「社員教育にお金をかけても辞められたら元も子もない」そんな声をよく聞きます。確かに折角多額の費用と時間をかけながら簡単にやめられてしまったらお金をどぶに捨てるようなものです。


かつて私もそう思っていました。しかしそれだから社員教育をやらなくていいか…。今ではそんな事を思いません。学ぶ機会を積み重ねていく事で、社員個人だけでなく「集団」として社員が育っていくからです。


「社員が学んできたことを会議で発表させる」「実際にワークショップを行わせる」そんな事をすることで学びの共有化ができます。確かに直接学んだ人と学びの濃さは格段に違うものの、何も知らない状態から一歩前進しています。


実は社員を研修に出させる以上に、研修に行く社員は受講が嫌なものだと思います。勉強なんて学校で終わりと大半の社員は思っています。そんな嫌なことをあえてさせるのも社員にとっては学びになると思います。


時間から時間へ定期的に働いていればプレッシャーもなく、一見社員にとっては楽なようですが、どんなに楽に見えても必ず不満が出ます。むしろ社員への刺激があるほうが、会社全体の活性化になると思っています。


研修に参加してすぐに効果が出るものではないですし、ハウツーもののような研修は総論が多く意外に使えません。むしろ地味ですが、メンタルな研修の繰り返しの方が、会社の目指す方向にあっていくのではないか思っています。


学んだことを実際に社内で運用していく事で社内の空気が変わってきます。それが残せるだけでも大きな効果ではないでしょうか。少なくとも私はそう思って出させる機会をつくっています。