私が旅の素晴らしさに触れたのは、大学の卒業旅行だった。
卒業旅行が親友と二人旅ということはすでに決めていた。
なぜなら、私が一番尊敬している先輩の卒業旅行に以前ご一緒させていただいたからだ。
私が迷ったのは海外旅行か国内47都道府県をすべて制覇するかであった。
結局私は海外旅行を選んだ。
国内は仕事でいずれ行くことになるイメージが鮮明に描けたが、海外はこの機会を逃したら当分行くことができないと直感したからだ。
実際に社会人になってからその直感は的中した。
国内外を旅するとこんなことに気づかされる。
知らない土地の土を踏むと、ある人に出逢うということだ。
そうなのだ。
知らない土地の土を踏むと、自分に出逢うことができるのだ。
知らない土地の土を踏むと、自分の意外な側面を思い出す。
知らない土地の土を踏むと、これまでの悩み事がちっぽけに思えてくる。
知らない土地の土を踏むと、しばらくするとやる気が漲ってくる。
知らない土地でお気に入りの本を読むと、これまで読み飛ばしていた一文に出逢う。
知らない土地の地元紙を何気なく読むと、自分の人生を一変させる記事に出逢う。
知らない土地のローカル番組を眺めて方言を聞いていると、ほっこりする。
今の私は年中夏休みだから、本能の赴くままに気まぐれ旅行に出かけることができる。
旅行から宇宙一お気に入りの場所「書斎」に戻る度に、無性に本が書きたくなる。
嗚呼、生まれてきて本当によかった。
著:千田琢哉
さあ、最高の旅に出かけよう/総合法令出版 一部抜粋

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私の好きな著者、千田琢哉さんの人生に多大な影響を与えた人物が
中谷彰宏さんである。
3年後、金沢に講演をしに来た中谷さんと対談する機会が訪れる。
私は25歳となり、中谷さんはもうすぐ還暦を迎えようとしている。
若々しいさわやかな笑顔で次のように質問された。
「どう、今の仕事は楽しいかね?」
私は即答した。
「最高に楽しいです」
中谷さんはじっと私の目を見つめてから言葉を発した。
「君は僕と同じ眼差しを持ってるね」
私は思わず嬉しくて跳び上がりそうになったが、淡々とした姿勢を崩さなかった。
「中谷さんの今の目標は何ですか?」
いい質問だね。と言って、少し間を置いてからこう答えた。
「好きな人と、好きなことだけをして生きていくことかな」
どこかで聞いたことがある言葉だった。
そうだ、千田さんの本に書いてあった言葉だ。
伊藤 航の人生に多大な影響を与えた人物が
千田琢哉さんである。
「全国の営業の中で売上No.1になる」
という目標を達成した私は
毎日の仕事が楽しくて、楽しくてたまらなかった。
2015年7月25日 名古屋の書斎から
伊藤 航