東京都青少年育成条例改正案について | 私の耳は底ぢから

東京都青少年育成条例改正案について

昨年5月のレイプレイ事件に始まる児童ポルノ法改悪騒動は、自公政権の下野という形で一度は幕を閉じました。
しかし、規制派は諦めてはいなかった。昨年末には東京都議会で青少年育成条例の改正案が提出されました。規制派は表現の自由を阻害するものではないと説明していますが、有害指定を受ければ流通は困難になり、事実上の発禁処分を受けることは想像に難くないのです。なぜなら、多くの出版社や流通業者は東京に本社を構えており、有害指定を受ければ当然今までと異なる販売経路を確保しなければならなくなり、それを東京におろす分だけ別にすることは手間がかかるので、結局全国にその影響が出るからです。

都の職員はあくまで表現規制ではない、と突っぱねるかもしれません。しかし、仮に小売店に年齢認証の強化を指導するとしても新しく「18歳未満は入っちゃダメ」のブースを作ったりシュリンクをしたりといった手間がかかるので小売店は販売を萎縮するでしょう。実際問題、昨年のエロゲ業界の「自主規制」問題が出たとたんに秋葉原の同人ショップではエロゲコーナーの規模を縮小しました。これが都条例で規制されればどうなるか。その分の収益の減少を都が保証してくれるわけではありません。

もし通れば凌辱エロゲはもとより一般の漫画、アニメ、ゲームにも影響が出ることになります。漫画にまで規制が及べば体力の無い小さな小売店から次々につぶれていき、出版社がそれに継いでつぶれます。ですから、以下のサイトを参考に都議会に意見を送ることをおすすめいたします。なにしろ冷静に対処しなければなりません。web上の署名などをしている余裕は無いので、行動を起こすなら都議会議員への手紙が有効だと思います。

エロゲ販売規制問題まとめwiki
http://www28.atwiki.jp/erogekisei/

それから、この手の青少年育成条例は、かつて田中康夫氏のいらした長野県をのぞく全国で制定されているので、東京都が通れば全国でも似たような改正が行われる恐れがあります。特に神奈川埼玉千葉は、知事が全員規制派なので(埼玉の上田知事は多少ましだがそれでも不安)これらの地域にお住まいの方は自治体で変な条例が制定されないかどうか注意することが大事だと思います。
青少年の健全な育成を図るという本来の保護法益を外れたとんちんかんな規制案を通してはなりません。

歴史をひもといても、ナチス政権下のドイツや戦前の日本で真っ先に検閲されたのがエログロなのです。規制に反対する人が少ないから。そして共産系の思想などが次第に取り締まりを受けたわけで、いかなる表現であっても(個人や特定の民族の名誉を激しく毀損したり差別したりするといった特殊な場合を除いてには十分な議論が必要だが)表現の自由は守られなければなりません。