篠原健太『SKET DANCE』 | 私の耳は底ぢから

篠原健太『SKET DANCE』

SKET DANCE 1 (1) (ジャンプコミックス)/篠原 健太
¥410
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解説:1巻にして、スケット団メインキャラ三人と、頻繁に登場する準レギュラーキャラがほぼ出そろっており、しかもそれぞれのキャラづけが完璧になされている。非常に構成がうまい。

SKET DANCE 2 (2) (ジャンプコミックス)/篠原 健太
¥410
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解説:放送部の水無月志保系美少女・八木ちゃんが初登場する巻。

SKET DANCE 3 (3) (ジャンプコミックス)/篠原 健太
¥410
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解説:生徒会の香貫花クランシー系美少女・デージーが初登場する巻。

SKET DANCE 4 (4) (ジャンプコミックス)/篠原 健太
¥410
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解説:生徒会とスケット団の全面抗争。山岡・荒岩・味吉・味沢・塩見の審査員五重奏が全て。

SKET DANCE 5 (5) (ジャンプコミックス)/篠原 健太
¥420
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解説:八木ちゃんとデージーの水着姿が全て。あとヒメコとモモカのロリ化。


 「スケット団」なるボランティア部に所属するボッスン・ヒメコ・スイッチの三人が、人助けをしたり厄介事に巻き込まれたりする話。一話完結型の「部活動馴れ合い系学園コメディ」であり、ジャンプでいえば『明稜帝梧桐勢十郎』『ボンボン坂高校演劇部』の流れをくむ作品だと思う。一つ一つのエピソードの完成度が高く、泡坂妻夫の小説を読んでいるような名人芸を味わうことができる。

 しかし、失礼な言い方になるが、完成度が高いということは、先がないということでもある。この作者は新人だそうだが、新人であれば、大いに矛盾や破綻があっても、今までにない新しさや面白さを打ち出していくのがつとめであると思う。小さくまとまってほしくない。逆にいえば、何か一つでもそうした新しい面を打ち出せれば、この作品はこち亀クラスの傑作になると思う。

 5巻のライナーノーツを読むと、「スイッチ・オフ」の仕掛けをかなり早い段階で用意していたそうで、実際面白く読めたのだが、そういった作者の意図の色濃い作品だけでなくて、締め切りに追われて悩んで悩んでやっと打ち出したような話が読みたい。

 私は八木ちゃんとデージーがかわいいのと、山野辺先生のクソゲーの話が面白いので読んでいるが、それすらところどころに既視感が出てくる。ぜひ何か新しい面を見せてほしい。


以上。