やっぱり体調が悪いと,なかなか勉強する気も起らないです・・・


まぁ,会社もお休みいただいているし,当然ですね.


なので,今日はおとなしく寝っころがって読書していました.



愚者の黄金/ジリアン テット
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J・P・モルガンの立場から見た,金融危機のお話です.


たしかに,JPが今回の金融危機で受けた傷が浅かったのは事実です.


でもそれは,シティやバンカメのような他の商業銀行と比べても


リスクテイクに消極的であったから,というのはよく聞く話です.


JPのリスク管理が優れていたから,サブプライム関連の損失が少なかったと


考えるのは早計です.


(邦銀もリスクを取っていなかったから,金融危機当初は損失が少なかったのと同じ.


今は,邦銀は新たな自己資本比率規制によって押しつぶされようとしていますが・・・)



しかし,JPの証券化チームが,


「他の銀行は,いったいスーパーシニアのリスクをどう始末しているのか?


リスクを消し去るような画期的な方法が見つかったのだろうか・・・」


と悩んだ末に,スーパーシニアのリスクアセットを自行の帳簿上で


なるべく圧縮しようとしたのは,やはりJPのリスクへの意識が高かったからなのでしょう.



この本を読んでいて感じたのは,


今回の金融危機の原因は,金融技術そのものではなく,


金融技術の使い方を誤った点にあると思います.


サブプライムローンを信用力の低い人たちに売りつけた業者然り,


インチキ金融商品を作りまくって投資家に売って荒稼ぎした金融機関然り,


インチキ商品に高い格付けを付与した格付機関然り,


SIVやSPVを使って証券化商品をオフバラ化していた金融機関然り,


そして,オフバラがBIS規制を潜り抜ける技であることを見抜けなかった規制当局然り.


高級な金融技術に対して,まだまだ使い方が未熟だったのではないかなと思います.



この本読んでいると,金融業界ってほんとに幼稚で,


何も作り出していないくせに,大きい顔ばっかりしてる業界だなぁ・・・と嫌気がさしてしまいました.


自分は金融業界に身を置いて,一体何をしていきたいのか,


しっかり考えていきたいと思いました.