友人の1人に学校の先生として働いている人がいる。その人と先日会ってお話しした時に以下の事を言っていた。

先生「怒ると疲れるから起こらない方針にしたんだ。」

 怒ると疲れるので怒らない。その決断には賛否両論があるとは思う。しかし、今回はその事は置いておく。僕が興味あるのは「怒り疲れ」という存在そのものである。怒ると疲れるというのは非常によく分かる。しかし、これは怒りだけにあるものではない。「感情解放」という行為自体がとても疲れると思うのだ。普段我々は感情を隠して生きている。当たり前だが、全員が感情を四六時中素直に出していたら、幼稚園のような国家になってしまう。団体が上手く機能するためには全員が少しづつ我慢し、協力していかなければならない。そのような時に1番我慢されるべきなのは「感情表現」なのである。つまり、僕たちは感情を表現する事を日常的にはできない。そんな中たまには、怒ったり、笑ったり、泣いたりという表現を全力でしなければならない時がある。普段我慢しているものを時々急に出すととても疲れる。それは当たり前である。

 そこで思うのは、俳優というのはやはり尊敬されるべき職業だという事である。彼らは僕たちがすぐに疲れてしまう「感情解放」を長時間行わなければならない。俳優が何のプロフェッショナルだかを余り理解している人はいないと思うし、好きな事だけをやって生きている印象もあるが、彼らは「感情表現」のプロフェッショナルなのである。学校の先生や、医者、警察は彼らにそこだけは勝てないのである。