオリティである。

Changing my life with the wave of her hand~のところで「F#m」になるところで「E」の7thのテンションの音がグッとくる。

旋律への和声付けの際の転換の妙や独自性は、この曲に非常に感じるのである。

 

上記でも書いたが、甘さ控えめで歌っているポールのVoは素晴らしい。

この、やや囁くようなVoは、マリアンヌ・フェイスフルから影響を受けたとポールは語っている。

(曲の影響は、ザ・ビーチ・ボーイズによる “God Only Knows”とポールは言っているが類似性はほとんどない)

ポールのダブルトラックでユニゾンで歌っている。

 

演奏の方は、ギターは3本。ジョンのコードカッティング。ジョージのオブリガード的に入るフレーズ。あとは、エンディングの下降するフレーズ。

リンゴのタムとバスドラの抑えたプレイがとても良い。

そして、最後に出てくる全員で鳴らすフィンガースナップが曲のラストの雰囲気を作っていて大好きなのである。2拍4拍で入るのだが、何故か最初だけ4拍目に音がないのが昔から不思議です(^^;。

 

そして、何といってもコード進行です。

この曲の旋律とハーモニーの豊かさは、とても技術的で、とてもデリケートな表情を持った調性の変化によるところが大きいと思うのです。

この曲における転調は、ヴァ―ス途中の一時転調とサビの本格転調に共通した「短3度」がポイントになっています。すなわち、「短3度下のEキー」と「短3度上のB♭キー」で、後々、ポップスの世界で多用されていく「短3度転調」です。

そもそも、この曲の主旋律のメロディ構成は、ヴァースとサビと一応は書いたけれど、実はがどちらか分からない不思議さがあり(サビがないという判断も出来る)、冒頭のオープニング部を別としたら、不思議な曲でもあります。

詳しく書くと膨大な文章になるので省略しますが、取りあえずのヴァース部は「一時転調」があります。そして、サビ部は普通に「G」から「Bb」への短3度上の転調になります。

その中にも巧みなコード構成がいくつもあり、「技の宝石箱」とでもいうようなもので、ポール・マッカートニーという人の「凄さ」をまざまざと見せつけられます。

そのパイオニア的存在であるポールのこの転調の使い方は、実に巧みにそのキー内の構成コードを自在に扱うテクニカルなものと言えるのです。

ポールの音楽作品の分析をするということは、良質な推理小説やパズルを解いていくような、一生付き詰めたい奥深さがあって凄いのです。

 

歌詞の内容は、タイトルどおり「愛する人を “ここでも、そこでも、どこでも" 必要とする」というもので、ポールが生んだ究極のラヴバラードの1つと言えます。

観念的で奥深い歌詞は、この頃から現れ始める東洋思想の影響も感じさせます。

ちなみに、この曲は発表されてから半世紀以上経った今でも、アメリカの結婚式で流されることが多いようです。それほど普遍的で永遠の愛を歌っているからでしょう。

 

ジョンも、この曲はお気に入りで、亡くなる前の1980年のインタビューでも“これは彼の傑作だね。BEATLESの中でも特に気に入っている曲の1つだよ”とまで言っている。

それもそのはず、ジョンは晩年の1980年に発表した名曲“Woman”は、この曲が下敷きになっているのだ。コード進行も似ているのです。

 

永遠に歌い継がれて欲しい曲…。

 

 

 

 

 

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