「父」です。

今回、ちょっと長いです。

ある日、とある組織が発行したチラシを見て違和感を感じました。
チラシには6枚ほどの写真が使われていましたが、どれも画質が荒いのです。
そのうちの一枚を見ると、画像に透かしが入っています。
写真やイラストに表示される透かしはウォーターマークとも呼ばれ、その写真が権利者の許しなく使われるのを防ぐものです。
そんな透かしが入っているということは、正規の手順で手に入れた画像ではないということです。
その画像を配布しているサイトは、無料のユーザー登録をすれば自由に使うことができるところでした。
手間を惜しんだのでしょうか?

疑問は他の写真を見て解決しました。
私はとある方法でその写真たちをどこから手に入れたか見つけることができたのです。
それはググること。
googleで「フリー素材」に続き、探している商品を書いて検索するのです。
するとチラシに使われていたものと同じ写真を見つけられました。

しかし、「フリー素材」と検索して出てきた画像のほとんどはフリー素材ではありません。
前述のように会員登録したり、簡単な質問に答えるなどして手に入れなくてはいけないのです。
意外とそのことを知らない人が多いです。


以前、どこかの小学校の校長先生が、フリー素材で検索して出てきた画像を学校からのお便りに使ったところ、画像の著作権者から訴えられ、15万円もの罰金を支払うことになったという事案がありました。
著作権法の35条で、学校の教員と児童生徒は「授業の過程」で著作物を無許諾・無償で複製することなどを認められています。
先の事例の校長先生のお便りは「授業の過程」ではないと判断されたのでしょう。
ですが、有料で販売されている画像を学校なら勝手に使えてしまうのもおかしなことだと感じます。

学校の授業で調べ物をして画像を使う必要が出てきた場合、先生は「googleで調べて出てきた画像を使って」と言います。
これまでも何度か書いていますが、学校の中では合法でも、社会的には違法なのです。
その辺を授業でも教えてほしいと思います。
我が家ではその辺のことは、家庭でも子どもたちに伝えています。

私が違和感を持ったチラシも、ほとんどの画像は違法に手に入れたものでした。
個人が作ったチラシなら良いというものではありませんが、公共の組織なら著作権にも注意を払ってもらいたいものです。

今回私が言いたいのは、googleで「フリー素材」と検索して出てきた画像の多くは「フリー」ではないということです。
検索された結果から、その画像を配布しているサイトに飛び、利用規約をよく確認してダウンロードするべきです。
利用できる枚数に制限があったり、配布サイト名を記載する必要があったり、商用利用が認められていないなどの規約があります。

それぞれの画像の先には、その画像の制作者がいるのです。
私も制作者の一人です。
だからこそ「著作権」について、もう少し考えてほしいのです。