【8】バトマン(タンデュ、ジュテ、グラン・バトマン)の体幹の動きについて
片脚を前に出す場合、体幹は「脚振り1」の動きになり、横や後ろに出す場合は、「脚振り2」の動きになる。体幹の屈伸と側屈の左右互い違い操作による翻りと大腿骨の左右の逆回旋によって、中心軸がクリアになり、軸脚が立ち、動脚が軽くなる。
右脚を前にバトマンする場合、右脚側の骨盤は上方に回転しながら後方回転している。軸脚である左脚側の骨盤は下方前方回転している。
さらに軸脚の大腿骨が内旋、動脚の大腿骨が外旋しているので、体の中心に絞られる感覚が生まれ、お尻が抜けずに中心軸が作られるので、軸脚(左脚)がしっかり立ち、動脚(右脚)はお知りの下から救い上げられる感覚になり軽くなる。
前へのグラン・バトマンの時、「腿裏で上げなさい」という指導者の言葉がはっきり体で理解できるようになる。
横に右脚を上げる場合は、「脚振り2」で右脚を前に出す体幹の動きと同じで、軸脚側の左脇と動脚の右脚が引っ張り合う感覚となり、動脚に体がとられず、軸脚が安定する。
また、右側の体幹に側屈が入っているので、右脚が軽くなる。
後ろに右脚を上げる(アラベスクも含む)場合の体幹は、「脚振り2」で右脚を後ろに引いた動きとなる。
右骨盤は後方回転し、軸の左骨盤は前方回転することで、軸脚のお尻が引けることなく、軸がしっかり立ち安定する。
「脚振り2」では、体幹が翻ることで後ろに上げた脚側の肩も後ろに引けるが、これが体にとっては自然な動きである。
しかし、バレエでは外見は胴体を動かさないようにしなければならない。したがって、肩甲骨や鎖骨を肋骨から分離させて動かし、両肩を横に並べておく。
これにより、上体の絞り感覚が生まれる。
外見だけを真似て、脚を後ろに上げれば非常に苦しく、腰も痛めかねない。
コツ(骨)トレで、肩甲骨や鎖骨が緩み、骨盤まわりが緩んで、体の連携ができてくると、軸脚が安定し、動脚は軽くなり楽に動かせるようになり、体も痛めない。
タンデュ、ジュテ、グラン・バトマンは全く同様な体幹の使い方であるが、タンデュ、ジュテは動きが小さく、体幹を使わなくてもとりあえず動作ができるので、「骨盤や肩を動かさない」というバレエ言語を守って、固まった体のままレッスンを続けていくと苦しく、体も痛めるバレエに陥ってしまう。
Author:コツ(骨)トレ愛好家 F.S(愛知県 女性:ジャズダンス、バレエ愛好家)
監修:TriMind
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