3月5日のミソサザイ | 東国山人の鳥日記

東国山人の鳥日記

山人とは世捨て人のこと。世捨て老夫婦が集めた鳥たちの行動記録で、週2回程度更新します。基本スタンスは
(1)日常の中から一瞬の非日常を見つけ、シャッターを押す。
(2)ある時は科学的に、またある時は非科学的に、それでいて尤もらしく、即ちファンタジー風に。

今日は啓蟄。鳥も人も春の息吹に誘われて体内の虫が騒ぎ出す。林道を登っていくと、ミソサザイが出て来て客引きよろしく頻りに鳴く。この老夫婦をよほどの上客と見たに違いない、先導されるままに付いて行くと、茂みに入ったところで・・

突如、ここだよと言ったかと思うと・・

その場で飛んだり跳ねたり。そこに完成したばかりの巣があるようだ。ミソサザイは11㎝の小躯ながら一夫多妻。繁殖期になると雄が巣を作って雌を誘い込む。そんな巣を何か所か作るのだそうだ。

恐らくは巣が完成して初めてのさえずりと羽ばたき。求愛ディスプレーだ。おいおい、誰に向かって求愛してる?雌が近くにいるのかと思って見回してみたが、それはなかった。

チリりりりのさえずりは50m先にも届くほどの大音響で鳴り渡る。熊の耳に飛び込んで相手を倒すほど、ミソサザイの鳴き声は威力があるそうだから、少々離れていても雌に届くはずだ。

2、3日後にはどんな伴侶に巡り合えたのだろうか。

雄「な~んだ、若いツバメを掴み損ねて、またこの老いぼれのところに戻って来たのかい」

撮影場所  神奈川県(2021年3 月)  撮影  S・植木