櫻井です。
3月4日から10日にかけて行われた、chon-muopの鳥取での企画について振り返っていこうという記事です。
第四弾は、3月5日~9日のワークショップと発表会『わたしとわたし/次のページにつづく』のこと。そのうち、ワークショップのこと。その2。
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鳥取で一番したかった「ワークショップ」。
ですが、プログラムの組み方は、やはり難航しました。
できるだけハードルを下げて初めての人にも参加してもらうためには、長時間の実施は難しい。
しかし、短い時間では、やりたい事が充分にできない。
実施予定時間は、2時間半。丁寧に進行すれば、あっという間に終わってしまう持ち時間です。
また、場所の問題もありました。
普段、演劇のワークショップは「靴を脱げるような」場所ですることが多いです。身体全体を使ってコミュニケーションを深めていくには、床に直接座れたり、寝転がったりできるような場所が適しているからです。
今回は、Yのカフェ部分の限られたスペースで行う為、動き回るようなことは難しい。
必然的に、「書くこと」や「話すこと」を中心としたプログラムになりました。
「自分のなかの別の自分」や「自分のなかの別の自分を見つけた他人」(ややこしいですが)と出会うために、どういうメニューがいいのか。
以下、実施した内容を列挙します。
1.「8つの形容詞から、1つの名詞を導く」
2.「わたしは誰でしょう」
3.「オノマトペ当て」
4.「ウソ自己紹介」
5.「ウソ履歴書」
6.「履歴書調査とエチュード(即興芝居)」
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1.「8つの形容詞から、1つの名詞を導く」
心理テストのようなもの。
思いついた順に形容詞(または形容動詞)を8つ書いていき、今度は形容詞二つの連想から名詞を書く。
名詞と名詞からさらに連想する名詞を書き、絞り込んでいくと、最後に一つの名詞が導かれます。
できるだけ考え込まず、支離滅裂でもいいから直感で書き出していくのがポイント。
その人独自の語彙はもちろん、物事の考え方や感じ方、いま考えていることや感じていることが反映されるアクティビティです。
2.「わたしは誰でしょう」
先ほど導かれた一つの名詞を「自分に見立てて」、一人ずつ当てっこします。
その人を象徴している名詞が何なのかを参加者のみんなで自由に質問をし、当てるわけです。
例えばわたしの名詞が「マグカップ」だったとしたら。
「あなたは生きているものですか?」
「いいえ」
「あなたは固いですか?柔らかいですか?」
「固いです」
「あなたは大きい?小さい?」
「うーん、小さいかな」
「どれくらい」
「これくらい(手のひらで示す)」
といった具合。
ゲーム性を使って簡単なコミュニケーションを自然と取ることができ、その人の独自性も垣間見ることができます。
3.「オノマトペ当て」
オノマトペとは擬音・擬態語。
一人につき一つ、「ゆらゆら」みたいなオノマトペが書かれたカードをランダムに配り、
それを声を使わずに身体で表現してもらい、みんなで当てっこします。
表現するための想像力をさらに拡張していくためのアクティビティ。
4.「ウソ自己紹介」
ここでようやく自己紹介。ただし、嘘の。
普段通りの自己紹介を話してほしいのですが、90パーセントは嘘の内容を話してもらいます。10パーセントは本当のこと。パーセンテージがわかりにくければ、「ひとつだけ本当のことを混ぜる」でも構いません。2分間話します。
嘘の自己紹介といえど、元々その人の中にあったものしか出てきません。
望んでいるような自分像、最近気になっている事柄、どういう自分としてこの場に存在していたいか、そんなような事が反映されます。
5.「ウソ履歴書」
いま話したこと、そこから広がる「ちょっと違う自分像」を、項目ごとに紙に定着させます。
改めて紙に書き起こすことで、より客観的にもなり、より主体的な責任感が生じます。
6.「履歴書調査とエチュード(即興芝居)」
ここまでで、「役」が揃いました。
参加者それぞれが、いつもの自分とはちょっとだけ違う、ちょっとだけ新しい自分を身にまとっています。
その人その人の「ちょっとだけ新しい自分」に、わたしから、参加者の方々から、質問をしていきます。
それを会話に発展させてもらうこともあれば、演劇的に飛躍させて、わたしからある状況設定を加え、複数の人たちでその状況の中で自由に振る舞ってもらったり。
このワークショップの肝であり、このアクティビティがどう発展するか、結実するか、盛り上がるかは、結局のところ、その時になってみないとわかりません。
ファシリテーションの腕にかかっているところでもあり、どうなるかわからない面白さを孕んでいます。
いかに「演劇的」なハードルを越えてもらうか。つまり、あからさまな虚構性は「嘘臭さ」となって、表現することへの抵抗感を増してしまいます。
演じることの恥ずかしさ、自分を露呈することの恥ずかしさを、ある意味どう懐柔していくか。
ワークショップ開始直前まで、この「最終的な落としどころ」については、みずゑさん、橙さんと議論になりました。