「父」です。

去年5月に取り組み始めた仕事が一段落しました。
あとは印刷が終了次第、納品すれば完了です。
半年以上もかかった仕事ですが、ほとんど赤字状態です。

見積依頼が来た時には1か月未満で終了するはずの仕事でした。
12月に原稿が入稿され、校正を2回ほど行って校了という予定だったんです。
ですがその日程では絶対に間に合わないことが分かっていたので、無理言って前倒ししてもらいました。
結果、ものすごい量の校正を行うことになりましたが。

妻には工数と料金が割に合わないと言われますが、この仕事はどうしてもしたかった仕事なんです。
今回の成果物は少なくとも50年は形に残る仕事です。
だからこそやってみたかったんです。

誰もが『良い物』を作りたいと思っているはずです。
ですが、形に残る良い物を作れる仕事でも、儲からないのなら、そんな仕事を引き受ける人はいないと思います。
それが本来の仕事というものでしょうから。
今回の仕事は、私がせずとも誰かが請け負っていたはずです。
工数に見合った金額内でです。
それがもったいないと感じてしまうんです。
だから格安で引き受けました。

本来なら時間と予算をふんだんに使ってするべき仕事です。
それだけ重要な出版物だったのですから。
私は今回のクライアントの懐事情もある程度は分かっています。
だからある程度の費用をかけることができたことも分かっています。
でも、それをしないんですよね。
かける所にはかけていいんだと認識を改めてくれるといいんですが。
今度クライアントに会う時にそれとなく言ってみようかな?

「良い物にはそれに見合ったお金をかけなきゃいけない」って。