大場つぐみ・小畑健 『バクマン。』 10ページ「不安と期待」 | 私の耳は底ぢから

大場つぐみ・小畑健 『バクマン。』 10ページ「不安と期待」

週刊少年ジャンプ2008年47号(41巻43号)

10ページ「不安と期待」


 今週は岩瀬さんが再登場しました。それも、ある程度物語に関わってくると見えます。喜ばしいことです。これで岩瀬さんもメインヒロインへの賞レースのスタートラインに立ったわけです。しかし、「ディフェンスに定評のある池上」「あのバランスのいい山本選手」のようのように、「クラス一勉強のできる女の岩瀬」として咬ませ犬にされないとも限りません。そんなことのないよう、これからも存分に魅力を発揮してほしいと思います。


背景ネタ、細かい意見。


・学業をおろそかにするのはいただけない。何しろ二人は中学生だ。この調子だと、最悪服部さんの監督責任問題が問われるのではないか。それから、服部さんは前回よりのっぺりした顔になっていると思った。


・「一億分の」のアイデアが『1984年』に似ている。秋人はSFファンか。すると「うさぎとカメラ」は『動物農場』か。


・成績の落ちた秋人。3位に落ちた程度で周りにありえないと言われているということは、入学した時から圧倒的にトップだったということでしょう。今回判明した岩瀬さんの下の名前は愛子ちゃん。岩瀬→ドラゴンズ→名古屋→アイコ十六歳という発想からの命名ではないでしょうか。


・335ページの5コマ目の岩瀬さんがすごくいい。目もとの表現に知性を感じますね。


・石沢……それはひょっとしてギャグで言ってるのか? 石沢も秋人も非常に馬鹿ですね。


・受験の大切な時期とはいえ、友人が新人賞の最終選考に残ったら賞賛してやってもよさそうなもんだが、みんな冷ややかな雰囲気だな。割と進学校なのかな。


・345ページの最高の反応がコントみたいで面白い。


・見吉さんはともかく、これまで秋人たちと接点のなかった岩瀬さんが、なぜ秋人の家にいるのでしょう。接点がないとはいえ、今週の描写をみると、岩瀬さんが前々から明人を意識していたのは確実なようです。どのような動機づけがあるのでしょうか。ありそうなパターンをいくつか考えてみました。


理由


A秋人をライバル視しているから。

B秋人に惚れてるから。

C純粋に漫画に興味があるから。

D石沢君の彼女だから。

E学級委員なのでプリントを届けにきた(そのほか事務的な理由)。

F秋人がリアルシャドーの末に具現化した幻影(そのほか理不尽な理由)。


今後の行動


a秋人を叱る。

b秋人を励ます。

c少年誌では描けないことをやる。

dとくに何もしない。


 岩瀬さんは成績の面で秋人を意識しているでしょうから、「漫画なんかにうつつを抜かすなんて」ということでA-aの可能性が高いと思います。そして、B-bの見吉さんと険悪な雰囲気になる。それから最高や秋人の情熱を見て、考えを改めるようになる、というのが普通の展開だと思いますが、まだ岩瀬さんは一言もしゃべっていないので、実は漫画が大好きだとか、帰国子女とか地方出身者なのでしゃべり方に特徴があるとか、林家三平師匠のアコーディオンの先生みたいに一切笑わないとか、一切しゃべらないとか、人格の面でサプライズがあるかもしれないのです。それを楽しみにしたいと思います。とりあえず岩瀬さんの単独水着写真集が発売されるまではレビューしようと思います。


・釣鐘型。


最近のジャンプ感想。


・「こち亀」……リアルシムシティーという表現は面白かった。近代都市だけじゃなく、ダマスカスやサマルカンドのような古都にも足を運んでほしい。


・「アスクレピオス」……ローラ先生はよい。


・「スケット」……バラ珍。


・「バリハケン」……主人公の家ではブルーレイディスクのアニメをブラウン管のテレビで見るのか?


・「ジャガー」……笑った。


以上。