サイドとセンターパネルを外して、AVAAだけで、音場を追ってみた。

フロントのAVAAを内振りにすると、後方展開が安定するが、定位が左に寄ってしまう。

この部屋は無対策だと定位が左に寄る。

AVAAを内振りにすると、壁由来の共振を吸音する範囲が狭くなるので、その影響で定位が寄るのではないだろうか。

リアのAVAAは角度を振ってみても、後方展開の影響は少ないようだ。

 

定位が左に寄るのであれば、左側の吸音力を下げることにする。

フロント左の吸音力を-3㏈右を右を0㏈とする。

フォーカスが甘いが、センター定位と後方展開のバランスが取れてきた。

リアの左の吸音力を−1.5デシベル。右を0㏈とする。

さらに改善された。

AVAAの吸音力の調整ステップが荒いので細かく調整できないのがつらいところだが、単純にスピーカー後方の距離を空けても、後方展開が弱いのは、我が家の左右の壁面がばらついているからで間違いないようだ。

糞部屋は困りますね。

 

と、いろいろやっていたのだが、困ったことに、リスニングポイントでの位相的違和感が復活してしまったのだ。

AVAAの現行の角度でうまく壁の共振を吸っていたのですね。

そこで、AVAAの角度と吸音力をもとに戻した。

しょうがないので、毎度おなじみのパネルの調整となる。

サイドパネルを思い切りバッフル面より奥に押し込めば音場が奥へ下がることはわかっている。

しかし、パネルも吸音するので、このことも考えないとまずい。

過去の事例で今のポイントよりパネルを押し込むと壁共振由来の響きが出ることはわかっている。

センターパネルも位置と開度で同じような症状が出る。

単純にセンター定位をセンターにアンカーさせたいのであればセンターパネルの開度を思い切り狭くすればよい。その代わり拡がりが無くなるし、壁共振とのバランスで壁共振由来の響きが出ることもある。

また、センター定位を奥に引きたいのならセンターパネルを思い切り壁寄りにするのもよい。ただし、左右間で音が流れるような録音の場合、左右はバッフル面から音が出るのに、センターだけが、センターパネルまで一度音が引っ込んでから左右を流れるというおかしなことになるので、そこを踏まえて壁とセンターパネルの距離を考えることも必要だ。

これは、さすがに詰んでしまった。

 

結局、AVAAの角度で音場が前後に動くこと。サーロジックのパネル、センターとサイドの関係性でこちらも音場が前後に動くこと。この二つのつじつまを合わせながら、壁共振起因の違和感も抑え込むこと。これらをきちんと詰めないとダメなのですね。

そうなると、スピーカーセッティングからやり直すことが必要でしょう。

早速スピーカーセッティングを見直した。5㎝程奥へ動かし、幅方向も5㎝程狭くした。内振り角度も少し内振りにした。

ちょっと細いが、Trinnovなしでも行けそうな感じで、バランスがよさそう。

サイドパネルとセンターパネルの相関性を確保できるエリアの中に、スピーカーを押し込んだ感じだ。

 

ニアフィールドでスピーカーだけ前に出すものの、コーナーパネルやセンターパネルの位置をそのままにして、サイドパネルだけをスピーカー側に移動させるから、サイドパネルとセンターパネルの間のバランスが崩れて、後部空間を思い切り空けたにもかかわらず、後方展開が安定しないのでしょう。

各パネルが響きを引っ張り合うので、特定のパネルに響きがひきつけられ過ぎない範囲にスピーカーを押し込む必要があるという。しかしながら低域方向のレゾナンスが安定するポイントにスピーカーを置かねばならないというジレンマ。

 

複数のルームトリートメント機材を併用すると喧嘩するという事が分かった。とはいえ、効果が増す部分もあるので、この辺りの使いこなしも奥が深い。