さて、週末なので、きちんとスタンドに載せて聞いてみる。

スピーカーの位置は既設のまま。

うーん、ちょっとソフトアンドメロー。

ニアフィールド用なので、距離が遠すぎるのですね。

そこできちんとニアフィールドセッティングをする。

フォーカスもあっている。非常にウェルバランス。あまり欧米の音決めのセンスが良いとか昔からの話を蒸し返したくないのだが、TADと比較して大した物量も入っていないのに、このバランス。

絶対的な解像度とレンジではこのスピーカーはME1TXの敵ではない。

但し、M1000のバイアンプで2台にME1TXの価格の三分の一でこれだけの音が叩き出せるセンスは凄い。

TADは手術室のライトのように影を作らないことで徹底的に解像を上げていく感じがあるが、こちらは普通のライティングなので影もあるし、はっきり見えないが、音色は良いし、でも定位とか音色の変化は確実につかむことができるという。

基本的なトーンは私たちがヨーロッパをイメージする、スムースアンドスマート、そして肌触りのよさ。ちょっとソフトだけど見えるものがきちんと見えるという。ニアフィールドで長時間作業をしても疲れないことと解像度の間でバランスをとっている感じもある。

 

ニアフィールドモニターに特化したターゲットを絞ったつくりもこのコスパの良さにつながっていると思う。業務用なのでターゲットに合わせた作りができるのでしょう。

ただ、指向性は鋭いので、セッティングはきちんと行う必要がある。中高域の表情がだいぶ変わる。きちんと合わせれば解像感も出てくる。ただ、陰影は忘れない。

TrinnovはかけていないがAVAAはかけた状態で試聴している。その方が低域の沈み込みは良い。我が家ではこの口径の小さなウーファーでも膨らんだ感じがある。AVAAで消える。

ちょっと能率は低め。入力感度の調整は必要かな。

 

かつてユーザーだったからわかるが、古のBBC系モニターを使っている人はたくさんいる。でも、さすがにインチキリマスターではない本当の新録のハイレゾソフトにはこれらのスピーカーは全く対応できない。

でも、キャラクターが好きでこの手のスピーカーを使い続けているのでしょう。

いくらヨーロッパといってもB&Wではキャラクターが鋭すぎるし、他にもそういうブランドがある。

だから使えないと困っている人はこのスピーカーを聴いてほしい。ここの代理店は貸し出し試聴ができる。

これらのスピーカーのバランスのイメージを持ちながらきちんと最新録音にも対応する。時代は異なるが、こちらもモニターですよね。

STUDERのコンソールは向こうでは放送ニーズの採用が多いようなので、ペアとして作られたこのスピーカーの直接的な先祖にあたる機種もその手のニーズをターゲットにしたのかもしれないですね。

https://www.studerundrevox.de/studer/lautsprecher/studer-a1-a5/

 

 

 
物価高過ぎのスイスなのにこのコスパの高さは恐怖です。