トリです。
前回好評の半分妄想劇場が、今夜も幕を開けます。まずはこちらからどうぞ。
好評だと思ってるのはトリだけのパターン
こちらは、前回の途中から進む、
アナザーストーリー
ふー、、
今日は何にも進まなかったな。
これとあれを終わらせたかったのに。
時間足んないなぁ。。
最近、思うようにいかない日々。
少し苛立っている。一人で背負うには、業務量が多いのだろう。
ノートパソコンを閉じた上に突っ伏して、視線を落とした。
誰もいない、夜のオフィス。
いつの間にか、眠ってしまったみたい。
ハッと気づいて起きても、眠る前と変わらない華の無いデスク。
整理整頓、無駄な物は置かないと決めている。仕事で成果を出したい。
上司に認められたくて、ここまで走ってきた。同期は皆、結婚退職。または育休中。
私には未だ縁の無い世界。
気持ちが荒むのを感じて、オフィスを出る。
廊下の自販機でロイヤルミルクティを買った。少しナッツの香りがする甘いやつ。
右手に持って、屋上に向かう。
私のヒールの音しか響かない。
明かりの消えた構内は、静寂と闇を称える。
少し息が切れた頃、辿り着いた。
本当は入っちゃいけないんだけど、守衛のおじさんが以前こっそり教えてくれたドアから出ると、夜景が見える。
上着を持ってくれば良かった。。
いくらミルクティを持っていても寒い。
それでも、この気持ちを抱えてあのデスクに
もう一度戻るのは嫌だった。
「私、一人なんだなー。」
瞬く無数の星をみていたら、ふいに言葉がこぼれた。
星がぐにゃりと輪郭を歪めて滲む。
上を向いて、滴がこぼれないようにした。
「こんないい所があったんだ☆」
声で分かった。
同期のホソク。
私は泣いているから振り返ることができない。
「ダメだよ、秘密の場所なのに。」
感情が揺れて震える声を、寒さのせいにした。
「一人で上に向かうのを見て、心配で追いかけたんだ。ごめん。」
「辛いなら、痛みを分けあえないかなと思ってさ。」
ホソクはいつだって優しい。
皆に優しくて世話焼きで、私の事もよく見ている。正確には、私の弱さをよく見抜いている。
私が辛い時、必ずホソクは現れる。
大丈夫だって、ミルクティを渡して笑う。
まるでスーパーマンみたいに。
でも私も、仕事の顔を守ってきたから、いつも強がっていた。
平気じゃない時も、努めて冷静に。
今なら、言えるかも知れない。。
辛かった気持ちを正直に吐き出した。
寒さでミルクティを持っていない左手が痛い。吸い込む空気が肺を切り裂く。
「ねぇ、星ってさ。
あんなに無数にあるのに、
本当はあの星と、すぐ隣の星は何億光年も離れてるんだって。」
「だから、俺達同期が出会えたことは奇跡みたいなものなんだよ。仲間が悲しんでいたら、
俺は一番に助けたい。」
うん、ホソク、、ありがとう。
もう涙が落ちるのを我慢せず、私は心からの
御礼を伝えた。
ホソクのおかげで今の私がいる。
想いが実らなくても、このまま仲間でいたい。
「ハハハ、なんてね、
偉そうに話してるけど俺、本当は暗いんだ。
家では何も話さない。
自分に自信が持てないから、人に優しくするのかも知れない。」
「お前は、、
そういうとこ見せても変わらず側にいてくれる気がする。
お前のおかげで、今の俺があるよ。ありがとう。」
ホソクの息が白い。
同じように、私を思っていてくれたの?
寒さと嬉しいのと、驚きで私は目を見開き、
まっすぐに彼を見た。
「この夜景が最初の秘密。
これから2人だけの秘密を増やしたいけど
いいかな。」
寒さじゃなくて、震える声で話すホソク。
私は微笑んで頷いた。
ホソクが包んでくれたコートの中で、
私は彼の温もりと、激しい鼓動を感じた。
私たちだけの、新しい秘密。
~ END ~
ひぃぃぃぃ!!
ホソクがイケメン過ぎて、凍死寸前!!
私も、秘密が欲しいぃ~!!
あなたにホソクは舞い降りません。
次回、第3段でお会いしましょう。
あるのか?? 書けるのか?! 神のみぞ知る!!
素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。