ベルリン・フィルのヨーロッパコンサート
2009

ヴェルディ:運命の力序曲
マルトゥッチ:追憶の歌
シューベルト:交響曲第8番ハ長調「グレイト」

アルト:ヴィオレッタ・ウルマーナ
指揮:リッカルド・ムーティ
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(2009年5月1日、ナポリ、サンカルロ劇場)

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リッカルド・ムーティが久々にベルリン・フィルの指揮台に上がり、
その年に開かれた故郷ナポリでのヨーロッパコンサートを収録した映像です。

まず、地元が生んだ世界的スターが、
しかも、ベルリン・フィルを指揮するとあって、
ベルルスコーニ首相などの著名人が顔を出したりと、
ただならぬ熱気に包また中での演奏会。
ムーティが姿を現すだけでブラボーが飛び通います。

さて、当夜の演奏会。
私は会心のできだと思います。

特にシューベルトのグレイトが素晴らしい。
ベルリン・フィルの高い能力と音楽性に支えられ、
南イタリア人ムーティらしい、
彫刻的なまでのマッチョで、
かつ歌心に満ち溢れたシューベルト!

冒頭ホルンの完璧な吹きっぷり、
第二楽章での、木管群のコンビネーションの良さと上手さ。
なかでも、
フルートのブラウとオーボエのケリー、
このふたりの阿吽の呼吸が素晴らしい!
第三楽章トリオでの歌わせ方、
フィナーレでの男性的な力強さ、
そして、コーダのタメ。

ベルリン・フィルのマッチョなサウンドと
見事に融合した演奏だと思います。

アバドが音楽監督に就任して以来、
ベルリン・フィルとは、それまで数々の録音を残すなど
比較的親密な関係にあったマゼール同様、ピタッとベルリン・フィルには登場しなかったムーティ。

そんな時間のギャップを感じさせない、
むしろ、久々の逢瀬の時間を楽しんでいるようにさえ見える、息がぴったり合った両者の演奏。
気が合うコンビに、困難があったとしてもやっぱり気が合うもの同士。ドキンちゃん
すぐに打ち解けて、さらなる高みに昇華するその様子がしっかりと刻まれた映像です。ばいちゃん

素晴らしい!

会場はイタリアのオペラハウスらしい馬蹄形の
その重厚で華やかな雰囲気は、
やはりヨーロッパでしか味わえないものなのでしょうね。
行ってみたいなあ~

もちろん、ムーティの格好の良い指揮振りが見れます!あひるアオキラ