8年目医師、「陥落」…ついにあのウイルスの魔の手が【m3.com連載】
内科医トリおんなのブログへようこそ☆医師・薬剤師向け会員制サイト、m3.comでの連載が公開されました。(m3.comのコンテンツ、医療従事者の経験・スキルをシェアする「メンバーズメディア」内での連載です)今回のタイトルは8年目医師、「陥落」…ついにあのウイルスの魔の手がログイン | m3.com医師のための総合医療情報ならm3.com。日々の診療や臨床・医学研究に役立つ医薬品情報、医療ニュース、学会情報、医学文献検索、医師掲示板、求人募集・転職情報、薬剤検索、医院開業・経営・集患ノウハウなど医師専用コンテンツが充実membersmedia.m3.com先々月にコロナに罹ってしまい、大変だったときのお話です。会員以外の方向けに、許可をいただいて、以下に本文を転載します。↓↓↓↓↓↓ 2018年卒のトリおんなです。この連載では、30代女性内科医の日常を綴っています。 前回は、大学での学生指導中に起こったハプニングをお届けしました。今回は、巷を騒がすあの感染症にかかってしまった体験記をお届けします。 それではどうぞ。咽頭痛に発熱…ついに“あのウイルス”に感染 少し前のことです。ついに私も“ヤツら”の魔の手にかかってしまいました。 ある日、朝起きるとやけに喉が痛く……。 (冷房が強すぎたかな) などと思っているうちに、昼過ぎには38.8℃の発熱。近くのクリニックで検査を受け、 「コロナですね」 と診断されたのです。 私はこれまでずっと臨床現場で働いてきて、特に、デルタ株大流行期の2021年には、最前線のコロナ病棟で勤務していました。 しかし、防護具のおかげか、幸いにも、私自身は新型コロナウイルスに一度も感染することなく過ごしてきました。 それなのに、今になって初感染とは……。標準予防策はしっかり心がけていたつもりだったのですが、にっくきウイルスたちめ、こちらの気の緩みを狙ったのでしょうか。悔しい。主治医から提案「〇〇を飲んでみては」 経験豊富なクリニックの先生からは「“風邪”同様の対症療法でも良いですが、早く治すには、ゾコーバ®︎を使うのも一つの方法ですよ」と提案していただきました。 論文によれば、発症後72時間以内にゾコーバ®︎の内服を開始することで、有症状期間を約24時間短縮できたという臨床試験のデータがあるのだそうです。<参照>Yotsuyanagi H, Ohmagari N, Doi Y, et al. Efficacy and safety of 5-day oral Ensitrelvir for patients with mild to moderate COVID-19. JAMA Netw Open. 9 Feb 2024;7(2):e2354991. doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.54991. 現在、新型コロナウイルス感染症の治療薬は複数流通していますが、いずれも価格がかなり高いのが特徴です。ゾコーバ®︎もその例に漏れず、5日間の内服で、自己負担額は約15000円(3割負担の場合)です。 私自身が外来で軽症の患者さんを診察するときには、いちおう「こういう薬がありますよー」と説明するのですが、自己負担額を聞くと、大抵の方は「(処方しなくて)いいです」とおっしゃいます。 そして、いざ自分が患者側の立場になってみると、やはり金額に尻込みし、 「30代で重症化リスクもないので、アセトアミノフェンで頑張ります!」 と豪語して、クリニックの先生からのせっかくのご提案を断ってしまいました。意を決してトライ高~い薬の効果のほどは… しかし、発症から2日が経つ頃には、症状が悪化し、激しい咳や、唾も飲み込めないほどの咽頭痛に苦しむこととなりました。 固形物が喉を通らないので、少量のお粥しか食べることができませんでした。おまけに下痢まで出現したので、辛くて泣きそうになりました。流行中のオミクロン株は重症化率が低いからといって、ナメてはいけません。コロナ、恐るべし。 子(生後10ヶ月)にうつすわけにはいかず、部屋にこもって家庭内隔離の生活をしていましたが、子どもの世話を家族に任せきりなのも気がかりでした。 (うーん、15000円。高いけれど、これは“生き金”かもしれない) 「対症療法で頑張ります!」という、最初の威勢はどこへやら。しょんぼりしながらクリニックに電話をかけて、 「やっぱりゾコーバ®︎を飲んでみたいです」 とお願いして、処方していただけることになりました。 さて、そんな薬の効果のほどはと言うと……内服開始の翌日には解熱し、咽頭痛も徐々に改善していきました。もちろん、自分自身の身体で“薬を飲んだ場合”と“飲まなかった場合”の経過を比べることは不可能ですが、これは“効いた”と信じたいものです。 幸い、この原稿を書いている現在は、隔離の推奨期間も無事に明けて、すっかり症状は治まっています。身をもって症状を味わい、高額な薬を内服したことで、医師としての経験値が上がった……ということにしておきたいと思います。 皆様も、どうぞお気をつけください。にほんブログ村いいね!やコメントがとても励みになります☆(サイレント読者の皆さまも、いつもありがとう)ご購入は上のボタンから、またはスタンプショップで[トリおんな]と検索!コメントは承認制です。(私が承認するまで公開されません)いつも皆さんのコメントから大いに元気をいただいています。ありがとうございます。執筆などのお仕事依頼もぜひコメント欄からお願いします。