高橋源一郎 『一億三千万人のための小説教室』 | 私の耳は底ぢから

高橋源一郎 『一億三千万人のための小説教室』

高橋 源一郎
一億三千万人のための小説教室

お勧め度:★★★★★


岩波新書から出ている小説創作の指南本。


小説を書くためのテクニック的なことは一切書かれてお

らず、一冊かけて小説を書くための心構えとか、世界の

見方、を教授している。小説は誰かに言われて書くもの

ではなく、内省によって初めて得られるもの、とでもいう

つもりだろうか。

実際の書き手によって書かれているので、読みやすい。

もちろん、高橋源一郎の書くもののことだから、内容は

馬鹿爆発である。


トピックスを抜粋。


①なにもはじまっていないこと、小説がまだ書かれていないことをじっくり楽しもう

②小説の、最初の一行は、できるだけ我慢して、遅くはじめなければならない

③待っている間、小説とは、ぜんぜん関係ないことを、考えてみよう

小説を書く前に、クジラに足が何本あるか調べてみよう


小説とは形の無いものなんだ、何を書いてもいい

んだ、という立場から書かれた書籍としては、最良

のものだろう。