今年の夏の甲子園。
決勝に進んだのは、昨年の覇者で今年も昨年同様、それ以上の
強さで強豪校を制してきた仙台育英と、春のセンバツで仙台育英に
敗れ、リベンジを果たさんと勝ち上がった慶応。
試合前は勝てば107年ぶりの優勝となる、慶応が話題となり、
選手では丸田湊斗選手が話題となっておりましたが、その丸田選手が
自身初のホームランを、この大舞台で放って試合は幕開け。
決勝戦の先頭打者本塁打は、長い夏の甲子園でも初めてとのこと。
その快挙に乗って、この回2点を先制した慶応は続く2回にも
丸田選手がタイムリーを放って、3-0とします。
しかし、仙台育英もこの3点で目が覚めたのか、
先発・湯田投手は、3回は満塁のピンチを無失点に
抑え、打線は2回と3回に1点ずつ返して、1点差に。
いよいよ仙台育英の本領発揮かと思われましたが、
同点、勝ち越しを許さない、慶応先発・鈴木投手の好投。
このがんばりが大きかったと思います。
5回表、仙台育英は湯田投手に代わって、2番手にエース・高橋投手が登板。
先頭打者にヒットを許すものの、2アウトを取って、試合の流れを
引き寄せるかと思われましたが、慶応は福井選手、代打・安達選手のタイムリーで
2点追加し、更には悔やまれる守備の乱れで失点を重ねて、8-2に。
あの仙台育英がこんなスコアになってしまうなんて・・。
慶応の大応援団が陣取るアルプススタンドと三塁側からは、ものすごい大声援。
その声に後押しされ、ヒットが、得点が、さらなる自信と勢いを生んでのビッグイニング。
準々決勝、大会屈指の好投手、沖縄尚学の東恩納投手を6回に猛攻を浴びせて
降板させた攻撃を思い起こさせられました。
ビッグイニングの裏からは慶応は準決勝で完封した二年生エース・小宅投手が登板。
準決勝から中1日、疲労が心配されましたが、その疲労を感じさせることなく
仙台育英打線を5回・6回と3人ずつ抑えると、7回からはヒットは許しても、
得点は許さず、最終9回も、先頭打者を内野安打と悪送球で2塁に進めるも、
その後を3人で抑えて、慶応はついに107年ぶりの夏の大会優勝!
前回の優勝、第2回大会当時はまだ甲子園球場がありませんでした。
慶応の優勝は大会史上では2度目の優勝ですが、今や甲子園が大会の代名詞と
なっていることを思うと、今回の優勝もまた、(奇しくも仙台育英がスローガンとした)
2度目の初優勝といえるのかもしれませんね。
5回のビッグイニングに代表されるように、今回の優勝は慶応への大声援が
大いに後押ししたと言われますが、あの大声援は敗れた仙台育英だけでなく、
慶応にも大きな重圧になっていたかもしれません。
仙台育英にも、重圧にも負けずに勝利を収めた慶応ナイン、本当にお見事でした。
チームの歴史は古いですが、自由な髪形、笑顔、エンジョイベースボールと、
新しいチーム、優勝おめでとうございます!
試合後の森林監督の「新しいもの」、うまく言えませんが、感じることができました。
そして敗れた仙台育英も、決勝のスコアは点差がついてしまいましたが、
心折れることなく、6回以降を無失点に抑え、最後まで笑顔を絶やさぬ姿は
前年優勝校として、準優勝校として素晴らしかったです。
コロナ禍の制限がなくなり、甲子園に毎試合大声援が響いた今大会。
決勝を戦った両校はもちろんですが、ベスト4に進んだ土浦日大や神村学園
ベスト8のおかやま山陽の旋風も印象的でした。
この3校が新たな強豪として、甲子園を何度も沸かせてくれると
高校野球ファンとしてはまた楽しみなチームが増えてうれしいです。
甲子園で戦った49校のナインと、彼らを支えたみなさん、
そして、大会を運営し、全国のファンに熱闘を伝えてくれたみなさん、
今年も本当にありがとうございました。