この日はサンコウチョウにとって棟上げ、合体、人間とは順番が逆だが床入りと真に慌ただしい1日だった。コロナの外出自粛が解かれて早々その場面に立ち会えたのは、50日間ひたすら家籠りしたご利益としか言いようがない。
巣は川を挟んで40m先、高さ20mのところにあって完成間近、今日も朝から雄雌代わる代わる巣材を貼り付たりと最後の仕上げに取り組んでいた。
昼下がりの出来事。逢引きの場所を予め示し合わせていたかのように、2人殆ど同時に小枝にやって来た。
繁殖行動では雌がもう少しアクティブに振舞うものと思っていたが、違っていた。雌は至ってお淑やかで最初から同じ場所でじっとしている。この間、雄だけがまめに働く。これが典型的な種の保存の行動様式か、でも、この点は他の事例も研究してみないと何とも言えない。
その後2人で仲良く巣床入り。将来の生活設計を話し合っているように見えた。
隣の上品そうなおばさんがしきりに「産卵まで何回も合体を繰り返すのよ」と興奮して叫んでいた。最後に発した次の言葉が人々を笑わせた。「あ!シャッターを押すのを忘れてた」私も窓ガラス越しに覗いて見ただけで、何が起こったのやらよく分からなかったので、明日にでももう1度参拝に行かなくてはなるまい。
撮影場所 東京都・八王子城跡(2020年5月) 撮影 S・植木











